アワガタケスミレ
アワガタケスミレ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2020年4月下旬
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Viola awagatakensis T.Yamaz., I.Ito et Ageishi[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
アワガタケスミレ(粟ヶ岳菫) |
アワガタケスミレ(粟ヶ岳菫、学名:Viola awagatakensis)は、スミレ科スミレ属の多年草。1997年新種記載の種である[3][4]。
特徴
[編集]有茎の種であるが、地上茎はほとんど立たず、立っても茎の高さは3-6cmほど。植物体の高さは7-14cm。唇弁の距が細長く、斜上することでは、ナガハシスミレ V. rostrate subsp. japonica に似るが、 同種と比べ、葉は小さく、質が厚く光沢が強く、三角状卵形で基部が心形とならず、切形となることで区別がつく。また、葉の質が厚く光沢がある点で似るテリハタチツボスミレ V. faurieana とは、唇弁の距が細長く、斜上する点で区別される。本種の距は長さ8-12mmになる。花期は4月下旬-5月中旬。花の径は約1-1.3cmと小さく、花弁は紅紫色から淡紫色になり、側弁の基部に毛は無い。花柄は根生または腋生で、赤みを帯びる。 染色体数は2n=20[3][4]。
分布と生育環境
[編集]日本固有種。本州の新潟県、福島県および山形県の内陸部に分布し、日当たりのよい傾斜地で、岩の割れ目や崩壊したやや乾いた場所に限定的に生育する[3][4]。タイプ標本の採集地は、新潟県南蒲原郡下田村(現、三条市)[1][5]。
名前の由来
[編集]和名のアワガタケスミレは「粟ヶ岳菫」の意で、種小名(種形容語)awagatakensis とともに、基準産地の新潟県加茂市と三条市にまたがる粟ヶ岳による[3][4][5]。
新種記載
[編集]本種は初め、ナガハシスミレの変種 V. rostrate var. crassifolia として記載された[2][5]。変種名 var. crassifolia は「厚葉の」の意味[6]。「日本のスミレ」(1967) の著者、植物学者の橋本保 (1967)によるものである[5]。
1983年以降、新潟県の植物研究家、伊藤至と上石貞夫は、粟ヶ岳山麓のかなりの場所で本種を確認し、標本を採集した。1997年に、植物学者の山崎敬と、伊藤、上石によって、本種は距が長い点ではナガハシスミレに似るが、むしろ葉質が厚く、葉の裏面に細点がある点で類似する、粟ヶ岳周辺にも多いテリハタチツボスミレから分化した、独立した種である、として新種として記載発表された[5]。
種の保全状況評価
[編集]準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
(2019年、環境省)
ギャラリー
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花は淡紫色で、側弁の基部は無毛。距は細長く、斜上する。
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葉は厚く光沢があり、基部は切形になる。
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葉裏(左)。
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花時にはあまり茎が立たない。アカマツの生えるやや乾いた稜線わきの急斜面にあったもの。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b アワガタケスミレ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b アワガタケスミレ(シノニム)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d 『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプタンツ(増補改訂新版)』p.253
- ^ a b c d 門田裕一 (2016)「スミレ科」『改訂新版 日本の野生植物 3』p.226
- ^ a b c d e 山崎 敬:「アワガタケスミレについて」,『植物学雑誌』、The Journal of Japanese Botany, Vol.72, No.1, pp.58-61. (1997)
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1489
参考文献
[編集]- 矢原徹一他監修『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプタンツ(増補改訂新版)』、2015年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 3』、2016年、平凡社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- 山崎 敬:「アワガタケスミレについて」,『植物学雑誌』、The Journal of Japanese Botany, Vol.72, No.1, pp.58-61. (1997)