イェンセンの不等式
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イェンセンの不等式(いぇんせんのふとうしき、英語: Jensen's inequality)は、凸関数を使った不等式である。
f(x) を実数上の凸関数とする。
離散の場合:
を、 を満たす正の実数の列とする。また、 を、実数の列とする。そのとき、次が成り立つ。
連続値の場合:
を、 を満たす実数上の可積分関数とする。また、 を実数上の可積分関数とする。そのとき、次が成り立つ。
ルベーグ積分論の観点では、 離散の場合も連続の場合も同一に見倣せる。
証明は、f のにおける接線を g とおいて、常に g(x) が f(x) よりも小さいことを使えばよい。
統計学において、式の下限を評価する際に、一定の役割を担っている。例えば、カルバック・ライブラー・ダイバージェンスが常に 0 より大きいことを証明するときに用いられる。p(x) が確率密度関数の場合を考えると、イェンセンの不等式は次のように書ける。
なお、イェンセンの不等式から、相加相乗平均の関係式などを導くこともできる。
参考文献
[編集]- David Chandler (1987). Introduction to Modern Statistical Mechanics. Oxford. ISBN 0-19-504277-8
- Tristan Needham (1993) "A Visual Explanation of Jensen's Inequality", American Mathematical Monthly 100(8):768-71.
- Walter Rudin (1987). Real and Complex Analysis. McGraw-Hill. ISBN 0-07-054234-1