きっと ここが帰る場所
きっと ここが帰る場所 | |
---|---|
This Must Be the Place | |
監督 | パオロ・ソレンティーノ |
脚本 |
パオロ・ソレンティーノ ウンベルト・コンタレッロ |
原案 | パオロ・ソレンティーノ |
製作 |
ニコラ・ジュリアーノ フランチェスカ・シーマ アンドレア・オキピンティ |
出演者 |
ショーン・ペン フランシス・マクドーマンド |
音楽 |
デヴィッド・バーン ウィル・オールダム |
撮影 | ルカ・ビガッツィ |
編集 | クリスティアーノ・トラヴァリョーリ |
製作会社 |
インディゴ・フィルム ラッキー・レッド メドゥーザ・フィルム 他 |
配給 |
ARP Sélection メドゥーザ・フィルム Element Pictures スターサンズ=セテラ・インターナショナル |
公開 |
2011年8月24日 2011年10月14日 2012年3月23日 2012年6月30日 |
上映時間 | 118分 |
製作国 |
イタリア フランス アイルランド |
言語 |
英語 ヘブライ語 |
製作費 | €25,000,000[1] |
興行収入 | $11,928,909[2] |
『きっと ここが帰る場所』(きっとここがかえるばしょ、This Must Be the Place)は2011年のイタリア・フランス・アイルランドのコメディ映画。 2008年の第61回カンヌ国際映画祭において『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』で審査員賞を受賞したパオロ・ソレンティーノ監督が、同映画祭の審査委員長を務めた俳優ショーン・ペンと意気投合して制作した異色のロードムービーである[3][4]。原題はトーキング・ヘッズの「ジス・マスト・ビー・ザ・プレイス」からとられた。映画のコンサートのシーンでデヴィッド・バーンは同曲を演奏している[5][6]。
第64回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、同映画祭の独立賞であるエキュメニカル審査員賞を受賞している[7]。
ストーリー
[編集]かつての人気ロックスターであるシャイアンは妻とアイルランドのダブリンにある豪邸で半隠遁生活を送っている。今でも現役当時のままの派手なメイクとファッションで生活しているが、付き合いがあるのは近所のロック少女メアリーなどごくわずかである。そんなある日、故郷のアメリカから30年以上も会っていない父が危篤との連絡が来る。飛行機が苦手なシャイアンは船で向かったため、結局、臨終には間に合わなかった。葬儀の後、ホロコーストを生き延びた父が自分を辱めたナチスのSS隊員アロイス・ランゲを執拗に探し続けていたことを知ったシャイアンは、父に代わってランゲを探す旅に出る。ランゲの妻ドロシーや孫娘のレイチェル、その息子のトミーなどに目的を隠して会い、ようやく見つけた隠れ家は既にもぬけの殻だった。そこに、ナチスの残党狩りのプロであるミドラーが現れる。実はシャイアンが渡していた資料をもとに、ミドラーは既にランゲの行方を突き止めていたのだ。ミドラーに連れて来られたランゲの隠れ家で、シャイアンはランゲから当時どのような辱めを父にしたのかを聞かされる。それは、けしかけた犬に脅えて小便を漏らしたのを笑ったというものであった。シャイアンは父の「復讐」としてランゲを全裸にして雪景色の屋外に放り出す。
旅を通じて父親へのわだかまりを解いたシャイアンは、飛行機に乗り、派手なメイクとファッションをやめ、素のままの「大人」の姿でダブリンの街に帰って来る。
キャスト
[編集]- シャイアン: ショーン・ペン - かつての人気ロックスター。
- ジェーン: フランシス・マクドーマンド - シャイアンの妻。消防士。
- モーデカイ・ミドラー: ジャド・ハーシュ - ナチスの残党狩りのプロ。
- メアリー: イヴ・ヒューソン - シャイアンの近所に住むロック少女。
- レイチェル: ケリー・コンドン - ランゲの孫娘。
- ロバート・プラス: ハリー・ディーン・スタントン - ランゲらしき人物を知る老人。
- ドロシー・ショア: ジョイス・ヴァン・パタン - ランゲの妻。元歴史教師。
- デヴィッド・バーン: 本人 - シャイアンの旧友。
- メアリーの母: オルウェン・フエレ - 息子トニーが家出をしたことで精神を病んでいる。
- アーニー・レイ: シェー・ウィガム - 金融ブローカー。シャイアンに車を貸す。
- リチャード: リロン・レヴォ - シャイアンの従兄弟。
- アロイス・ランゲ: ハインツ・リーフェン - アウシュヴィッツのSS隊員だった男。
- ジェフリー: サイモン・デラニー - シャイアンの友人。非イケメンだが女にモテる。
