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アルバート・エッシェンモーザー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アルバート・エッシェンモーザー
Albert Eschenmoser
生誕 (1925-08-05) 1925年8月5日
スイスの旗 スイスウーリ州エルストフェルト
死没 (2023-07-14) 2023年7月14日(97歳没)
居住 スイスの旗 スイス
国籍 スイスの旗 スイス
研究分野 有機化学
研究機関 チューリッヒ工科大学
出身校 チューリッヒ工科大学
博士論文 Zur säurekatalysierten Zyklisierung bei Mono- und Sesquiterpenverbindungen (1952)
博士課程
指導教員
レオポルト・ルジチカ
主な業績

エッシェンモーザー塩

シアノコバラミンの合成(ロバート・バーンズ・ウッドワードとともに)
主な受賞歴 デービーメダル (1978)
アーサー・C・コープ賞 (1984)
ウルフ賞化学部門 (1986)
ベンジャミン・フランクリン・メダル (2008)
プロジェクト:人物伝
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アルバート・エッシェンモーザー(Albert Eschenmoser、1925年8月5日 - 2023年7月14日[1])は、チューリッヒ工科大学スクリプス研究所で研究を行ったスイス化学者である。

レオポルト・ルジチカとともに行ったテルペンの研究やスクアレン環化によるラノステロールの合成の研究は、ステロイド生合成に関する理解を深めた[2]

1960年代初頭、エッシェンモーザーは、当時最も複雑な天然化合物であったシアノコバラミン(ビタミンB12)の研究を始めた。ハーバードでのロバート・バーンズ・ウッドワードとの共同研究では、ほぼ100人の学生や博士研究員が数年に渡ってこの分子の合成に取り組んだ。この研究は、1973年に論文にまとめられ、有機化学の歴史におけるランドマークとなった。

エッシェンモーザー・タナベ開裂エッシェンモーザー塩は、彼の名前に因んでいる。

トレオース核酸

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トレオース核酸(TNA)は、エッシェンモーザーが開発した人工遺伝子ポリマーである。TNA鎖は、トリオースホスホジエステル結合により繰り返し繋がった構造をしている。デオキシリボ核酸リボ核酸と同様に、トレオース核酸もその核酸配列(GACT)の中に遺伝情報を保持できる。TNAは、DNA以前の初期の遺伝システムである可能性があると考えられている[3]

主な受賞等

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フリブール大学(1966年)、シカゴ大学(1966年)、エジンバラ大学(1979年)、ボローニャ大学(1989年)、ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学フランクフルト・アム・マイン(1990年)、ルイ・パストゥール大学(1991年)、ハーバード大学(1993年)、スクリプス研究所(2000年)、インスブルック大学(2010年)各大学から名誉博士号取得。1986年王立協会外国人会員選出。

出典

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  1. ^ “Albert Eschenmoser deceased” (ドイツ語). ETH Zurich. (2023年7月16日). https://chab.ethz.ch/en/news-and-events/d-chab-news/2023/07/albert-eschenmoser-deceased.html 2023年7月18日閲覧。 
  2. ^ Eschenmoser et al. (1955)
  3. ^ https://asunews.asu.edu/20120109_tna
  4. ^ Reply to a parliamentary question” (pdf) (German). p. 383. 31 October 2012閲覧。
  • A. Eschenmoser, L. Ruzicka, O. Jeger, D. Arigoni (1955). “Zur Kenntnis der Triterpene. 190. Mitteilung. Eine stereochemische Interpretation der biogenetischen Isoprenregel bei den Triterpenen”. Helvetica Chimica Acta 38 (7): pp.1890–1904. doi:10.1002/hlca.19550380728.  (ドイツ語)

外部リンク

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