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アンストッパブル (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンストッパブル
Unstoppable
監督 トニー・スコット
脚本 マーク・ボンバック
製作 トニー・スコット
ジュリー・ヨーン
ミミ・ロジャース
エリック・マクレオド
アレックス・ヤング
製作総指揮 クリス・シアッファ
リック・ヨーン
ジェフ・クワティネッツ
音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影 ベン・セレシン
編集 クリス・レベンゾン
ロバート・ダフィ
製作会社 スコット・フリー・プロダクションズ
テレビシオン・エスパニョーラ
Canal+
Telecinco Cinema
配給 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 2010年11月12日
日本の旗 2011年1月7日
上映時間 98分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
スペイン語
製作費 $100,000,000[1]
興行収入 世界の旗 $167,805,466[1]
日本の旗 10.8億円[2]
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アンストッパブル』(原題: Unstoppable)は、2010年公開のアメリカ災害アクションスリラー映画。通算5回目となるトニー・スコットデンゼル・ワシントンのコラボレーション作品で、トニー・スコットにとっての遺作にもなった。

2001年5月15日オハイオ州で発生したCSX8888号暴走事故を題材に制作された。

ストーリー

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ある日、ペンシルベニア州のフラー操車場で、アレゲニー・アンド・ウェストバージニア鉄道(Allegheny and West Virginia Railroad、略称AWVR)の39両編成・全長800mからなる最新ディーゼル機関車「777号(通称トリプルセブン)」と「767号」の重連での牽引による貨物列車が、作業員のデューイとギリースのミスにより無人走行状態となった。報告を受けた操車場長のコニーは、777号が低速での惰性走行(惰行)を行っていると考え、デューイとギリースに軌陸車で追跡を命じ、通勤中の操車場の溶接工主任ネッドに連絡して進路上のポイントを切り替えて777号を側線に入れ、安全に停止させるように指示する。ネッドはポイントで777号の到着を待つが、いつまで経っても777号は現れず、それどころか追跡していた筈のデューイとギリースが到着してしまい、実際には777号は動力がつながった状態(力行)でポイントを既に通過しており、ここで初めてコニーらは777号が猛スピードで暴走していることを知ることとなった。

一方、ペンシルベニア州南部のブルースター操車場では新人車掌のウィル・コルソンがベテラン機関士のフランク・バーンズと旧式ディーゼル機関車1206号に乗車する。乗車早々ミスをしたウィルをフランクは咎め、ウィルは反発して険悪な関係となる。妻ダーシーとの別居について裁判所から重要な命令が下るその日を迎えており、仕事から注意を削がれていた。一方で、フランクは鉄道会社がコスト削減のために自分のようなベテラン達を次々と解雇整理する一方で縁故による新人採用を行っていることに不満を持っており、鉄道一家に生まれたウィルのこともよく思っていなかった。

同じ頃、コニーは777号が19万リットルのディーゼル燃料に加え、発火性の強い有毒化学物質(溶融フェノール)を大量に積載していることを知る。更に、線路は「スタントンの大曲り」と呼ばれる有名な急カーブ箇所があるスタントンの市街地を通過するルートとなっていた上、カーブの外側には燃料集積所が広がっていた。このままでは777号が市街地で壮絶な脱線事故を起こして大きな被害が出るとし、コニーは上司で運行部長のガルビンに、777号が農村地帯にいる今の時点で脱線させ被害を軽減すべきだと進言する。しかし、目先の利益に囚われたガルビンは777号を止める手立てが他にあるはずだとしてその案を却下し、代わりに別の機関車を前から追突させて減速させ、ヘリから元海兵隊の機関士を777号に降ろす作戦を立案する。コニーは「無謀すぎる」と止めに入ったが、会社の利益を優先させるガルビンは強行するも、作戦は失敗し死傷者を出した上に、777号は止まらず暴走し続けた。

