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さそり座オミクロン星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
さそり座ο星
ο Scorpii
星座 さそり座
見かけの等級 (mv) 4.55[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  16h 20m 38.1806792s[2]
赤緯 (Dec, δ) −24° 10′ 09.549111″[2]
視線速度 (Rv) -8.2 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: -4.32 ミリ秒/[2]
赤緯: -14.15 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 3.71 ± 0.54ミリ秒[2]
(誤差14.6%)
距離 約 900 光年[注 1]
(約 270 パーセク[注 1]
さそり座ο星の位置(丸印)
物理的性質
半径 ∼40 R[3]
質量 8.7 ± 1.3 M[4]
表面重力 0.1 G[4][注 2]
自転速度 4.0 km/s[5]
スペクトル分類 A5 II[1]
光度 7,045 L[3]
表面温度 8,370 ± 200 K[4]
色指数 (B-V) 0.82[1]
色指数 (V-R) 0.61[1]
色指数 (V-I) 1.22[1]
金属量[Fe/H] 0.03 ± 0.17[4]
年齢 2.9 ×107[4]
他のカタログでの名称
さそり座19番星, CD-23 12849, HD 147084, HIP 80079, HR 6081, IRC -20311, SAO 184329[2]
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さそり座ο星(さそりざオミクロンせい、ο Scorpii、ο Sco)は、さそり座恒星である。見かけの等級は4.6と、肉眼でみることができる明るさである[1]年周視差から計算した距離は、およそ900光年である[2][注 1]

特徴

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中央右寄りにみえる「さそり座の五角形」の恒星のうち、最も中央寄りの白い恒星がさそり座ο星[3]。その上(南)の赤い星雲中の恒星はさそり座σ星、右下(北東)の青い星雲中の多重星へびつかい座ρ星

さそり座ο星は、いくつかの点で天文学者の関心を集めてきた。それは、さそり座OB2アソシエーションに属すとみられ、その中でもとりわけ明るくみえること、へびつかい座ρ分子雲の近くにみえること、強い星間赤化を受けていること、である。これらの理由から、星間減光や、星間物質によって天体からの光の偏光状態が変化する星間偏光を調べるために、さそり座ο星は数多く観測されてきた[1]

アソシエーション

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さそり座ο星は、さそり座OB2のうち上部さそり座小グループに属すると考えられていたが、ヒッパルコス衛星が測定した固有運動によってそれが疑われ、進化段階や年周視差から推定した距離も、上部さそり座小グループとは食い違うため、アソシエーションの一員ではなく背景の恒星とみなされるようになっている[6][7][8]

物理的性質

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さそり座ο星は、A型輝巨星で、スペクトル型はA5 IIと分類される[1]質量太陽の9倍程度、有効温度はおよそ8,370K、年齢は大体3000万年と推定されており、光度太陽の7千倍、半径太陽の40倍程度になるとみられる[4][3]

さそり座ο星は、実際には5等星だが、星間減光によって恒星本来の明るさよりも2.3等級程暗くなっているとみられ、それがなければ2等星としてみえていたと考えられる[3][1]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b c パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 出典での表記は、

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i Whittet, D. C. B. (1988-02-01), “On the nature and environment of Omicron Scorpii”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 230: 473-478, Bibcode1988MNRAS.230..473W, doi:10.1093/mnras/230.3.473 
  2. ^ a b c d e f g h omi Sco -- Variable Star”. SIMBAD. CDS. 2021年6月12日閲覧。
  3. ^ a b c d e Kaler, Jim (2014年9月19日). “OMI SCO (Omicron Scorpii)”. Stars. University of Illinois. 2021年6月12日閲覧。
  4. ^ a b c d e f Lyubimkov, Leonid S.; et al. (2010-02), “Accurate fundamental parameters for A-, F- and G-type Supergiants in the solar neighbourhood”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 402 (2): 1369-1379, Bibcode2010MNRAS.402.1369L, doi:10.1111/j.1365-2966.2009.15979.x 
  5. ^ Lyubimkov, Leonid S.; et al. (2015-02), “Carbon abundance and the N/C ratio in atmospheres of A-, F- and G-type supergiants and bright giants”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 446 (4): 3447-3460, Bibcode2015MNRAS.446.3447L, doi:10.1093/mnras/stu2299 
  6. ^ Brown, A. G. A.; Verschueren, W. (1997-03), “High S/N Echelle spectroscopy in young stellar groups. II. Rotational velocities of early-type stars in SCO OB2”, Astronomy & Astrophysics 319: 811-838, Bibcode1997A&A...319..811B 
  7. ^ de Zeeuw, P. T.; et al. (1999-01), “A HIPPARCOS Census of the Nearby OB Associations”, Astronomical Journal 117 (1): 354-399, Bibcode1999AJ....117..354D, doi:10.1086/300682 
  8. ^ Pecaut, Mark J.; Mamajek, Eric E. (2016-09), “The star formation history and accretion-disc fraction among the K-type members of the Scorpius-Centaurus OB association”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 461 (1): 794-815, Bibcode2016MNRAS.461..794P, doi:10.1093/mnras/stw1300 

関連項目

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座標: 星図 16h 20m 38.1806792s, −24° 10′ 09.549111″