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うさぎ座ベータ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
うさぎ座β星[1]
Beta Leporis
仮符号・別名 ニハル[2], Nihal[3][4]
星座 うさぎ座
見かけの等級 (mv) 2.84[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  05h 28m 14.72316s[1]
赤緯 (Dec, δ) −20° 45′ 33.9878″[1]
赤方偏移 -0.000047[1]
視線速度 (Rv) -14.20km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -5.02 ミリ秒/年[1]
赤緯: -86.01 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 20.34 ± 0.18ミリ秒[1]
(誤差0.9%)
距離 160 ± 1 光年[注 1]
(49.2 ± 0.4 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -0.6[注 2]
β星の位置
物理的性質
半径 16 R[5]
質量 3 M[5]
自転速度 11 km/s[6]
スペクトル分類 G0II [1]
光度 165 L[5]
表面温度 5,225 K[5]
色指数 (B-V) +0.82[6]
色指数 (U-B) +0.46[6]
色指数 (R-I) +0.44[6]
他のカタログでの名称
うさぎ座9番星[1]
BD -20 1096[1]
FK5 204[1], HD 36079[1]
HIP 25606[1], HR 1829[1]
SAO 170457[1]
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うさぎ座β星 (うさぎざベータせい、β Leporis / β Lep) は、うさぎ座で2番目に明るい恒星で3等星

概要

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黄色の輝巨星多重星である。このうち2.5だけ離れた位置にある恒星とは連星系を成している[5]。この伴星自体が7等から11等まで変光する食変光星である可能性が示唆されているが定かではない[5][7]

名称

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固有名のニハル[2] (Nihal[3][4]) は、アラビア語で「のどの渇きを癒し始めたラクダたち」という意味の al-nihāl に由来する[3]。これは元々、α星、β星、γ星、δ星からなるアラビアのアステリズムの名前がβ星の名前とされたものである[3]。2016年7月20日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Nihalをうさぎ座β星の固有名として承認した[4]

誤読からNibalと綴られることもあった[8]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r SIMBAD Astronomical Database”. Results for bet Lep. 2016年11月16日閲覧。
  2. ^ a b 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、228頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  3. ^ a b c d Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern Star Names. Sky Publishing. p. 43. ISBN 978-1-931559-44-7 
  4. ^ a b c IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年11月16日閲覧。
  5. ^ a b c d e f Jim Kaler. “Nihal”. STARS. 2016年11月16日閲覧。
  6. ^ a b c d 輝星星表第5版
  7. ^ NSV 2008”. New Catalogue of Suspected Variable Stars, the improved version. Sternberg Astronomical Institute, Moscow, Russia.. 2016年11月16日閲覧。
  8. ^ Richard Hinckley Allen (1899年). “Star-names and Their Meanings”. New York: G. E. Steichert. pp. 265-269. 2016年11月16日閲覧。