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おおいぬ座ゼータ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
おおいぬ座ζ星[1]
Zeta Canis Majoris
仮符号・別名 フルド[2], Furud[3][4]
星座 おおいぬ座
見かけの等級 (mv) 3.00[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  06h 20m 18.7878055056s[1]
赤緯 (Dec, δ) −30° 03′ 48.121561632″[1]
赤方偏移 0.000107[1]
視線速度 (Rv) 32.2 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 7.32 ミリ秒/年[1]
赤緯: 4.03 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 9.9047 ± 0.7158ミリ秒[1]
(誤差7.2%)
距離 330 ± 20 光年[注 1]
(101 ± 7 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -2.0[注 2]
ζ星の位置
物理的性質
半径 4.6 R[5]
質量 8 M[5]
自転速度 63 km/s[6]
スペクトル分類 B2.5V[1]
光度 4,020 L[5]
表面温度 21,500 K[5]
色指数 (B-V) -0.19[6]
色指数 (U-B) -0.72[6]
色指数 (R-I) -0.18[6]
他のカタログでの名称
おおいぬ座1番星[1]
CD -30 3038[1]
FK5 240[1]
Gaia DR2 2896572746681832960[1]
HD 44402[1]
HIP 30122[1]
HR 2282[1]
NSV 2927[1]

SAO 196698[1]
TYC 7073-2426-1[1]
2MASS J06201879-3003480[1]

Template (ノート 解説) ■Project

おおいぬ座ζ星は、おおいぬ座恒星3等星。おおいぬの足先に位置する。

概要

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天の川銀河星間塵の影響を受けて、本来の明るさから約16%ほど暗く見える[5]変光星であるという説もあるが、それを支持する十分な観測結果は得られていない[5]超新星爆発を起こすか否かの境界近くの質量を持っているが、超新星爆発は起こさず、惑星状星雲を伴ったネオン酸素からなる質量の大きな白色矮星になるものと考えられている[5]

分光連星で、伴星は平均距離3.2au(近点1.4au、遠点5.1au)、離心率0.57 という細長い楕円軌道を675日の周期で周っている[5]。伴星の物理的な特徴はよくわかっていない[5]。約3にある8等星とは連星ではなく見かけの二重星の関係である[5]

名称

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学名はζ Canis Majoris(略称:ζ CMa)。固有名フルド (Furud) は「孤独なもの」といった意味のアラビア語 al-furūd に由来する[3]。元々、現在のケンタウルス座はと座の領域の星々に対して使われた言葉が、この星の名前として誤って使われるようになったものである[3]。2016年7月20日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Furud をおおいぬ座ζ星の固有名として承認した[4]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v Result of zet CMa”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2018年7月17日閲覧。
  2. ^ 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、239頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  3. ^ a b c Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern Star Names. Sky Publishing. p. 23. ISBN 978-1-931559-44-7 
  4. ^ a b IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年11月22日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j Jim Kaler. “Furud”. 2016年11月22日閲覧。
  6. ^ a b c d 輝星星表第5版