時を同じくして、フランクらの乗った1206号は前方から777号が迫っているため側線に入って回避するよう連絡を受ける。ところが、ウィルのミスによって余計な貨車を繋いだ1206号では指定された側線に収まらないことが判明した。フランクは正面衝突の危険を承知で、更にその先の修繕線まで1206号を進める。目前に777号が迫る中、間一髪で1206号は修繕線に入って衝突を回避した。フランクは家族のいるスタントンを危機から救うために、1206号を777号が牽引する貨車の最後尾車両の連結器へ逆向きに連結して強制停車させることを発案し、ウィルと共に777号の追走を始める。この動きを知ったガルビンはフランクらに勝手なことをするなと命令し、クビにすると脅すが、フランクらはガルビンを無視して独自に作戦を続ける。実はフランクには既に解雇通知が届いており、後18日で解雇される予定だった。

ガルビンは作戦がことごとく失敗し、ついに可搬式脱線器を用いた脱線作戦を認めるが、猛スピードの777号は脱線器を蹴散らして進み続ける。とうとうスタントンへの到着が迫ったという時、ついに1206号が777号に追いつきフランクの作戦を実行に移す。ウィルが連結器でケガを負いながらもなんとか連結は成功する。1206号のブレーキによって、777号のスピードが落ち始めたが、1206号のブレーキの効力が低下したことで再び加速を始める。そこでウィルが貨車の手動ブレーキを順次作動させる案を思いつき、フランクが実行に移すことで777号は減速をはじめ、スタントンの大曲りを脱線せずに乗り切った。フランクはそのまま列車の屋根を移動して先頭の機関室を目指す途中で行く手を阻まれてしまうが、ウィルがトラックで追いついたネッドの手助けで無事777号の機関室に乗り込んでブレーキをかけ、ついに777号は暴走をやめ、減速して停車した。

大惨事を回避した英雄として、ウィル、フランク、ネッドの3人はマスコミから賞賛を受ける。ウィルとフランクはそれぞれ家族との関係の修復も成功し、フランクの解雇命令も撤回された。

