Raspberry Pi OS
開発者 | Raspberry Pi Foundation |
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OSの系統 | Unix系及びLinux |
開発状況 | 開発中 |
ソースモデル | オープンソース |
最新安定版 | Raspberry Pi OS / 2024-07-04[1] |
対象市場 | Raspberry Pi |
使用できる言語 | 英語・日本語 |
アップデート方式 | APT |
パッケージ管理 | dpkg |
プラットフォーム | ARM、i386[2] |
カーネル種別 | モノリシック |
ユーザランド | GNU |
既定のUI | PIXEL[3]、 LXDE |
ライセンス | FLOSS(主にGPL) |
ウェブサイト |
raspberrypi |
サポート状況 | |
サポート中 |
Raspberry Pi OS(ラズベリー パイ オーエス)は、Raspberry Pi財団が公式にサポートしている、Raspberry Piの標準オペレーティングシステム(OS)である。
概説
[編集]現在Raspberry Pi上で動かすことができるOSは多数あるが、Raspberry Pi OSはRaspberry Pi財団が公式にサポートしているOSであり、Raspberry Pi用の最も標準的なOSである。現在もメンテナンスが続けられている、現行のOSである。
2013年以来、Raspberry Pi財団によってRaspberry Pi用の主要なOSとして提供されてきた [4][5]。
Debianがベースになっている。当OSのバージョンの区別の方法については、Debianにはバージョン番号が存在するがRaspberry Pi OSにはバージョン番号が存在しないので、リリース日とカーネルバージョンで識別する。
Pythonがあらかじめ標準でインストールされている。
付属ソフト
[編集]Chromium、VNC、GIMP、nginx、Blender、Tesseract OCR、Sonic Pi、Scratchなどを同梱している。これ以外のソフトも、Debianに対応したソフトなら、インターネットにつないだ状態でターミナル画面で「apt install」とコマンドを打ち込むだけで、簡単にインストールできる。
2019年6月20日には、「Raspberry Pi OS with desktop and recommended software」、「Raspberry Pi OS with desktop」と「Raspberry Pi OS Lite」が提供された(次の節で解説)。
さまざまなバージョン
[編集]Raspberry Pi OS with desktop and recommended software
[編集]Raspberry Pi財団が推奨するソフトウェア一式が入ったバージョンが提供されることになった。
Raspberry Pi OS with desktop
[編集]GUIのX Window Systemをはじめ、ブラウザやワープロ、表計算、プレゼンテーションなど事務用の必要最小限のソフトウェア(オフィススイート)も同梱している。OSパッケージは4GB以上になり、8GB以上のSDが必要である。
Raspberry Pi OS Lite
[編集]軽量版つまり少ないメモリの量でインストールできる版。そのかわりGUIは使えず、コマンドラインで利用する。つまりGUIのX-Windowも最初から無いRaspberry Pi OSであり、概説で説明した「同梱ソフト」類も入っていない。コマンドには、Linux Standard Baseで参照しているコマンド[6]、Debian固有のコマンド(apt-get)、Raspberry Pi OS固有のコマンド (raspi-config)などがある[7]。これらのコマンドはDesktopでも利用できる。
Raspberry Pi OS Desktop
[編集]PCとMac向け
歴史
[編集]Raspberry Pi OSはマイク・トンプソンやピーター・グリーンによって、Debianを非公式に移植する形で、最初のバージョン「Raspbian」が開発された[8] 。最初のビルドの公開は2012年7月15日に行われた[9]。特徴やDebianからの改良点は、Raspberry Piに搭載されているARM CPUの浮動小数点演算命令を高速で実行させる「hard-float[注釈 1]」の機能を足したこと、および他にもこのCPUの高機能命令群を活用することによってパフォーマンスを向上させていることである[10]。
2020年5月に正式名称が「Raspbian」からRaspberry Pi OSへ変更された[11]。PCとMac向けのRaspbianの名称についても「Raspberry Pi Desktop」へと変更された。
導入方法
[編集]複数の方法がある。
- SDをフォーマットし、直接Raspberry Pi OSのDesktop/Liteを書き込む。
- Raspberry Pi公式で開発された「Raspberry Pi Imager」で書き込む。
- Raspberry Pi OSインストール済microSDメモリーカード(以下、SD)を購入する。
- NOOBSをSDにコピー[注釈 2]。Raspberry Pi OS本体が含まれている。
- NOOBS Lite[13]をSDにコピー。Raspberry Piで起動し、インターネット経由でRaspberry Pi OSのDesktop/Liteを導入する。
関連する配布版
[編集]- Bodhi Linux#R_Pi Bodhi Linux
- Puppy Linux - RaspupはRaspberry Pi OSと互換性あり。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「hard-float」の反対語は「soft-float」。CPUによっては浮動小数点演算の機能が無いものもあり、その場合、ソフトウェアで浮動小数点演算を実現しなければならず演算がかなり遅い。Raspberry Piに搭載されているARM CPUは浮動小数点演算の機能をハードウェア的に搭載しており、OSをそれに対応させることではじめてその性能を十分に発揮させてやることができるようになるわけで、Raspberry Pi OSはその点で Debian より優れている。当初の Raspbian は Debian の ARM soft-float 版をベースにしたため、浮動小数ハードウェアは使わなかった。後のバージョンでは Debian の ARM hard-float 版をベースにしたが、Raspberry Pi の CPU が古かったためサポートされておらず、Raspbian の側で修正した。
- ^ Raspberry Pi Imagerのリリースに伴い、NOOBSは非推奨となった[12]。
出典
[編集]- ^ "Operating system images"; 閲覧日: 2024年10月14日.
- ^ https://www.raspberrypi.org/blog/pixel-pc-mac/
- ^ “Introducing PIXEL” (英語). Raspberry Pi. 2016年10月5日閲覧。
- ^ “Raspbian release notes”. 24 February 2022閲覧。
- ^ “Download Raspbian for Raspberry Pi” (英語). Raspberry Pi. 2016年6月5日閲覧。
- ^ command best 50 at Linux Standard Base. https://researchmap.jp/joej5xiyu-2000107/#_2000107
- ^ yet another command index at Getting start with Raspberry Pi https://researchmap.jp/joledtczy-2000107/#_2000107
- ^ “RaspbianAbout - Raspbian”. www.raspbian.org. 2016年6月5日閲覧。
- ^ “FrontPage - Raspbian”. www.raspbian.org. 2016年4月4日閲覧。
- ^ “RaspbianFAQ - Raspbian” (英語). Raspberry Pi Foundation. 2018年11月11日閲覧。
- ^ “8GB Raspberry Pi 4 on sale now at $75”. www.raspberrypi.org. Raspbe令rry Pi Blog (2020年5月28日). 2020年6月3日閲覧。
- ^ “NOOBS - Raspberry Pi Documentation”. www.raspberrypi.org. 2021年4月10日閲覧。
- ^ New Out Of the Box Software https://www.raspberrypi.org/downloads/noobs/
外部リンク
[編集]ウィキメディア・コモンズには、Raspberry Pi OSに関するカテゴリがあります。