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石川陽生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 石川陽生 七段
名前 石川陽生
生年月日 (1963-03-05) 1963年3月5日(61歳)
プロ入り年月日 1986年5月14日(23歳)
引退年月日 2023年9月14日(60歳)
棋士番号 177
出身地 東京都新宿区
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 高田丈資七段
段位 七段
棋士DB 石川陽生
戦績
通算成績 522勝559敗(対局数1081局) / 勝率0.4828
竜王戦最高クラス 4組(3期)
順位戦最高クラス C級1組(18期)
2023年9月14日現在
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石川 陽生(いしかわ あきお、1963年3月5日 - )は、将棋棋士棋士番号は177。東京都新宿区出身。高田丈資七段門下。2023年引退。

棋歴

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プロデビュー前

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  • 10歳から将棋を始めた。「4人兄弟で兄達が将棋を指すところを見て『負かしてやりたい』との闘争心に火が点いた」という。中学生でアマ四段となり、この頃から棋士を目指し始めると、14歳で奨励会に入会した[1]
  • 奨励会二段の頃、第5回(1982年度)「若駒戦」の決勝(東西決戦)で有森浩三に勝って優勝。同棋戦では翌年も決勝進出している(神崎健二に敗れ、準優勝)。その後、規定の成績を挙げて、1986年度にプロデビュー。

プロデビュー後

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  • 1987年度の第46期順位戦にて順位戦に初参戦。最終局で4勝目を挙げた結果、合計4勝6敗で辛うじて降級点の回避に成功した。
  • 1988年度の第47期順位戦では8勝2敗の好成績を収めるが、当期のC級2組は8勝2敗の者が石川を含めて10名いる大激戦であり、順位差で昇級ならず。
  • 1991年度、第50期順位戦で9勝1敗の好成績を収めた結果、2位でC級1組へ昇級した。また、第4期竜王戦では昇級者決定戦を制して、5組へ昇級した。
  • 1993年度は第6期竜王戦の5組ランキング戦で準優勝し、4組へ昇級した。しかし第9期竜王戦(1996年度)で3連敗し、5組へ降級した。
  • 1999年度、第58期順位戦のC級1組で苦戦した結果、2勝8敗に終わり初の降級点となってしまった(翌年度に6勝4敗と勝ち越して降級点を消去)。その他、第49回NHK杯にて初めて予選を突破すると、本戦でも2連勝した。
  • 2001年度、第14期竜王戦で3連敗し、6組へ降級した。
  • 第44期(2003年度)第44期王位戦の予選で中原誠深浦康市に勝ってリーグ入りする活躍。リーグでは1勝に留まり、残留失敗。
  • 2005年度、第13期銀河戦の決勝トーナメントに初進出(1回戦で敗退)。本戦ブロックの2連勝で進出という幸運だった。
  • 第56回(2006年度)NHK杯戦では、阿久津主税森下卓に勝ち、ベスト16入り。
  • 2007年度、第66期順位戦のC級1組で3勝7敗に終わり、再び降級点となった。第79期棋聖戦第57期王将戦では二次予選決勝まで勝ち進むが、それぞれ屋敷伸之藤井猛に敗れて、惜しくも本戦・リーグ入りならず。
  • 2008年度は第57期王座戦で勝ち進むが、二次予選決勝で森内俊之に敗れ、またしても本戦入りならず。
  • 2009年度、第68期順位戦のC級1組で再び3勝7敗に終わり、2回目の降級点でC級2組へ陥落となった。
  • C級2組でも順位戦の不調は止まらず、2012年度(第71期順位戦)~2014年度(第73期順位戦)の3年連続で降級点となり、結果降級点3でフリークラスへ陥落した。
  • その後も調子の上がらない期間が続いたが、2020年度に若手強豪棋士の渡辺和史黒沢怜生[2]相手に勝利する活躍を見せると、2021年度はフリークラス編入後で初めての二桁勝利(10勝11敗)を収めた。翌2022年度も12勝11敗だったが、満60歳に達したためフリークラス棋士の引退規定により2023年度は参加中の竜王戦昇級者決定戦を残して引退が決定した[3]
  • 2023年9月14日第36期竜王戦(6組昇級者決定戦)の藤原直哉七段との対局で敗退し引退となった[4]