キャスト

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フランク・バーンズ
演 - デンゼル・ワシントン、日本語吹替 - 大塚明夫
今作の主人公。ブルースター操車場に勤める機関士で勤続28年の大ベテランで、機関士としてかなりの技量と経験を持ち、周囲からの信頼も厚い。この日初めて組んだ新米車掌のウィルと共に1206号に乗り込み、スタントンから貨物をウィルキンスに運ぶ途中、今回の事故に巻き込まれる。会社からは777号の停止作戦には手を出すなと命令されるが、長年の勤務経験で培われた確かな知識と勘から、脱線による停止作戦の成否は絶望的と判断し、後方の連結器のナックルが開いていたのを見るや777号を停止させるべく貨車を外し、ウィルと共に1206号で線路を逆走し後を追う。
新人であるウィルとはこの日が初顔合わせだが、ウィルの度重なるミスから口論が絶えず、険悪な空気となってしまうが、777号の追跡中にその仲は徐々に氷解していき、終盤には彼を認め「彼は変わった」と評価した。
会社がコスト削減のために自分達のようなベテランを次々と解雇させる一方で、縁故による新人採用を増やしていることに納得がいっておらず、会社からは物語開始の72日前に90日後の早期強制退職を宣告されており、18日後にはクビが言い渡される予定だった。また、4年前に妻のアリスと死別しており[3]、19歳のニコルと18歳のマヤという二人の娘との三人暮らしで、この日は上の娘であるニコルの誕生日だった。
777号暴走事故を解決に導いた功績を認められ、強制退職が撤回され出世した。その後、円満退職という形でAWVR社を退職している。
ウィル・コルソン
演 - クリス・パイン、日本語吹替 - 阪口周平
もう一人の主人公。ブルースター操車場に配属されて4ヶ月の新米車掌。フランクと共に1206号でスタントンから貨物をウィルキンスに運ぶ途中、今回の事故に巻き込まれる。鉄道一家の家庭に生まれ育った。
妻ダーシーとの間で生じた些細な誤解が元で妻子と別居状態であり、兄の元に身を寄せている。家庭の問題のためにうわの空で作業を行い、本来1206号に連結するべきではない貨車を余分に5両連結したため(但し、ブルースター操車場に向かう車の車内でフランクに仕事内容を聞かれた際、ウィルはスタントンで1206号に貨車を25両連結すると答えているが、スタントンの亜鉛工場で貨車を連結して走り出した1206号の車内でフランクに運ぶ貨車の両数を聞かれた際、ウィルは貨車の両数を20両と答えており、これ以降のシーンで貨車について言及されていないため、矛盾が生じる)、最初に待避しようとした側線では編成が納まらなくなり、それより10km先の充分な長さのある修繕線を待避に使わざるを得なくなってしまい、1206号を777号との正面衝突の危機に陥らせた(ディーゼル機関車同士の衝突は回避したが、1206号が牽引していた貨車の最後尾車両は退避が間に合わず777号と衝突している)。
新米でありながら鉄道一家の出身ゆえに優遇されていると周囲からは見なされており、大ベテランでありながら会社から退職を宣告されたフランクとは序盤から何かと口論になる(描かれ方からしてウィル本人はそう見られていることに嫌気がさしている様であり、車掌になる前は鉄道とは関係ない仕事を転々としていた)。さらに新米ゆえにミスを連発し、家庭の問題からくる苛立ちもあって険悪な雰囲気にまで発展。フランクが777号の後を追おうとした時も「自殺行為だ」と猛反対するが、彼から会社の行っている777号の停止作戦が絶望的なことと、故郷であり、家族の住むスタントンの町が大惨事に見舞われることを聞かされ、意を決して会社からの命令を無視してフランクと共に777号の追跡を開始する。その追跡の中でフランクと徐々に仲を氷解させていき、終盤には負傷しながらも1206号と777号の連結を成功させ、フランクをして「彼は変わった」と言わしめた。
777号暴走事故の解決を機にダーシーとの仲は修復。その後、第2子が誕生予定であることが語られている。
コニー・フーパー
演 - ロザリオ・ドーソン、日本語吹替 - 本田貴子
フラー操車場で操車場長を務める女性。デューイとギリースから777号の無人発車の報告を受けた際、彼らの報告から777号は緩やかに惰行していると判断し、デューイとギリースに追跡を、同僚のネッドに先回りとポイントの切り替えを指示するが、後に彼らの報告から777号は猛スピードで力行していることと、777号には補助の767号も含めて機関車2両分のディーゼル燃料に加え、牽引している貨車に毒性と発火性の強い溶融フェノールが大量に積まれていることが判り、史上最悪の貨物列車暴走事故が起こっていると判断して、州警察や鉄道会社に通報して事態回復に奔走する。
若輩ながら操車場長としては極めて有能で、積み荷が判明した際、777号を停車させることは不可能に近いと判断し、人気の無い農地で脱線させる事を運行部長のガルビンに提案するが会社の損失を最小限にすることを優先され一蹴される。ガルビン発案の停止作戦では死者を出した上、彼女に無断で実行された脱線作戦も失敗し万策尽きたかと思われたが、フランクとウィルが777号を追跡している事を知り、クビを覚悟で会社の命令を無視し、彼らに希望を託す。
777号暴走事故の解決後、当時の対応が上層部に認められ運行部長に昇進。
オスカー・ガルビン(ギャルヴィン)
演 - ケヴィン・ダン、日本語吹替 - 浦山迅
