読書通帳
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読書通帳(どくしょつうちょう)は、読んだ本の履歴、もしくは図書の貸出履歴を記録しておく手帳の総称である[1][2]。図書通帳[3]、読書手帳[4]などとも呼ばれる。
個人の図書館における貸出履歴を記載するための手帳を図書館が提供するというサービスは、1992年から存在していたとされる[1]。「読書通帳」という言葉自体は、貸出冊数に応じてスタンプを押印していくタイプの帳面を指すものとして、2000年代初頭から使用されている[3]。読書通帳は、内田洋行の登録商標である[5]。
読書通帳には、次の3種類の形態がある[4]。
読書通帳機には、本のタイトルや貸出日の他、本の価格が印字されるものもある[2][3][6]。読書通帳機は、2010年3月に山口県下関市の下関市立中央図書館に日本で初めて導入された他[7][8][9]、海津市図書館[1]、島田市立島田図書館[1]、八尾市立龍華図書館[10]、まんのう町立図書館[11]、美瑛町立図書館[12]、佐久市立図書館[13]、萩市立図書館[14]などに設置されている。2021年には全国で300台以上が設置されている[15]。
読書通帳は、読書の履歴が可視化されることによって、読書量の増加や読書意欲の向上[16]などのメリットがある。一方で、本を読むためではなく、通帳に印字したいために本を次々に借りるというように、記帳することそのものが目的になりやすいというデメリットも指摘されている[3]。また個人情報の漏洩等の問題も指摘されている[15]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d 村岡和彦 (2016年8月). “いわゆる「読書通帳」サービスについて:「図書館の自由」の観点から”. 日本図書館協会. 2019年4月7日閲覧。
- ^ a b “「読書通帳」女の子の通帳には合計50万円”. 日テレNEWS24. (2019年3月5日) 2019年4月7日閲覧。“「読書通帳」女の子の通帳には合計50万円”. Yahoo!ニュース. (2019年3月5日) 2019年4月7日閲覧。
- ^ a b c d 山口真也「読書通帳サービスにおける貸出記録の利活用をめぐる課題」、科学技術振興機構、2016年8月24日、doi:10.18919/jkg.66.11_566、2020年6月3日閲覧。
- ^ a b 和知剛 (2015年3月20日). “読書通帳の静かなブーム”. 国立国会図書館. 2019年4月7日閲覧。
- ^ 登録番号:第5887375号, 権利者(氏名又は名称:株式会社内田洋行/住所又は居所:東京都中央区)https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2015-096457/CBB7A1C3BF6309C0486BC27FD5C774D94641B2061459328CD8FAB91C19B3D337/40/ja
- ^ 若松真平 (2015年11月22日). “広がる「読書通帳」 貸し出し倍増の図書館も ATM感覚の記帳人気”. 朝日新聞 2019年4月7日閲覧。
- ^ 小野永貴, 常川真央「Web時代にあるべき未来の図書館サービスの胎動 貸出履歴の議論を超えたShizuku2.0の実現へ」『情報管理』第53巻第4号、科学技術振興機構、2010年、185-197頁、doi:10.1241/johokanri.53.185、2020年6月3日閲覧。
- ^ “「読書通帳」人気 下関市立中央図書館、児童ら2千人利用”. 山口新聞. (2010年8月19日) 2019年4月7日閲覧。
- ^ “夏休みの子供、続々と図書館に… 人気の秘密は読書履歴を記入する「読書通帳機」”. 産経新聞. (2014年8月12日) 2019年4月7日閲覧。
- ^ “八尾市立龍華(りゅうげ)図書館が新規オープンしました”. 図書館流通センター. 2019年4月7日閲覧。
- ^ “広報 まんのう”. まんのう町 (2014年12月). 2019年4月7日閲覧。
- ^ “美瑛町の教育”. 美瑛町教育委員会 (2018年). 2019年4月7日閲覧。
- ^ “佐久市子ども読書活動推進計画”. 佐久市教育委員会 (2015年8月). 2019年4月7日閲覧。
- ^ “萩図書館の概要”. 萩市立萩図書館. 2019年4月7日閲覧。
- ^ a b “「犯罪的システムだ!」日本の図書館に拒絶された『読書通帳』が全国に普及した理由(オリコン)”. Yahoo!ニュース. 2021年10月23日閲覧。
- ^ 日本テレビ. “「読書通帳」女の子の通帳には合計50万円|日テレNEWS24”. 日テレNEWS24. 2021年10月23日閲覧。