棋風

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人物・エピソード

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  • 「撮影に入ると、キリッとした表情になるプロ意識の高い棋士」と評されている[5]
  • 順位戦デビューとなった第46期順位戦の最終局は、A級経験者の強豪である五十嵐豊一が相手だった。前述通り石川が勝利して4勝目を挙げた結果、五十嵐は1つ目の降級点を取得する事になり、この敗局を最後に引退している。
  • 2001年以来、長野県松本市窪田空穂記念館で、他の棋士を伴って窪田空穂生家将棋教室を開講している[6]

昇段履歴

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  • 1977年11月01日 : 5級 = 奨励会入会
  • 1978年05月01日 : 4級
  • 1978年08月01日 : 3級
  • 1979年08月01日 : 2級
  • 1979年11月01日 : 1級
  • 1980年10月01日 : 初段
  • 1981年12月01日 : 二段
  • 1983年06月01日 : 三段
  • 1986年05月14日 : 四段 = プロ入り
  • 1991年07月16日 : 五段(勝数規定 /公式戦100勝、通算100勝85敗)
  • 1998年07月30日 : 六段(勝数規定 /五段昇段後公式戦120勝、通算220勝196敗)
  • 2007年10月23日 : 七段(勝数規定 /六段昇段後公式戦150勝、通算370勝347敗)[7]
  • 2015年04月01日 : 七段(フリークラス編入、通算459勝469敗=七段昇段後89勝112敗)
  • 2023年09月14日 : 引退(フリークラス規定、通算522勝559敗)[4]

主な成績

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在籍クラス

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順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[8]
(出典)竜王戦
出典[9]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
1986 45 四段昇段前 第26期十段戦 予選敗退
1987 46 C248 4-6 1 6組 -- 3-2
1988 47 C238 8-2 2 6組 -- 3-2
1989 48 C208 6-4 3 6組 -- 0-2
1990 49 C212 7-3 4 6組 -- 4-1
1991 50 C212 9-1 5 5組 -- 1-2
1992 51 C121 5-5 6 5組 -- 4-1
1993 52 C114 6-4 7 4組 -- 2-2
1994 53 C110 6-4 8 4組 -- 3-2
1995 54 C108 4-6 9 4組 -- 0-3
1996 55 C118 4-6 10 5組 -- 1-2
1997 56 C114 5-5 11 5組 -- 3-2
1998 57 C112 4-6 12 5組 -- 1-2
1999 58 C115x 2-8 13 5組 -- 4-2
2000 59 C127*+ 6-4 14 5組 -- 0-3
2001 60 C112 3-7 15 6組 -- 1-2
2002 61 C120 5-5 16 6組 -- 4-2
2003 62 C116 7-3 17 6組 -- 5-2
2004 63 C109 3-7 18 6組 -- 0-2
2005 64 C121 6-4 19 6組 -- 3-2
2006 65 C114 6-4 20 6組 -- 0-2
2007 66 C111x 3-7 21 6組 -- 1-2
2008 67 C126* 5-5 22 6組 -- 1-2
2009 68 C117*x 3-7 23 6組 -- 2-2
2010 69 C201 3-7 24 6組 -- 0-2
2011 70 C230 6-4 25 6組 -- 0-2
2012 71 C213x 3-7 26 6組 -- 4-2
2013 72 C237*x 2-8 27 6組 -- 3-2
2014 73 C244**x 3-7 28 6組 -- 3-2
2015 74 F編 29 6組 -- 2-2
2016 75 F編 30 6組 -- 1-2
2017 76 F編 31 6組 -- 0-2
2018 77 F編 32 6組 -- 1-2
2019 78 F編 33 6組 -- 2-2
2020 79 F編 34 6組 -- 4-2
2021 80 F編 35 6組 -- 4-2
2022 81 F編 36 6組 -- 4-2
2023 2023年3月末でフリークラス期限経過 2023年9月14日 引退
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