AWVR社の運行部長。コニーの通報で777号の暴走を知り、停止作戦を立案する。基本的に人命よりも会社の損失を最小限に止めることを優先しており、暴走する777号の前に別の機関車を回り込ませ、意図的な追突で減速させた隙にヘリコプターを使って777号に人を乗り込ませるという無謀ともいえる作戦を実行させるが、失敗した上に死傷者まで出してしまう。さらにコニーの脱線案を一蹴しておきながら彼女に無断で実行(それも街の郊外で)したり、777号を追跡するフランクとウィルに対して「会社の損失が拡大する」と怒鳴り散らすなど、極めて傲慢な性格。
命令を無視したフランク達に「命令に従わないならクビにする」と宣告するも、最終的には一連の作戦失敗の責任を問われる形で解雇され、皮肉にも彼自らがクビになった。
デューイ(ドゥーイ)
演 - イーサン・サプリー、日本語吹替 - 奈良徹
フラー操車場に勤める機関士。眼鏡を掛けている太った体型の男(途中から眼鏡を外している)。サボり癖がある上、普段から仕事態度が不真面目で相棒のギリース共々周囲からは問題児扱いされており、特に正確さを求めるネッドとは仲が悪い。
777号を移動させる際、貨車のエアーブレーキのホースが外れていることをギリースから知らされるが後回しにしようと主張し繋ぎ直さずに発車させ、さらにギリースの制止を無視してポイント切り替えのために列車が動いている状態で運転席から離れ、おまけにブレーキ操作を誤る等のケアレスミスをして777号の暴走を引き起こした張本人となってしまい、マスコミに顔写真と名前を放送されてしまう。事故の原因を作ったのにもかかわらず様子を見に来たネッドやコニーに減らず口を叩くなどしていたが、ジャッドの事故に関しては流石に責任を感じたのかギリース共々呆然とテレビを見ていた。
777号暴走事故後、自主退職しファーストフード業界に転職。
ギリース
演 - T・J・ミラー、日本語吹替 - 佐藤せつじ
デューイと一緒に行動している機関士。デューイ程ではないが勤務態度は良くない。デューイに貨車のエアーブレーキのホースが外れていることを伝えたが、彼の後回しにしようという主張を承諾し繋ぎ直さなかったため、彼と共に777号暴走の原因を作ってしまう。
その後デューイと共にハイレール(軌陸車)で777号を追跡し、777号に飛び移ろうとするも上手くいかず、危うく信号機にぶつかりそうになる。
ネッド・オールダム
演 - リュー・テンプル、日本語吹替 - 森田順平
フラー操車場に勤める溶接工主任。通勤中にサボって喫茶店に寄ったり、そこでウェイトレスを口説いたりと、言動は軽薄な男だが、仕事に対しては「(スポット溶接は)正確さがものをいう」という確固たる信念を持つ。いい加減な性格のデューイとギリースとは仲が悪い。喫茶店でサボってる最中にコニーから777号暴走の知らせと分岐器切り替えの指示を受けて先回りをするが、側線の切り替えポイントに到着した時には既に列車は通過しており、さらにデューイ達の証言から777号が力行状態で暴走していると知り、地元警察と協力して自身のトラックで追跡を開始。終盤、ウィルをトラックの荷台に乗せて運転席まで運び、777号の暴走を終わらせることに大きな貢献を果たすこととなった。
ダーシー・コルソン
演 - ジェシー・シュラム、日本語吹替 - 清和祐子
ウィルの妻で一児の母。彼女の紛らわしい行動から生じたウィルの些細な誤解が元で別居していたが、777号の暴走をフランクと共に食い止めようとするウィルを心配し、その様子を見守る。
バニー
演 - ケヴィン・チャップマン、日本語吹替 - 谷昌樹
フラー操車場の指令室に勤める通信士。777号を「怪物(ビースト)」と呼ぶ。
スコット・ワーナー
演 - ケヴィン・コリガン、日本語吹替 - 成田剣
連邦鉄道局の職員。この日行われる予定だった鉄道安全教室のためフラー操車場を訪れていた。職業柄、鉄道に関する知識が豊富であり、777号が牽引する貨車に積載されていた溶融フェノールなどの薬品関連にも精通しており、コニー達に様々な助言を与えたり、7375号が777号を側線に誘導しようとした際にオーバースピードであることを見抜いたりしている。この際、777号脱線という最悪の事態は回避できたが、7375号はポイント操作が間に合わず側線に入線して脱線転覆・爆発炎上してしまう。
フランク達が運転する1206号が連結を成功させた後、機関車の全力で逆方向に引くだけではなく発電ブレーキも併用して使用した方が良い等の減速方法も提案しており、結果的にこの提案が功を奏することになった。777号暴走事故解決の陰の功労者。
ジャッド・スチュワート
演 - デヴィッド・ウォーショフスキー、日本語吹替 - てらそままさき
ブルースター操車場に勤める機関士で勤歴26年のベテラン。フランクの友人で、冒頭のミンゴ操車場で会話をしていた。そこに現れたウィルに「ここは託児所じゃない」と皮肉を言い、「老人ホームかと思った」と嫌味を返される。ガルビンの提案した777号停止作戦の運転士役に指名され、自らが運転する7375号を777号の前に回りこませて減速させようと試みるが777号の圧倒的なパワーの前に失敗、7375号はオーバースピードで側線に入線して脱線転覆後に爆発炎上し、脱出できずに死亡する。
ウィルは顔を合わせていたものの名前までは知らなかったため、ミンゴ操車場で嫌味を言い合った相手とは気付いていなかった。
ジェシー
演 - ジェフ・ウィンコット、日本語吹替 - てらそままさき
ウィルの兄。

