アート金属工業
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種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒386-0027 長野県上田市常磐城2-2-43 |
設立 | 1945年12月 |
業種 | 機械 |
法人番号 | 4100001010513 |
事業内容 | 内燃機関用ピストンの製造 |
代表者 | 代表取締役社長 石原光章 |
資本金 | 23億9,700万円 |
売上高 |
264億5,900万円 (2024年3月期)[1] |
営業利益 |
6億9,700万円 (2024年3月期)[1] |
経常利益 |
20億7,100万円 (2024年3月期)[1] |
純利益 |
16億9,700万円 (2024年3月期)[1] |
純資産 |
302億8,500万円 (2024年3月期)[1] |
総資産 |
361億2,800万円 (2024年3月期)[1] |
従業員数 | 755人(2022年3月末現在) |
主要株主 | アイシン 79.2% |
関係する人物 |
榊原郁三(創業者) 本田宗一郎(元従業員) |
外部リンク | http://www.art-piston.co.jp/ |
特記事項:創業は1917年(アート商会)。 |
アート金属工業株式会社(アートきんぞくこうぎょう)は、長野県上田市に本社を置く、自動車などのエンジン用ピストンを開発・製造する企業である。
アイシンの連結子会社で、アイシングループ主要13社の一つ[2]。
概要
[編集]ピストン専業メーカーであり[3]、取引先は国内の主要自動車メーカーに加え海外の自動車メーカーにも及ぶ[4][5]。2017年にアイシン精機(現・アイシン)の傘下に入った後は、アイシンのピストン事業が集約され、一手に担う事になった。2016年の時点で、自動車用ピストンの世界シェアは3位である[6]。
また、経済産業省によって2020、2022、2023、2024年度に健康経営優良法人に認定されている[7][8]。
沿革
[編集]- 1917年(大正6年)- 榊原郁三が東京市本郷区湯島(現在の東京都文京区湯島)に自動車整備工場「アート商会」として創業[5]。
- 1926年(昭和元年)- アルミニウム合金製ピストンの試作に成功[5]。
- 1932年(昭和7年)- 「アート軽合金鋳造所」を設立し、本格的なピストン製造を開始[5]。
- 1941年(昭和16年)- 販売会社としてアートピストン株式会社を設立(1990年にアート金属工業に吸収合併)[5]。
- 1943年(昭和18年)- 現本社所在地である長野県上田市常盤城に疎開[5]。
- 1945年(昭和20年)- アート金属工業株式会社に改組[5]。
- 1958年(昭和33年)- ピストン部門とピン部門の強化を図るために富士金属株式会社を設立。
- 1964年(昭和39年)- 立科金属株式会社を設立。
- 1969年(昭和44年)- 東部金属株式会社を設立。
- 1970年(昭和45年)- 蓼北金属株式会社を設立。
- 1974年(昭和49年)- ヤシマ金属株式会社(現・蓼北金属株式会社 ヤシマ工場)を設立。タイにアートセリナピストン株式会社(ASP)を合弁で設立。
- 1980年(昭和55年)- 上田市山田に山田工場を新設[5]。
- 1993年(平成5年)- 上田市下之郷に塩田工場・研究開発センターを新設[5]。
- 2016年(平成28年)4月 - アイシン精機(現・アイシン)との経営統合に関する基本合意締結[9][10]。
- 2017年(平成29年)
モータースポーツへの関わり
[編集]→「アート商会 § レース活動」も参照
戦前のアート商会の時代には、榊原郁三の方針により、モータースポーツに積極的に参加していた。アート商会は1920年代から1930年代にかけて開催されていた日本自動車競走大会の常連チームで、中古の航空機用エンジンとアメリカ製のシャシーを組み合わせた「アート・カーチス号」を擁し、ドライバーの榊原真一(郁三の弟)とライディングメカニックの本田宗一郎のコンビで、数々の優勝を挙げた[14]。本田は1922年(大正11年)に丁稚奉公の形でアート商会に入社しており、その後1928年(昭和3年)にはのれん分けの形で静岡県浜松市に「アート商会浜松支店」を設立し独立した。後年、本田は尊敬する人物として、必ず榊原の名を挙げていた[15]。
また、アート金属工業も2015年より全日本F3選手権に参戦するトムスのスポンサーとして部品供給を行っている[16]。
関連会社
[編集]出典:[5]
- 立科金属株式会社(北佐久郡立科町)
- 浅間ピストン株式会社(佐久市)
- 東部金属株式会社(東御市)
- 蓼北金属株式会社(佐久市)
- エーエスシー株式会社
- ART-SERINA PISTON COMPANY LIMITED(タイ)
- 安慶雅徳帝伯活塞有限公司( 中国・安徽省安慶市)
- 濱州亜泰雅徳動力配件有限公司( 中国・山東省浜州市)
- PT.ART PISTON INDONESIA( インドネシア)
脚注
[編集]- ^ a b c d e f アート金属工業株式会社 第84期決算公告
- ^ “アイシングループ主要13社”. アイシン精機公式ホームページ. 2019年4月5日閲覧。
- ^ a b “アイシン、子会社のアート金属にピストン事業を譲渡”. 日本経済新聞. (2017年3月25日) 2018年11月18日閲覧。
- ^ 岡本哲弥(著)、日本経営学会(編)「自由論題(14)自動車メーカーとサプライヤーの取引構造におけるネットワーク密度」(PDF)『経営学論集第83集』、千倉書房、2013年9月1日、(14)-5頁、2019年3月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “企業情報”. アート金属工業. 2019年3月24日閲覧。
- ^ “業界レポート 2016年 No.2:世界自動車業界の現状と展望” (PDF). 三菱UFJ銀行 (2016年10月). 2019年3月25日閲覧。
- ^ “認定企業一覧 - ACTION!健康経営|ポータルサイト(健康経営優良法人認定制度)”. 経済産業省. 2024年9月11日閲覧。
- ^ “過去の認定企業一覧 - ACTION!健康経営|ポータルサイト(健康経営優良法人認定制度)”. 経済産業省. 2024年9月11日閲覧。
- ^ 『アイシン精機株式会社とアート金属工業株式会社との経営統合に関する基本合意書締結のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)アイシン精機株式会社・アート金属工業株式会社、2016年4月19日 。2018年11月18日閲覧。
- ^ “アイシン、エンジン部品会社株を取得 経営資源振り向け”. 日本経済新聞. (2016年4月19日) 2018年11月18日閲覧。
- ^ 『アイシン精機株式会社によるアート金属工業株式会社の株式取得に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)アイシン精機株式会社・アート金属工業株式会社、2017年2月1日 。2018年11月18日閲覧。
- ^ 『アイシン精機株式会社とアート金属工業株式会社のピストン事業譲渡契約締結について』(PDF)(プレスリリース)アイシン精機株式会社・アート金属工業株式会社、2017年3月24日 。2018年11月18日閲覧。
- ^ “Honda Collection Hall コレクションサーチ”. ツインリンクもてぎ公式ホームページ. 2018年11月19日閲覧。
- ^ このカーチス号はツインリンクもてぎ内の「ホンダコレクションホール」にて保存展示されている[13]。
- ^ “まず、本田宗一郎。初めから『つくる喜び』の人 / 1936”. Honda公式ホームページ. 2018年11月18日閲覧。
- ^ “F3へ参戦中”. アート金属工業公式ホームページ. 2018年11月19日閲覧。