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公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1986 24 12 12 0.5000
1987 30 12 18 0.4000
1988 40 25 15 0.6250
1989 45 25 20 0.5556
1990 35 20 15 0.5714 [10]
1986-1990
(小計)
174 94 80 0.5402
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1991 37 24 13 0.6490 [11]
1992 41 25 16 0.6100 [12]
1993 35 17 18 0.4860 [13]
1994 31 15 16 0.4830 [14]
1995 26 9 17 0.3460 [15]
1996 32 15 17 0.4690 [16]
1997 29 15 14 0.5170 [17]
1998 32 16 16 0.5000 [18]
1999 34 15 19 0.4410 [19]
2000 35 19 16 0.5428 [20]
1991-2000
(小計)
332 170 162 0.5120
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2001 29 11 18 0.3793 [21]
2002 31 15 16 0.4838 [22]
2003 30 15 15 0.5000 [23]
2004 34 18 16 0.5294 [24]
2005 34 20 14 0.5882 [25]
2006 32 16 16 0.5000 [26]
2007 35 17 18 0.4857 [27]
2008 32 18 14 0.5625 [28]
2009 26 9 17 0.3461 [29]
2010 31 14 17 0.4516 [30]
2001-2010
(小計)
314 153 161 0.4872
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2011 21 6 15 0.2857 [31]
2012 25 9 16 0.3600 [32]
2013 33 14 19 0.4242 [33]
2014 29 13 16 0.4482 [34]
2015 19 7 12 0.3684 [35]
2016 18 7 11 0.3888 [36]
2017 19 8 11 0.4210 [37]
2018 15 4 11 0.2666 [38]
2019 15 4 11 0.2666 [39]
2020 20 9 11 0.4500 [40]
2011-2020
(小計)
214 81 133 0.3785
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 21 10 11 0.4761 [41]
2022 23 12 11 0.5217 [42]
2023 3 2 1 0.6666 [43]
2011-2013
(小計)
47 24 23 0.5106
通算 1081 522 559 0.4828
2023年9月14日引退

著書

[編集]

脚注

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  1. ^ 将棋の国際化に奔走。浸透しているのを実感、「今の将棋は定石が通じないんですよ」”. よみタイム. 2023年1月15日閲覧。
  2. ^ 57歳のベテラン・石川陽生七段、若手イケメン棋士・黒沢怜生五段に勝利 1日2勝と元気いっぱい/将棋・朝日杯”. ABEMA TIMES. 2023年1月15日閲覧。
  3. ^ 昇段・引退・休場棋士のお知らせ』日本将棋連盟、2023年4月3日https://www.shogi.or.jp/news/2023/04/post_2275.html 
  4. ^ a b 石川陽生七段が引退|将棋ニュース|日本将棋連盟” (2023年9月15日). 2023年10月26日閲覧。
  5. ^ 形勢に、自信あり…石川陽生七段[竜王戦写真館]”. 讀賣新聞オンライン. 2023年1月15日閲覧。
  6. ^ 窪田空穂生家将棋教室年表』長野県将棋情報サイトhttps://naganoshogi.jimdofree.com/%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E6%A0%BC%E7%B4%8D%E5%BA%AB/%E7%AA%AA%E7%94%B0%E7%A9%BA%E7%A9%82%E5%B0%86%E6%A3%8B%E6%95%99%E5%AE%A4%E5%B9%B4%E8%A1%A8/ 
  7. ^ 日本将棋連盟からのお知らせ(2008年10月27日時点のアーカイブ)”. web.archive.org. 2024年8月12日閲覧。
  8. ^ 名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
  9. ^ 竜王戦」『日本将棋連盟』。
  10. ^ [1][名無しリンク]
  11. ^ [2][名無しリンク]
  12. ^ [3][名無しリンク]
  13. ^ [4][名無しリンク]
  14. ^ [5][名無しリンク]
  15. ^ [6][名無しリンク]
  16. ^ [7][名無しリンク]
  17. ^ [8][名無しリンク]
  18. ^ [9][名無しリンク]
  19. ^ [10][名無しリンク]
  20. ^ [11][名無しリンク]
  21. ^ [12][名無しリンク]
  22. ^ [13][名無しリンク]
  23. ^ [14][名無しリンク]
  24. ^ [15][名無しリンク]
  25. ^ [16][名無しリンク]
  26. ^ [17][名無しリンク]
  27. ^ [18][名無しリンク]
  28. ^ [19][名無しリンク]
  29. ^ [20][名無しリンク]
  30. ^ [21][名無しリンク]
  31. ^ [22][名無しリンク]
  32. ^ [23][名無しリンク]
  33. ^ [24][名無しリンク]
  34. ^ [25][名無しリンク]
  35. ^ [26][名無しリンク]
  36. ^ [27][名無しリンク]
  37. ^ [28][名無しリンク]
  38. ^ [29][名無しリンク]
  39. ^ [30][名無しリンク]
  40. ^ [31][名無しリンク]
  41. ^ [32][名無しリンク]
  42. ^ [33][名無しリンク]
  43. ^ [34][名無しリンク]

関連項目

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外部リンク

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