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めだかの兄妹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「めだかの兄妹」
わらべシングル
初出アルバム『のぞみ・かなえ・たまえ めだかの兄妹
B面 春風の郵便屋さん
リリース
規格 7インチレコード
7K-85
ジャンル 童謡アイドル歌謡曲
時間
レーベル フォーライフ
作詞・作曲 荒木とよひさ(作詞)
三木たかし(作曲)
坂本龍一(編曲)
チャート最高順位
  • 週間3位(オリコン
  • 1983年度年間3位(オリコン)
  • 3位(ザ・ベストテン
  • 1983年上半期1位(ザ・ベストテン)
  • 1983年年間2位(ザ・ベストテン)
  • 登場回数39回(オリコン)
  • 売上88.5万枚(オリコン)
わらべ シングル 年表
めだかの兄妹
(1982年)
もしも明日が…。
(1983年)
ミュージックビデオ
「めだかの兄妹」 - YouTube
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めだかの兄妹」(めだかのきょうだい)は、わらべ高部知子倉沢淳美高橋真美)の1枚目のシングル。「めだかの兄」は誤記。

概要

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1982年10月13日にテレビ朝日系列『欽ちゃんのどこまでやるの!』のエンディングにて本曲が歌われた[1]。たちまち子供たちの間で流行しはじめ、幼稚園関係者から楽譜を求める問い合わせが殺到する[2]。当初レコードは1983年1月発売予定だったが、反響の大きさから前倒しされ、1982年12月21日に発売された[3]。その後この曲の人気はサラリーマンにまで広まった[4]

レコード売上は3か月で70万枚を突破した[3]。累計で公称では100万枚を超える大ヒットになった[5]。オリコン集計では約88.5万枚を売り上げ[6]、次作「もしも明日が…。」に次ぐヒットとなった。

本曲は『欽ちゃんのどこまでやるの!』主演の萩本欽一が親交のある三木たかしに「最近、兄妹をテーマにしたほのぼのとした歌が全くないので、そんな歌を作ってほしい」と頼んだことがきっかけで制作された[4]。編曲を担当した坂本龍一は1週間苦しんだという[4]。メロディはワルツで[1]童謡ポップス調の親しみやすい内容でりあり[4]、「新童謡」といわれた[4]

収録曲

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両曲とも、作詞:荒木とよひさ 作曲:三木たかし 編曲:坂本龍一

  1. めだかの兄妹 -(3:19)
  2. 春風の郵便屋さん -(4:10)

物品税にまつわるエピソード

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本曲は当初、『新しい時代の童謡』というコンセプトで制作された。発売当時は物品税があり(消費税導入時に廃止)、レコードは『生活必需品ではない』という考えから物品税の課税対象とされていたが、童謡は非課税扱いであった。

本作を発売したフォーライフ・レコードは当初「A面曲・B面曲共に童謡である」と判断し、物品税を申告しなかったが[7]大ヒットしたため、童謡(非課税)か歌謡曲流行歌)(課税)かで争いとなった[7]国税庁はA面曲の「めだかの兄妹」は「童謡とも流行歌ともはっきりしない」[7]「童謡的流行歌」[8]と判定。一方でB面曲の「春風の郵便屋さん」は流行歌(歌謡曲)と判定し、その上でB面曲のほうが録音時間が長いという理由で、課税対象とした[7]。フォーライフは東京国税局と交渉したが、結局フォーライフ側が折れる形で国税庁の判断を受け入れ、1983年6月10日までに1983年3月末までの売上50万枚分の物品税3000万円を改めて払うことで決着した[8]。一方で、本曲を収録した10曲録音のカセットテープ『のぞみ・かなえ・たまえ めだかの兄妹』は非課税となった[9]

作曲家の中田喜直は国税庁の主張に反論し、童謡か否かは歌詞で判断すべきであり、歌詞からみれば「めだかの兄妹」は明らかに童謡であるとした[7]

カバー

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キャラクター商品

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「めだかの兄妹」のイメージに合わせたアニメーションによるミュージック・ビデオが制作され、『欽ちゃんのどこまでやるの!』などで放送されていた。このアニメキャラクターは13社が商品化権を取得し、バンダイはぬいぐるみを、大松工業はサンダルを販売した[10]。アニメキャラクターの著作権はテレビ朝日ミュージックが保有している[10]

絵本

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チョコ菓子

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  • 「ロッテチョコスナック めだかの兄妹」
    • ロッテから発売。メダカ状のクッキーにチョココーティングした。テレビCMは先述のアニメを使用した。

脚注

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  1. ^ a b 長田暁二『昭和の童謡アラカルト―戦後編』ぎょうせい、1985年、250頁。ISBN 4324001243
  2. ^ 『昭和の童謡アラカルト―戦後編』250-251頁。
  3. ^ a b 『昭和の童謡アラカルト―戦後編』252頁。
  4. ^ a b c d e 『昭和の童謡アラカルト―戦後編』251頁。
  5. ^ わらべ、TOWER RECORDS ONLINE(CDジャーナル)、2012年7月30日(2017年6月27日更新)。
  6. ^ 『1968-1997 オリコンチャートブック アーティスト編 全シングル作品』オリコン、1997年、p.392.
  7. ^ a b c d e 「ヒットしたら なんになる 流行歌か童謡か 『物品税払え』国税庁は流行歌扱い レコード会社は拒否」『毎日新聞』1983年5月24日付東京朝刊、21頁。
  8. ^ a b 「『めだか』やはり流行歌 レーコド会社(ママ)3000万円納税」『毎日新聞』1983年6月10日付東京夕刊、15頁。
  9. ^ 読売新聞解説部(著)『間接税のわかる本』読売新聞社、1983年、90-93頁。NDLJP:11950483/50
  10. ^ a b 「サンダルの人気スイスイ?──大松工業、『めだかの兄妹』版権を取得」、『日本経済新聞』1983年6月21日付地方経済面(静岡)、6頁。

外部リンク

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