アジアシダミジンコ
シダ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Sida ortiva Korovchinsky, 1979[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
アジアシダミジンコ |
アジアシダミジンコ Sida ortivaは、大型のミジンコ(甲殻類)の一種である[2]。
形態
[編集]体長0.8~2.5 mmで[3]、雌は約2 mm[4]。体は卵形で、ヘルメットのような頭部をもつ[4]。 第2触角は太くて長い[4]。後頭部に水草などの基質に接着するための吸着器を持つ[4]。吸着器は第2触角に隠れて見えにくい[4]。吻は比較的短く、腹面を向く[5]。複眼は大きく、頭部の腹側縁に位置し、単眼は小さい[5]。後方の殻縁には無数の小刺が並ぶ[5]。後腹部は台形で比較的短く、腹縁はまっすぐである[5]。肛門前縁は長くまっすぐで、肛門が遠位端に開孔する[5]。側面に沿って12-14個の肛刺 (anal teeth)の列が並び、肛刺の近くに微刺列が並ぶ[5]。後腹部の尾爪は普通折れ曲がっており、基刺 (basal spine)は3-4本である[5][4]。 基部の刺は次の刺より多少小さい[5]。後腹部の剛毛は長く、体長の4割程度で、強い突起上に位置する[5]。 第1触角は長く、遠位に感覚毛 (aesthetasc) とそれより長い感覚剛毛 (sensory setae)を有する[5]。第2触角は長く、基部の節は長く遠位に数本の刺がある[5]。触角式 (antennal formula)は setae 0 − 4 - 7 / 0 − 1 − 4である[5]。シダ Sida crystallinaと同じような6本の胸部付属肢を持つ[5]。
分布と生態
[編集]シベリア、ロシアの極東地域から日本や韓国などの東アジアで見られる[5][3]。湖沼の水草帯に生息する[2]。頭部背面の固着器官(吸着器)で水草に付着する[3][4]。
分類
[編集]かつてはシダ Sida crystallina (O. F. Müller, 1776)の亜種 Sida crystallina ortiva Korovchinsky, 1979として命名されたが、現在は種に格上げされSida ortiva Korovchinsky, 1979とされる[3]。日本産のシダは Sida crystallina である[4]とされてきたが、実際は本種 Sida ortiva であるとされる[3][2]。なお韓国では Sida crystallina と Sida ortiva の両方がみられる[5]。
本種 Sida ortiva のタイプ産地は松花江の合流地点付近のアムール川である[5]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- Kotov, Alexey A.; Jeong, Hyun Gi; Lee, Wonchoel (2012). “Cladocera (Crustacea: Branchiopoda) of the south-east of the Korean Peninsula, with twenty new records for Korea”. Zootaxa 3368: 50-90. doi:10.5281/zenodo.214313.
- 一瀬諭・若林徹哉(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター 監修)『普及版 やさしい日本の淡水プランクトン図解ハンドブック 改訂版』(改訂版)合同出版、2008年10月10日、118頁。ISBN 9784772604383。
- 田中正明・牧田直子『日本産ミジンコ図鑑』共立出版、2017年6月、40頁。ISBN 978-4-320-05783-8。