登場車両

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777号
GE AC4400CW型
今作のメインとなるフラー操車場所属の機関車で、後ろにペイントデザインが異なる同型機関車767号を連結している2両編成機関車。非常に強力な馬力を誇るが、様々なケアレスミスが重なり運転士がいないまま最大出力で暴走を開始してしまう。前から7375号に押されても、後ろから1206号に引っ張られてもほとんど減速しないほどの化け物で、踏切内で立ち往生したトラック、1206号が牽引していた貨車の最後尾車両、複数設置されたポータブルの脱線器など線路上のありとあらゆるものを蹴散らして暴走した(序盤のシーンで、777号が踏切内で立ち往生していたトラックに衝突して機関車の先頭にある3つある内の向かって右側のヘッドライトが破損するシーンが映し出されているが、その後のシーンでは全て向かって左側のライトが破損した状態になっている)。劇中では上記の大暴走の数々に加え、フラー操車場の管制官からも怪物と呼ばれており、更に777号自体の咆哮とも思えるような効果音が随所に散りばめられるなど、ほぼ機関車の姿をした怪獣として描写されている。
尚、他の機関車は全てEMD SD40-2型なので最近導入されたばかりの最新鋭の車両らしく、フランク達の機関車の最高速度が90km程度なのに対し、劇中で登場する速度計測などのシーンでは度々時速100kmを越えていた(劇中で警官が71.4mphと表記されたスピードガンを持っていた)。
赤のベースカラーに黄色のラインカラーというデザインで、767号は777号とは運転席の部分とラインカラーのカラーリングは同じだが、ラインカラーより上の部分が黒くペイントされている。
1206号
EMD SD40-2型
今作のもう一台のメインとなるブルースター操車場所属の単独機関車。だいぶ古い車両らしいが、5000馬力を誇りパワーが有り余っているとは言えなくとも衰えてはいないとのこと。車両単独で前進での最高速度は約80~88kmと語られ、後進時は97km程度で走行している。スタントンの亜鉛工場から貨車20両(実際にはさらに5両余計に連結していたが、仕事内容上1206号に連結すべき貨車は25両)をフラー操車場方面へ牽引中に今回の事故に遭遇する。
青のベースカラーに黄色のラインカラーというデザインで、他に登場する機関車も777号と767号を除いてほとんどが1206号と同型のほぼ同じカラーリングの車両だが、7375号と7346号のようにラインカラーが無い車両もある。
7375号
EMD SD40-2型
救援車両として指名されたブルースター操車場所属の機関車で、後ろに同型機関車7346号を逆向きに連結している2両編成機関車。
暴走する777号の前に回り込み止めようとするも777号の圧倒的なパワーには歯が立たず、そのままオーバースピードで側線に入線、さらに777号にダメ押しとばかりに突き飛ばされ脱線転覆、爆発炎上してしまう。
2002号
鉄道安全教室車両2両を牽引していた単独機関車。暴走する777号とニアミスしている。
所属が違うらしく、カラーリングも赤茶色のベースカラーに黄色のラインカラーというデザインとなっている。

