アップステート・カリフォルニア
アップステート・カリフォルニア Upstate California | |
Northstate | |
Region | |
標語: 全ての上に("Above it all") | |
国 | アメリカ合衆国 |
---|---|
州 | カリフォルニア州 |
地域 | 北カリフォルニア |
最高地 | シャスタ山 |
- 所在地 | シスキュー郡 |
- 標高 | 14,179ft (4,322m) |
最低地 | 太平洋 |
- 所在地 | 北部海岸 |
- 標高 | 0ft (0m) |
長さ | 200mi (322km) |
幅 | 200mi (322km) |
面積 | 46,900 sq mi (121,470 km²) |
人口 | 1,611,717 (2000) |
人口密度 | 34 /sq mi (13 /km²) |
等時間 | 太平洋標準時 |
- 夏時間(DST) | 太平洋夏時間 |
市内局番 | 530、707 |
アップステート・カリフォルニアにはポイントアリーナとタホ湖から北、20の郡が含まれる
| |
ウェブサイト: upstatecalifornia.com | |
アップステート・カリフォルニア経済開発委員会[1] |
アップステート・カリフォルニア(英: Upstate California)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州北部のほとんどが田園部である20郡からなる地域である[1]。総面積は46,900 平方マイル (121,000 km2) あり、サンフランシスコ・ベイエリアと州都サクラメントの地域より北にある。
アップステート・カリフォルニアは地図の上でポイントアリーナとタホ湖から北、州境まで拡がる地域と認識される。緯度で見ると北カリフォルニアと呼ばれる地域の北半分に一致する。北部海岸、サクラメント・バレーおよびシエラネバダ山脈のそれぞれ北側部分を含み、カスケード山脈のカリフォルニア州内に入るシャスタ・カスケードは全て含んでいる。
アップステート・カリフォルニアの中で大きな都市はローズビル、レディング、チコ、ユバシティおよびユーレカである。
歴史
[編集]アップステート・カリフォルニアは北カリフォルニアの主要な都市化された地域より北にある田園部が大半の地域名である。北カリフォルニアという言葉ではサンフランシスコ・ベイエリアと州都サクラメントの地域が含まれる。サクラメントより北の地域は、州内中央に近く位置し主要都市圏が集中する地域と区別するために、伝統的にノースステートという名称を使ってきた。しかし、ノースステートという言葉は州内他地域ではほとんどあるいは全く認識されていない名称である。海岸部のマリン郡、ソノマ郡、メンドシーノ郡、ハンボルト郡およびデルノルト郡は北部海岸あるいはレッドウッドコーストと呼ばれており、これにはサンフランシスコ・ベイエリアにある郡の北部を含むことで、対象がぼやけてしまう。2001年、北側20郡とその経済開発推進組織が、その地域名に「北」を含めない新しい名称、すなわちアップステート・カリフォルニアを決めた。この名称はアップステート・ニューヨークが認識されていることにあやかる意図もある[2]。
アップステート・カリフォルニアは、州からの分離を求めたことなど、そのアイデンティティを主張しようとしてきた歴史がある。1941年にカリフォルニア州北部の郡とオレゴン州南部の郡を併せてジェファーソン州を創ろうとした動きは、この年12月7日の真珠湾攻撃でアメリカ合衆国が第二次世界大戦に参戦することになったために潰えた。1990年代初期、下院議員のスタン・ステーサムが北部の郡を分離して新しい州を創ろうとしたが失敗した[3]。1941年の歴史が繰り返されるように、このアップステート・カリフォルニアの運動は2001年9月10日に始まっていた[4]。その翌日に起こったニューヨーク市とワシントンD.C.に向けられたアメリカ同時多発テロ事件により、この運動も影が失せた。
アップステート・カリフォルニアという名称の歴史は新しいが、その使用頻度は上がってきている。例えば州政府の機関であるカリフォルニア州労働力開発局[5]、およびカリフォルニア大学システムの10キャンパス[6]は、州内を区分するときにアップステート・カリフォルニアを用いている。しかし、アメリカ合衆国国勢調査局はサクラメント統計調査都市圏の中にエルドラド郡、ネバダ郡、プレイサー郡、サッター郡およびユバ郡の5郡を含めている[7]。
カリフォルニア州立大学チコ校にある経済開発センターが2009年に公表した「アップステート・カリフォルニアにおける再生可能な発電」と題する報告書では、この地域の発電量のうち43%が再生可能な資源から得られている。これは州が2020年までの到達目標を33%としていたのに対し、既にクリアしている。この報告書は、地域経済開発の方向付けとして、さらに再生可能なエネルギーを開発するためには良い条件にあることも示唆している。現在利用されている水力、バイオマスおよび地熱に加えて、将来は太陽熱発電の可能性も評価している。風力発電の実現性は薄い[8][9][10]。
