長谷川郁夫
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長谷川 郁夫(はせがわ いくお、1947年12月15日[1] - 2020年5月1日[2])は、日本の文芸編集者・評論家。元小澤書店社長、大阪芸術大学教授も務めた。日本編集者学会初代会長[3]。
来歴・人物
[編集]神奈川県生まれ[4]。早稲田大学文学部卒業[4]。大学在学中の1972年に小沢(小澤)書店を創立[3]。約六百数十点の文芸書の編集・制作に携わったが、2000年秋、東京地裁に自己破産を申請し倒産した[4]。のち編集プロダクションを主宰し、長谷川郁夫事務所取締役、法政大学兼任講師[4]。2007年から、大阪芸術大学教授、2013年から同芸術学部文芸学科長[3](2020年3月まで)。2010年2月日本編集者学会を発足し会長[3]。
編集した書籍に「青山二郎文集」、「小川国夫全集(全14巻)」(各・小澤書店、1991~1995)、「田村隆一全集(全6巻)」(河出書房新社、2010~2011)などがある[3]。前者2名は作家論も書いている。最後の編集は長年担当した「高橋英夫著作集」(全8巻、河出書房新社)だった。
特に若き日に編集担当した吉田健一、堀口大學は、回想・評伝を長期連載。前者で2014年に大佛次郎賞を受賞。また『美酒と革嚢-第一書房・長谷川巳之吉』で、芸術選奨文部科学大臣賞と、やまなし文学賞を受賞[5]した。
2020年5月1日、食道がんのため、死去[2]。72歳没。
追想集『Editorship 6 追悼・長谷川郁夫』(日本編集者学会編、田畑書店、2021年6月)が出版された。
受賞
[編集]- 2007年、芸術選奨文部科学大臣賞(第57回・平成18年度)「美酒と革嚢-第一書房・長谷川巳之吉」
- 2007年、日本出版学会賞(特別賞)「美酒と革嚢」
- 2007年、やまなし文学賞(研究・評論)「美酒と革嚢」
- 2014年、大佛次郎賞(第41回)「吉田健一」
著書
[編集]- 『われ発見せり 書肆ユリイカ・伊達得夫』 書肆山田、1992.6
- 『美酒と革嚢 第一書房・長谷川巳之吉』 河出書房新社、2006.8
- 『藝文往来』 平凡社、2007.2
- 作家たちとの交流・回想記
- 『本の背表紙』 河出書房新社、2007.12
- 回想を交えた作家たちの肖像
- 『堀口大學 詩は一生の長い道』 河出書房新社、2009.11
- 「三田文學」に長期間連載した。冒頭の回想を交え、終戦までの前半生を描く
- 『知命と成熟 13のレクイエム』 白水社、2013.11
- 深い交流があった作家・評論家13名の「偏愛的作家論」
- 『吉田健一』 新潮社、2014.9
- 「新潮」に連載、膨大な資料をもとに生涯と作品の全容を明らかにした評伝の大著
- 『編集者 漱石』新潮社、2018.6
脚注
[編集]- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.290
- ^ a b “文芸編集者の長谷川郁夫さん死去 小澤書店を創業”. 朝日新聞. (2020年5月2日) 2020年5月2日閲覧。
- ^ a b c d e 朝日新聞人物データベース
- ^ a b c d 日外アソシエーツ現代人物情報
- ^ 各・出典:日外アソシエーツ現代人物情報