製作

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2007年6月、20世紀フォックスはマーティン・キャンベルを本作の監督にするべく交渉していた[4]が、結局2009年3月までにトニー・スコットが務めることが決まった[5]。同年4月、デンゼル・ワシントンクリス・パインの参加が決まり[6]、2011年公開を目指して製作準備が開始された。

2009年7月、同じくトニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン主演の『サブウェイ123 激突』の興行成績低迷により『アンストッパブル』の資金調達が困難となり、製作がストップしていることが明らかとなった[7]。これに伴い20世紀フォックス側は製作費を1億ドルから9000万ドル、スコットの監督料を900万ドルから600万ドル、ワシントンの出演料を2000万ドルから1600万ドルまで下げようとし、これに反対したワシントンは7月17日までにプロジェクトから離脱した[8][9]。その後フォックスとスコットとワシントンで協議が行われ、ワシントンは復帰し、同年秋の撮影開始に向けて製作準備が再開される[10]

撮影は2009年8月31日に開始され、ペンシルベニア州オハイオ州で行われた[11][12][13]

劇中で登場する暴走機関車停止の作戦はどれも実際の事故の時に立案されたものと同じか、それをベースにしたアレンジ案となっており、実は進路上に別の機関車を置いて追突させることで停止させるという案も実際の事故でも立案されていた。ただし、実際の事故では最後の切り札として準備こそされたが、その前に停止させることができたので実行はされていない。また、劇中では複数の死傷者が出ているが、実際の事故においては死者は皆無であり、負傷者も事故発生時に転落して軽傷を負った機関士のみである。

暴走列車の機関車はカナダ太平洋鉄道からリースしたGE AC4400CW型が、救援用機関車にはEMD SD40-2型がそれぞれ使用された。因みに、実際の事故では暴走した機関車、救援機ともにSD40-2型であった。

主人公、フランクの妻は物語開始の4年前に亡くなっているが、フランクのモデルとなった実際の事故で暴走列車を追跡した機関車の機関士の妻も放映4年前に癌で亡くなっている。本作のエンドロールでは監督のトニー・スコットの計らいで「この映画を今は亡き機関士の妻に捧げる」と記された。

評価

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批評家のレビュー

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Rotten Tomatoesでの支持率は86%(160名中138名)で、平均点は10点満点で6.9点を獲得し、「新鮮映画」に認定された[14]Metacriticでは34のレビュー中好意的なものが24で、平均点は100点満点中69点だった[15]。映画評論家のロジャー・イーバートは4つ星満点で3星半に認定し、「完全な職人芸で、これはずば抜けた映画である」と述べた[16]。『ニューヨーク・タイムズ』のマノーラ・ダルギスは映画の視覚スタイルを称賛した[17]

興行成績

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北米3207館で公開され、初週末3日間で2268万8457ドルを稼ぎ、『メガマインド』に次いで週末興行収入2位となった[18]。これは、前年に同じくトニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン主演で公開された『サブウェイ123 激突』とほぼ同等の初動記録である[19]

テレビ放送

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回数 テレビ局 番組名(放送枠名) 放送日 放送時間 放送分数 視聴率
1 日本テレビ 金曜ロードSHOW! 2013年6月14日 21:00 - 22:54 114分 10.3%
2 TBS 月曜ゴールデン特別企画 2015年1月12日 7.9%
3 NHK BSプレミアム プレミアムシネマ 2018年11月5日 21:00 - 22:40 100分 -
4 テレビ東京 午後のロードショー 2019年2月18日 13:35 - 15:40 125分 -
5 NHK BS プレミアムシネマ 2024年4月15日 13:00 - 14:40 100分 -

