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つるや旅館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つるや旅館

つるや旅館(つるやりょかん)は、長野県北佐久郡軽井沢町にある老舗旅館である。数多くの文人たちが宿泊・滞在したことで知られている。

江戸時代初期に中山道街道筋の宿場町軽井沢宿の休泊茶屋旅籠鶴屋」として開業。明治時代に入り、宣教師たちが軽井沢へやって来るようになり、「つるや旅館」は日本風の建物のまま西洋風の趣を取り入れて、1886年(明治19年)に旅館業に転じる。以降、大正から昭和中頃にかけて多くの作家が常宿とするようになった。

本館・別館・奥館で構成されるが、離れである奥館は大正時代に建てられた2代目市川左團次の元別荘である(奥館は夏季のみの開館)[1]。本館は1971年(昭和46年)に火事で焼失し、現在の本館はその後に建てられたものである。

堀辰雄の小説『美しい村』で主人公が過ごしていた宿としても知られる[2]


つるや旅館に宿泊した作家

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明治時代に宿泊した作家
  • 正宗白鳥 - 1912年(明治45年)に初来館。以降、1926年(大正15年)に別荘に移るまで常宿とする。文人としては最も古い常宿客。
大正時代に宿泊した作家
  • 室生犀星 - 1920年(大正9年)7月に初来館。以降、毎夏滞在。当時の当主、佐藤不二男とも親しかった。
  • 芥川龍之介 - 1924年(大正13年)7月22日 - 8月23日、1925年(大正14年)8月20日 - 9月末に滞在。室生犀星と「つつじの間」に二人で滞在したこともある。『軽井沢日記』や『書簡集』につるや旅館を舞台とした記述がある。
  • 谷崎潤一郎 - 1924年(大正13年)に滞在。
  • 菊池寛 - 1924年(大正13年)に滞在。
  • 堀辰雄 - 1923年(大正12年)8月4日に初来館。1924年(大正13年)8月4日、1925年(大正14年)7月9日 - 9月下旬まで滞在。以降、1933年(昭和8年)までほぼ毎夏滞在。1933年(昭和8年)は『美しい村』の年で6月 - 9月まで滞在。滞在時は「つつじの間」などに泊まる。1925年(大正14年)には上の家(638号)に別荘住まいをする。
  • 萩原朔太郎 - 1925年(大正14年)に滞在。
  • 山本有三 - 1925年(大正14年)に滞在。
昭和時代に宿泊した作家
  • 島崎藤村 – 1941年(昭和16年)秋、2週間ほど滞在。
  • 志賀直哉 - 1951年(昭和26年)、1954年(昭和29年)、1955年(昭和30年)の夏に滞在。
その後

交通アクセス

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周辺

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脚注

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  1. ^ つるや旅館”めぐりJAPAN
  2. ^ 前田愛『幻景の街文学の都市を歩く』(小学館、1986年)

参考文献

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  • 『新潮日本文学アルバム13 芥川龍之介』(新潮社、1983年10月20日。2002年11月15日17日17刷)p.76
  • 志賀直哉全集第二十巻 書簡(四)』(岩波書店、2000年10月19日)p.157,pp.163-164,p.376
  • 『芥川龍之介全集 第11巻 書簡2』(岩波書店、1978年6月22日)p.324,p.405,p.446,p.522
  • 堀辰雄全集第9巻』(角川書店、1966年5月20日初版発行)pp.18-22,pp.24-26,p.34,p.49,pp.55-56,p.63
  • 室生犀星『加賀金沢故郷を辞す』(講談社文芸文庫、1993年12月10日第一刷発行。2003年12月1日第三刷発行)(碓氷山上の月 pp.60-80)
  • 堀辰雄『風立ちぬ美しい村』(新潮文庫、1951年。改版1987年、2011年)pp.18-19
  • 『軽井沢と文学』(軽井沢高原文庫、1992年9月5日第一刷発行)
  • 前田愛『幻景の街文学の都市を歩く』(小学館、1986年)pp.170-188

座標: 北緯36度21分38.7秒 東経138度38分16.4秒 / 北緯36.360750度 東経138.637889度 / 36.360750; 138.637889