アンドライモーン
アンドライモーン(古希: Ἀνδραίμων, Andraimōn)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してアンドライモンとも表記される。主に、
のほか、数名が知られている。以下に説明する。
カリュドーンの王
[編集]このアンドライモーンは、カリュドーンの王オイネウスの娘ゴルゲーの夫で[1][2]、トアースの父である[3][4][5][6]。一説にヘーラクレイダイを助けたオクシュロスの父[7]。
アグリオスの息子たちはオイネウスを幽閉し、王権を自分たちの父に与えたが、後にディオメーデースとアルクマイオーンはアグリオスの息子たちを討ち、オイネウスを解放した。このとき、彼らはオイネウスの王権をアンドライモーンに与えたという[8]。死後、アンドライモーンとゴルゲーは同じ墓に葬られた[2]。
なお、子のトアースはトロイア戦争におけるギリシア軍の武将の1人。
コドロスの子
[編集]このアンドライモーンは、ピュロスの王ネーレウスの子ペリクリュメノスの子孫で、アテーナイの王コドロスの子[9]。メドーン、ネイレウス[10]、アンドロクロス[11]、キュアレートス[12]、ダマシクトーン、プロメーテス[13]、ダマソス、ナオクロスと兄弟[14]。
父コドロスの死後、メドーンを除く息子たちはイオーニアー人を率いて小アジアのイオーニアー地方に入植し[10][15]、アンドライモーンはレベドスに住むカーリア人を追い払って王となった。アンドライモーンの墓がカラオーン河の近くにあったという[16]。
オクシュロスの子
[編集]このアンドライモーンは、オクシュロスの子である[17]。オイカーリアーの王エウリュトス[18]あるいはドリュオプスの娘ドリュオペーと結婚し[17]、アムピッソスをもうけた[18][17]。
オウィディウスの『変身物語』によると、妻ドリュオペーはニュムペーのローティスが変身した蓮の花を手折ったために樹に変じた。『変身物語』では義理の父エウリュトスとともに妻を探すアンドライモーンの姿が描かれている[18]。アントーニーヌス・リーベラーリスによると、ドリュオペーはハマドリュアス(樹木のニュムペー)に非常に愛された女性であったため、後に彼女たちに攫われてニュムペーとなった。またアムピッソスの本当の父親はアポローン神であったという[17]。
その他のアンドライモーン
[編集]脚注
[編集]- ^ アポロドーロス、1巻8・1。
- ^ a b パウサニアス、10巻38・5。
- ^ アポロドーロス、摘要(E)3・12-3・13。
- ^ 『イーリアス』2巻。
- ^ 『オデュッセイア』14巻。
- ^ パウサニアス、5巻3・7。
- ^ アポロドーロス、2巻8・3。
- ^ アポロドーロス、1巻8・6。
- ^ パウサニアス、7巻3・5。
- ^ a b パウサニアス、7巻2・1。
- ^ パウサニアス、7巻2・8。
- ^ パウサニアス、7巻2・10。
- ^ パウサニアス、7巻3・3。
- ^ パウサニアス、7巻3・6。
- ^ パウサニアス、7巻2・3。
- ^ パウサニアス、7巻・3・5。
- ^ a b c d アントーニーヌス・リーベラーリス、32話。
- ^ a b c オウィディウス『変身物語』9巻329行-393行。
- ^ シケリアのディオドロス、4巻53・2。
- ^ アポロドーロス、摘要(E)7・27。