- トミー・ランゲ: グラント・グッドマン - レイチェルの息子。小学生。
- デズモンド: サム・キーリー - メアリーに恋している青年。
作品の評価
[編集]映画批評家によるレビュー
[編集]Rotten Tomatoesによれば、批評家による一致した見解は「『きっと ここが帰る場所』は気まぐれな回り道が多すぎて満足できない客もいるかもしれないが、ショーン・ペンの魅力的な演技とパオロ・ソレンティーノの風光明媚なビジュアルのおかげで、本作はついていく価値のあるロードトリップになっている。」であり、87件の評論のうち高評価は67%にあたる58件で、平均して10点満点中6.20点を得ている[8]。 Metacriticによれば、29件の評論のうち、高評価は16件、賛否混在は9件、低評価は4件で、平均して100点満点中61点を得ている[9]。
受賞歴
[編集]賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|
カンヌ国際映画祭 | エキュメニカル審査員賞 | 受賞 | |
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 | 作品賞 | ノミネート | |
監督賞 | パオロ・ソレンティーノ | ||
脚本賞 | パオロ・ソレンティーノ ウンベルト・コンタレッロ |
受賞 | |
製作者賞 | ニコラ・ジュリアーノ アンドレア・オキピンティ フランチェスカ・シーマ |
ノミネート | |
撮影賞 | ルカ・ビガッツィ | 受賞 | |
音楽賞 | デヴィッド・バーン | ||
主題歌賞 | デヴィッド・バーン ウィル・オールダム マイケル・ブラノック 『If It Falls, It Falls』 | ||
美術賞 | ステファニア・セッラ | ノミネート | |
衣裳賞 | カレン・パッチ | ||
メイクアップ賞 | ルイーザ・アベル | 受賞 | |
ヘアデザイン/スタイリング賞 | キム・サンタントニオ | ||
編集賞 | クリスティアーノ・トラヴァリョーリ | ノミネート | |
音響賞 | レイ・クロス ウィリアム・サロキン | ||
視覚効果賞 | ステファノ・マリノーニ パオロ・トリソーリョ ロドルフォ・ミリャーリ | ||
ナストロ・ダルジェント賞 | 最優秀作品監督賞 | パオロ・ソレンティーノ | 受賞 |
製作者賞 | ニコラ・ジュリアーノ アンドレア・オキピンティ フランチェスカ・シーマ |
ノミネート | |
脚本賞 | パオロ・ソレンティーノ ウンベルト・コンタレッロ | ||
撮影賞 | ルカ・ビガッツィ | 受賞 | |
美術賞 | ステファニア・セッラ |
出典
[編集]- ^ “This Must Be the Place (2011)” (英語). IMDb. 2020年9月20日閲覧。
- ^ “This Must Be the Place” (英語). Box Office Mojo. 2020年9月20日閲覧。
- ^ “映画 きっと ここが帰る場所”. allcinema. 2020年9月20日閲覧。
- ^ “きっと ここが帰る場所”. WOWOW. 2020年9月20日閲覧。
- ^ Bradshaw, Peter (May 20, 2011). “Cannes 2011 review: This Must Be the Place” (英語). the Guardian 2022年4月18日閲覧。
- ^ Stecker, Joshua (November 1, 2012). “'This Must Be the Place': What the Critics Are Saying” (英語). The Hollywood Reporter 2022年4月18日閲覧。
- ^ “This Must Be the Place - Awards” (英語). IMDb. 2013年9月21日閲覧。
- ^ "This Must Be The Place". Rotten Tomatoes (英語). 2020年9月20日閲覧。
- ^ "This Must Be the Place" (英語). Metacritic. 2020年9月20日閲覧。
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト - ウェイバックマシン(2014年2月9日アーカイブ分)
- きっと ここが帰る場所 - allcinema
- きっと ここが帰る場所 - KINENOTE
- This Must Be the Place - オールムービー
- This Must Be the Place - IMDb
- This Must Be The Place - Rotten Tomatoes