地理
[編集]アップステート・カリフォルニアは、海岸部メンドシーノ郡のポイントアリーナからシエラネバダ山脈のタホ湖に引いた線より北、オレゴン州との州境までの全ての地域である。南の境界はメンドシーノ郡とエルドラド郡の南側郡境に一致している。緯度で見ると、北カリフォルニアの北半分、カリフォルニア州全体の北3分の1にほぼ相当してもいる。
アップステート・カリフォルニアで最も人口の多い地域はサクラメント・バレーである。サクラメント・バレーは西をノースコースト山脈、北をシャスタ・カスケード、東をシエラネバダ山脈に囲まれている。モドック郡、ラッセン郡およびシエラ郡のシエラネバダ山脈より東の地域は、グレートベースンの高地砂漠地域に入り、ここにある水流は大洋まで達していない。タホ湖の水もグレートベースンに流れ出ている。
アップステート・カリフォルニアのランドマークとしては、海岸部のセコイア森林、タホ湖、およびシャスタ・カスケードにある火山、シャスタ山とラッセン山がある。ラッセン山が最後に噴火したのは1918年である。
小区域
[編集]次の地域等はその全体がアップステート・カリフォルニアの中にある。
- ハニー湖
- ラッセン山
- ロスト海岸
- シャスタ山
- シャスタ・カスケード
- サプライズ・バレー
- トリニティ・アルプス
- ユバ・サッター地域
次の地域等はその一部がアップステート・カリフォルニアに含まれている
- ゴールドカントリー - 一部は北カリフォルニアの南側に含まれる、シエラネバダ山脈内にある
- サクラメント大都市圏 - その北部は含むが、サクラメント郡は含まない
- クラマス盆地 - 一部はオレゴン州
- タホ湖 - 一部はネバダ州
- 北部海岸 - 一部はサンフランシスコ・ベイエリアのノースベイ
- サクラメント・バレー - 一部はサクラメント地域
- ワインカントリー - 一部はサンフランシスコ・ベイエリアのノースベイ
アップステート・カリフォルニアは次の電話地域コードがあり、それぞれが南にある他の地域までを含んでいる
次の地域等はアップステート・カリフォルニアと交差する大きな地域である
郡
[編集]アップステート・カリフォルニアは次の20郡で構成される[1]。
都市と町
[編集]下記の都市や町は地域の中心あるいは郡庁所在地である。括弧内は2010年国勢調査での人口である[11]。
教育
[編集]カリフォルニア州立大学システムの中でアップステート・カリフォルニアにはチコ校とハンボルト校がある。
地域内にはカリフォルニア大学のキャンパスは無い。最も近いものはデイビスにある。
次のコミュニティ・カレッジが地域内にある。
- ビュート・カレッジ、ビュート郡オーロビル
- グレン郡も対象内
- フェザー川カレッジ、プラマス郡クィンシー
- レイクタホ・コミュニティ・カレッジ、エルドラド郡サウスレイクタホ
- ラッセン・カレッジ、ラッセン郡スーザンビル
- メンドシーノ・カレッジ、メンドシーノ郡ユカイア
- レイク郡も対象内
- レッドウッズ・カレッジ、ハンボルト郡ユーレカ
- サテライトキャンパスがデルノルト郡クレセントシティとメンドシーノ郡フォートブラッグにある
- シャスタ・カレッジ、シャスタ郡レディング
- シエラ・カレッジ、プレイサー郡ロックリン
- シスキュー・カレッジ、シスキュー郡ウィード
- ユバ・カレッジ、ユバ郡メアリーズビル
コルサ郡、モドック郡、ネバダ郡、シエラ郡、サッター郡、テハマ郡にはコミュニティ・カレッジが無い。
交通
[編集]アップステート・カリフォルニア内には道路、鉄道、空路および水路による交通手段がある。
主要高規格道路
[編集]この地域の主要高規格道路は山脈を回って南北に走っている。州間高速道路5号線が地域の中心を通る幹線道路である。アメリカ国道101号線が海岸部を通る幹線道路である。アメリカ国道395号線はシエラネバダ山脈東側の道路である。州間高速道路80号線はプレイサー郡、ネバダ郡およびシエラ郡を抜けている。州道と郡道のネットワークが地域の結び希に山岳部を抜けている。
|
|
アップステート・カリフォルニアには昔のアメリカ国道2本の標識が残っている。アメリカ国道40号線は州間高速道路80号線に置き換わったが、多くの都市や田舎道ではそれに並行して走っている。フェザー川峡谷を抜ける元のアメリカ国道40号線はカリフォルニア州道70号線になった。
同様にアメリカ国道99号線は州間高速道路5号線に置き換わった。幹線道路として使われていた事業道路や側道のあちこちに歴史的ルートという表示がある。セントラルバレーでは2つのルートに分かれ、西ルートは州間高速道路5号線に、東ルートは州道99号線になる。
