コンテンツにスキップ

アーヘン条約 (2019年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フランスとドイツの協力と統合に関する条約
: Treaty on Franco-German Cooperation and Integration

: Vertrag zwischen der Bundesrepublik Deutschland und der Französischen Republik über die deutsch-französische Zusammenarbeit und Integration

: Traité entre la République française et la République fédérale d’Allemagne sur la coopération et l’intégration franco-allemandes
条約が調印されたアーヘン市庁舎
通称・略称 アーヘン条約
署名 2019年1月22日
署名場所 ドイツの旗 ドイツアーヘン
発効 2020年1月22日
締約国 フランスの旗 フランスドイツの旗 ドイツ
言語 フランス語ドイツ語
主な内容 #内容
テンプレートを表示

アーヘン条約(アーヘンじょうやく、: Aachener Vertrag, ドイツ語: Vertrag von Aachen, : Traité d’Aix-la-Chapelle)は、ドイツ連邦共和国フランス共和国との間で結ばれた二国間条約。

2019年1月22日にアーヘン市庁舎の戴冠式ホールで、ドイツ連邦首相アンゲラ・メルケルフランス大統領エマニュエル・マクロンによって署名された。条約が署名されて1年後の2020年1月22日に発効した[1]

正式名称は「フランスとドイツの協力と統合に関する条約」。
: Treaty on Franco-German Cooperation and Integration: Vertrag zwischen der Bundesrepublik Deutschland und der Französischen Republik über die deutsch-französische Zusammenarbeit und Integration: Traité entre la République française et la République fédérale d’Allemagne sur la coopération et l’intégration franco-allemandes

歴史

[編集]

仏独協力条約(エリゼ条約)の更新の提案は、2017年9月26日ソルボンヌでの演説ドイツ語版においてエマニュエル・マクロンによって最初に行われた[2]。エリゼ条約の55周年にあたり、マクロンとアンゲラ・メルケルは、ビジネス、社会、政治、技術における協力を深めることに賛成すると改めて表明した[3]

アーヘンがカール大帝の本拠地として共通の歴史を表すゆえに、エリゼ条約の56周年にあたるフランスとドイツの日ドイツ語版2019年1月22日)に、マクロン大統領とメルケル首相が新条約に調印する場所として、歴史的なアーヘン市庁舎の戴冠式ホールが選ばれた[4]

さらに、調印式典にはマクロンとメルケルに加えて、クラウス・ヨハニスルーマニア大統領、2019年上半期の欧州連合理事会議長)、ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長)、ドナルド・トゥスク欧州理事会議長)、アルミン・ラシェットノルトライン=ヴェストファーレン州首相)といった他の高位の政治家も出席した[5]

内容

[編集]

アーヘン条約は全28ヶ条で構成されている。条約の主要な6つの章には以下のように名前がつけられている。

  1. ヨーロッパ問題
  2. 平和、安全保障、開発
  3. 文化、教育、研究、移動性
  4. 持続可能な開発、気候、環境、経済問題
  5. 組織

項目の中でも取り分け、条約の目的は文化的多様性(§9)の強化と両国の安全保障上の利益の調整だった。アーヘン条約に基づいて、ゲーテ・インスティトゥートアンスティチュ・フランセ英語版アルビールビシュケクリオデジャネイロパレルモで、共同の文化的な施設を開く計画がある[6]

さらに、条約には、潜在的な危機的状況における相互援助を含む、両国の防衛政策の協力を深める目的もある[7]

この条約は、仏独議員会議英語版設立の一助になった[8]

批評

[編集]

条約の制定以来、いくつかの批判がある。

環境

[編集]

特定のEU諸国の他の多国間協力には、ベネルクス諸国(1958年)、ヴィシェグラード・グループ1991年)、ユーロ圏1999年)、中央ヨーロッパ防衛協力英語版2010年)、EUメッドグループ英語版2016年)が含まれる。

関連項目

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ étrangères, Ministère de l'Europe et des Affaires. “Franco-German Treaty of Aachen” (英語). France Diplomacy - Ministry for Europe and Foreign Affairs. 2020年10月10日閲覧。
  2. ^ Merkel und Macron: Neuer Freundschaftsvertrag in Aachen” (ドイツ語). Die Welt (2019年1月8日). 2021年2月22日閲覧。
  3. ^ Deutsch-französische Freundschaft: Neuer Élysée-Vertrag soll noch dieses Jahr kommen” (ドイツ語). Handelsblatt (2018年). 2021年2月22日閲覧。
  4. ^ Vertrag von Aachen: Merkel und Macron besiegeln Freundschaftspakt” (ドイツ語). Spiegel Online (2019年1月22日). 2021年2月22日閲覧。
  5. ^ Vertrag von Aachen unterzeichnet” (ドイツ語). Tagesschau.de. Tagesschau (2019年1月22日). 2021年2月22日閲覧。
  6. ^ Aachener Vertrag: Einrichtung deutsch-französischer Kulturinstitute” (ドイツ語). goethe.de. Goethe-Institut (2019年1月22日). 2021年2月22日閲覧。
  7. ^ Unterzeichnung in Aachen: "Unterwerfung eingeleitet": Warum manche Franzosen Vertrag mit Deutschland fürchten” (ドイツ語). focus.de. Focus (January 2019). 2021年2月22日閲覧。
  8. ^ “'Historic day' - French-German parliament meets”. BBC News. (25 March 2019). https://www.bbc.com/news/world-europe-47692475 2021年2月22日閲覧。 
  9. ^ http://lavdn.lavoixdunord.fr/552456/article/2019-03-15/marine-le-pen-reitere-ses-contre-verites-sur-les-migrants-et-le-traite-d-aix-la

参考文献

[編集]