出典

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  1. ^ a b Unstoppable (2010)” (英語). Box Office Mojo. 2012年1月15日閲覧。
  2. ^ 2011年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
  3. ^ 死因はガン。
  4. ^ Fleming, Michael (2007年6月7日). “Fox dealing with 'Unstoppable' budget”. Variety. https://variety.com/article/VR1118005527.html?categoryid=13&cs=1 2009年8月17日閲覧。 
  5. ^ Fleming, Michael (2009年3月27日). “Tony Scott boards 'Unstoppable'”. Variety. https://variety.com/VR1118001755.html 2009年8月17日閲覧。 
  6. ^ Fleming, Michael (2009年6月29日). “Fox train thriller just 'Unstoppable'”. Variety. https://variety.com/article/VR1117966502.html?categoryid=13&cs=1 2009年8月17日閲覧。 
  7. ^ “トニー・スコット監督の新作「アンストッパブル」が製作ストップ?”. 映画.com. (2009年7月3日). https://eiga.com/news/20090703/5/ 2010年9月30日閲覧。 
  8. ^ “デンゼル・ワシントンが列車アクション「アンストッパブル」を降板!”. 映画.com. (2009年7月17日). https://eiga.com/news/20090717/4/ 2010年9月30日閲覧。 
  9. ^ Denzel Washington Drops Out of Unstoppable?”. Coming Soon (2009年7月14日). 2009年8月17日閲覧。
  10. ^ “デンゼル・ワシントン、一時降板した「アンストッパブル」に復帰”. 映画.com. (2009年7月23日). https://eiga.com/news/20090723/27/ 2010年9月30日閲覧。 
  11. ^ Fee, Gayle; Raposa, Laura (2009年8月17日). “We Hear: Kevin Chapman, Denzel Washington, Tom Werner & more...”. Boston Herald. https://www.bostonherald.com/track/inside_track/view/20090817we_hear_kevin_chapman_denzel_washington_tom_werner__more/srvc=home&position=also 2009年8月17日閲覧。 
  12. ^ Vancheri, Barbara (2009年7月24日). “Action flick 'Unstoppable' to film in Pittsburgh”. Pittsburgh Post-Gazette. https://old.post-gazette.com/pg/09205/986078-60.stm 2009年8月17日閲覧。 
  13. ^ “Denzel Washington movie call takes job fair tone”. The Associated Press. (2009年8月17日). https://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5gGwKPhRMa-ql29E9CKB2PiUmyXNAD9AB8TA80 2010年9月30日閲覧。 
  14. ^ Unstoppable (2010)” (英語). Rotten Tomatoes. 2011年1月3日閲覧。
  15. ^ Unstoppable reviews at Metacritic.com” (英語). Metacritic. CBS Interactive. 2011年1月3日閲覧。
  16. ^ Ebert, Roger (2010年11月10日). “Unstoppable”. Chicago Sun Times. https://www.rogerebert.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20101110/REVIEWS/101119995 2010年11月11日閲覧。 
  17. ^ Dargis, Manohla (2010年11月11日). “I Think I Can: Trying to Stop a Crazy Train Hurtling to Disaster”. The New York Times: pp. 2. https://www.nytimes.com/2010/11/12/movies/12unstop.html 2010年11月14日閲覧。 
  18. ^ Weekend Box Office Result for November 12-14, 2010” (英語). Box Office Mojo. 2010年1月4日閲覧。
  19. ^ “Movie Projector: 'Unstoppable' seeks to derail 'Megamind' as 'Morning Glory' looks dim”. Los Angeles Times. (2010年11月11日). https://latimesblogs.latimes.com/entertainmentnewsbuzz/2010/11/movie-projector-unstoppable-seeks-to-derail-megamind-as-morning-glory-looks-dim.html 2011年1月3日閲覧. "One person close to the production said "Unstoppable" cost about $100 million after the benefit of tax credits, though another person close to Fox said the final budget was closer to $85 million." 

外部リンク

[編集]