鉄道
[編集]この地域内の旅客列車はアムトラックの長距離線に限られている。コースト・スターライトが夜遅くにチコ、レディングおよびダンスミュア(シャスタ山近く)で停車する。カリフォルニア・ゼファーは日中にトラッキー、コルファックス、およびローズビルで停車する。アムトラックがキャピトル・コリドーとサン・ホアキンへの接続バスを運行している。グレイハウンドは主要幹線を通るバス便を運行している。
貨物列車は私鉄が運行している。ユニオン・パシフィック鉄道とBNSF鉄道がこの地域を通る幹線を運行している。プレイサー郡ローズビルにあるユニオン・パシフィック鉄道のJ・R・デイビス操車場は西部州の中でも最大の鉄道施設である[12]。地域内の他の小規模鉄道として、アルマナー鉄道(廃線)、カリフォルニア・ノーザン鉄道、セントラル・オレゴン・パシフィック鉄道、レイク郡鉄道、モドック・ノーザン鉄道、クィンシー鉄道およびワイリーカ・ウェスタン鉄道がある。
空路
[編集]地域航空サービスは、アーケータ・ユーレカ空港、チコ空港、クレセントシティ空港およびレディング空港を利用できる。オレゴン州クラマスフォールズにある空港も利用できる。
最も近い商業便空港はサクラメント国際空港、ネバダ州のリノ・タホ国際空港、およびオレゴン州メドフォード空港である。
ユバ郡メアリーズビル近くにビール空軍基地、ラッセン郡ハーロング近くにシエラ陸軍補給所がある。アメリカ沿岸警備隊ハンボルト湾航空基地はハンボルト郡のマッキンリービルに近いアーケータ・ユーレカ空港を共有している。
一般用途空港は20郡のそれぞれにある。
水路
[編集]アップステート・カリフォルニア海岸部で唯一水深がある港は、州内でも2番目に大きな自然の水深があるハンボルト湾であり、地域最大の都市ユーレカがその東岸にある。この港はハンボルト港湾レクリエーション保存地区が管理しており、同地区はロストコーストにあるシェルターコーブの施設も管理している。その他の港とマリーナとしては、クレセントシティにあるクレセントシティ港、フォートブラッグにあるノヨ港、トリニダードにあるトリニダード港がある。レクリエーション用マリーナは内陸の湖や川にもあり、タホ湖、シャスタ湖、オーロビル湖、トリニティ湖、クリア湖、アルマナー湖、ウィスキータウン湖など多数ある。
公園と保護地域
[編集]
下記リストはアップステート・カリフォルニア内にある自然保護地域である。
|
|
経済開発
[編集]以下のリストはアップステート・カリフォルニア経済開発委員会など、連邦政府、州および地方政府あるいは経済開発団体による経済開発推進の動きを示す。
- エルドラド郡
- エルドラド郡 - 経済要約報告書
- ハンボルト郡
- ネバダ郡
- プレイサー郡
- ローズビル市 コミュニティ・アセスメント
- プラマス郡
- プラマス・コーポレーション - プラマス郡経済開発団体
- シャスタ郡
- シャスタ経済開発委員会年間投資報告書 2007-2008
- アンダーソン市
- シャスタレイク市: 市開発局およびシャスタ郡経済開発委員会との契約
- 全地球と水流祭 - レディング市、2010年アースデイの行事を「アップステート・カリフォルニアの環境関連主要行事」としている
- シスキュー郡
- テハマ郡
- ユバ郡
- ユバ・サッター商工会議所: 位置 「アップステート・カリフォルニアの中心に位置する」と表現
- ユバ郡戦略計画 2008: 都市と共同事業の資源
- ユバ郡戦略計画 2008: 2007年の反省
- アメリカ合衆国議会
- "Resolution of the Board of Yuba County in support of locating the new cyberspace command center to Beale Air Force Base" (Aug 2007) attachment to letter from Senators Boxer & Feinstein and Congressman Herger to USAF, makes multiple references to the economy of Upstate California
次のリストは、アップステート・カリフォルニアに関する地方政府あるいは経済開発団体の活動のニュースと論説である。
- "PG&E Continues Its Strong Support of Economic Vitality for Local Communities: $400,000 in Grants Awarded to 75 Economic and Community Development Projects in Northern and Central California" - Team Californiaによる新聞発表、2007年10月11日、アップステート・カリフォルニア経済開発委員会に1万ドルを承認
