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アウトリーチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アウトリーチ: Outreach)とは、「を伸ばすこと」を意味する英語から派生した言葉で[1]公的機関文化施設などによる地域への出張サービスのことである[2]

アウトリーチの必要とされる分野

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を指して用いられることが多い。近年では、地方自治において住民主体のまちづくりの取り組みが盛んになりつつある中で、まちづくりに対する地域住民の声を収集したり、関心を高めたりする活動をアウトリーチとしている。

アメリカの図書館では、図書館サービスの受けられない地域に対する活動をエクステンションサービス、サービスの圏内であるのにサービスが行き届いていない住人に対する活動にアウトリーチの用語が使われることが多い[4]

まちづくりにおけるアウトリーチ

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近年、地方自治分野において盛んとなりつつある、住民主体のまちづくりにおいて、自由参加・自由テーマで地域の将来を考えるワークショップや電子会議室などのICTを活用することにより、地域の課題についての学習や意見交換、合意形成が図られている。しかし、ワークショップは基本的に自由参加であり、関心がある人しか集まらない。また、参加の意欲はあっても都合がつかず参加できないという人も多く、まちづくりにおいてワークショップへの参加者が得られにくい。よって、電子会議室などのようなICT技術を用いて、行政のホームページに電子会議室を開設することで、ワークショップに参加しなかった人々や参加できなかった人々に対する参加と情報収集の機会提供が図られている。今日、世界的にもインターネットの普及率が高まる中、こうした電子会議室はワークショップなどに参加できない人に対してもまちづくりへの関心と参画意欲を高めるための機会提供の場となっている。

しかし、インターネット普及率も100%ではなく、ICTを用いたとしてもすべての住民の意見を収集できる訳ではない。そこで、ワークショップやICTに参加しなかった、又は参加する事ができなかった住民の意見を十分にまちづくりに反映させようと、実際に住民のもとに行政ないしまちづくり関係者が出向き、直接的に意見募集を行うことが期待される。これがまちづくりにおけるアウトリーチである。

アウトリーチの効果としては、ワークショップなど多様な議論の機会に加われなかった人々の意見をもらさず聞くことができるという点、また、アウトリーチ活動を展開する行政職員やまちづくり担当役員が直接的に住民と対話することで行政・地域と住民一人一人の親睦と交流が深まり、ソーシャル・キャピタルの充実に貢献が期待できるという点にある。

科学技術分野におけるアウトリーチ

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研究者や研究機関が研究成果を国民に周知する活動をさす。政府から研究費の補助を受けた場合、その義務としてアウトリーチ活動が課される場合もある。国際会議や国際シンポジウム等を開いて、広く一般に成果を発表する場合や、研究論文を学会誌などに投稿して世に知らしめる場合なども、アウトリーチ活動であるといえる。また、同分野の専門家以外を対象とした、一般向けの成果発表会、普及講演、研究施設の一般公開などもアウトリーチ活動に含まれる。近年では、双方向性が重視されており、研究者からの一方的発信ではなく、一般社会からのフィードバックが必須とされる傾向にある。

関連項目

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脚注

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  1. ^ アウトリーチ」『小学館「日本大百科全書(ニッポニカ)」』https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%81コトバンクより2021年11月10日閲覧 
  2. ^ アウトリーチ」『朝日新聞出版「知恵蔵」』https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%81コトバンクより2021年11月10日閲覧 
  3. ^ OVA (2019年6月4日). “福祉分野でのアウトリーチ活動の定義と意味”. 声なき声プロジェクト. NPO法人OVA. 2021年11月10日閲覧。
  4. ^ アウトリーチ」『日本図書館情報学会「図書館情報学用語辞典 第5版」』https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%81コトバンクより2021年11月10日閲覧 

外部リンク

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