- Upstate California Economic Development Council Conference - シスキュー郡第5地区管理委員マルシア・アームストロングによる論説、2007年11月30日
- Shasta Home - シャスタ山とシスキュー郡への観光ガイド、この地域を「アップステート・カリフォルニアのトップ」と宣伝
- Lake California レディングとレッドブラフの間にあるカリフォルニア湖、「アップステート・カリフォルニアの最良の場所」と宣伝
脚注
[編集]- ^ a b c “Upstate California”. Upstate California Economic Development Council. 2008年9月8日閲覧。
- ^ “It's the New Upstate, Way Out There”. New York Times. (2001年10月20日) 2008年9月8日閲覧。
- ^ “Upstate, downstate: The “Upstate California” campaign is déjà vu all over again for Stan Statham"”. Sacramento News & Review (2002年1月3日). 2008年9月8日閲覧。
- ^ Levy, Dan (2001年9月7日). “Region reinvented: The state's northernmost counties take on a new image to boost business”. San Francisco Chronicle 2008年9月8日閲覧。
- ^ “California Business Investment Services”. California Labor & Workforce Development Agency, State of California. 2008年9月8日閲覧。
- ^ “Regional Teams Established to Support A-G Course Development”. University of California (February 2002). 2008年9月18日閲覧。
- ^ “Location Assistance”. Team California. 2008年12月13日閲覧。
- ^ Gallo, David; Warren Jensen, Danny Dimeo, and James O’Grady (2009年6月25日). “Renewable Electricity Production in Upstate California” (PDF). Center for Economic Development, California State University, Chico. 2009年6月26日閲覧。
- ^ Green, Michael S. (2009年6月26日). “Study: Renewable energy could be boon to north state”. Colusa Sun-Herald (Freedom Communications) 2009年6月26日閲覧。
- ^ “Is any power green enough for California?”. Redding.com (Redding Record-Searchlight). (2009年7月9日) 2009年9月6日閲覧。
- ^ American FactFinder. U.S. Census Bureau. 2011年2月4日. 2011年4月5日閲覧
- ^ “J. R. Davis Yard”. Union Pacific Railroad. 2008年12月11日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Upstate California Economic Development Council
- Focus on Upstate California, Yuba County web archive of news article from Yuba Appeal Democrat, 2001-09-11
- Upstate Business Journal covering the Upper Sacramento Valley including Chico and Redding
- Upstate California Adventures
- Upstate California Connect at Center for Economic Development, CSU Chico