日本翻訳家協会

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NPO法人 日本翻訳家協会
Japan Society of Translators
団体種類 特定非営利活動法人
設立 1953年
所在地 114-0014
東京都北区田端1丁目19番24号
法人番号 3010005004918 ウィキデータを編集
主要人物 叶谷渥子(理事長)
(2024年5月時点) 
活動地域 日本の旗 日本
主眼 翻訳・出版の質的向上と国際的な文化交流
活動内容 国際翻訳家連盟が行う国際会議などへの協力事業
日本翻訳文化賞および日本翻訳出版文化賞の選定、表彰事業
異文化交流に貢献する事業
など
ウェブサイト www.japan-s-translators.com ウィキデータを編集
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日本翻訳家協会(にほんほんやくかきょうかい、: Japan Society of Translators, JST: Societe Japonaise des Traducteurs[1])は、日本の学術・文筆家団体。

概略[編集]

1954年7月[注釈 1]日本ペンクラブの中の「日本文学翻訳委員会」[注釈 2]と、鈴木信太郎が議長を務める「外国文学者協会」を母体として設立された[注釈 3]1964年には創立10周年を機に、翻訳者を顕彰する日本翻訳文化賞を、翌年からは出版社を顕彰する日本翻訳出版文化賞を創設。国際翻訳家連盟(FIT)英語版に加盟する日本代表の団体となった。1968年、分裂騒動が起き、1997年まで同名の別の団体が存在した(後述)。  

歴代会長・理事長[編集]

《出典:[3]

注:1999年NPO化後は理事長

分裂騒動[編集]

1968年、豊田実の長期政権と佐藤亮一の独裁に反発した平松幹夫が、林髞(木々高太郎)を会長に選出し、同名の別団体を設立した。会長が平松幹夫、人見鉄三郎に代わったのち、1997年にこの分派側が解散して分裂騒動が終わった。その間、分派側では日本翻訳文化賞、日本翻訳出版文化賞という同名の賞を出していたため、複雑なこととなった[7]

現在、この両賞について、協会の公式ウェブサイトにある「歴代受賞作品」の一覧の中には、かつて分派側が授与した受賞者・作品名は含められていない[8]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 参考文献の『ユネスコ資料』によれば、1954年7月10日に創立総会が開催されるとともに、会長に辰野隆が選任され、次いで7月16日の第1回役員会で理事・監事の役員が決まったとされている。
  2. ^ 日本文学翻訳委員会は1953年11月に発足。当時の日本ペンクラブ会長の川端康成と同副会長の青野季吉が発起人[2]
  3. ^ 日本翻訳家協会の公式ウェブサイトでは1953年の創立とされる[3]。第9代会長の叶谷渥子も常務理事であった当時のあいさつの中で「1953年7月に創立」と述べている [4]
  4. ^ ひらの ひろし。1930年7月23日東京生まれ。1953年東京外国語大学ロシア語科卒、毎日新聞社に入り、モスクワ支局長、外信部長、編集局次長、論説委員、英文毎日局長、1983年編集局長、1985年取締役、1987年常務東京本社代表。1991年退職[5]。著書に『赤きソ連の大地 特派員の目』(毎日新聞社、1976年)。
  5. ^ かなや あつこ。1938年生まれ。翻訳書にジョン・K・クレメンス、ダグラス・F・メイヤー著『英雄たちの遺言――古典に学ぶリーダーの条件』(メディアファクトリー、1990年)[6]

出典[編集]

  1. ^ 特定非営利活動法人 日本翻訳家協会 定款第1条
  2. ^ 『日本ペンクラブ三十年史』社団法人日本ペンクラブ、1967年3月、192頁。NDLJP:1348319/111 
  3. ^ a b 協会の歴史”. 日本翻訳家協会. 2024年5月16日閲覧。 “創立は1953年(昭和28年)です”
  4. ^ 日本翻訳家協会常務理事から大会へのメッセージ」『中国網』。2008年7月18日閲覧。オリジナルの2016年1月3日時点におけるアーカイブ。
  5. ^ 『現代日本人名録』1987、2002
  6. ^ 叶谷 渥子”. Webcat Plus. 2024年5月16日閲覧。
  7. ^ 昭和42年/1967年・いさかいにも構わず、日本翻訳家協会の新会長を引き受けた木々高太郎。”. 直木賞のすべて 余聞と余分 (2018年12月9日). 2020年7月23日閲覧。
  8. ^ 協会賞 - 歴代受賞作品”. 日本翻訳家協会. 2024年5月16日閲覧。

参考文献[編集]

  • 平松幹夫「各団体の活動 - 日本翻訳家協会」『ユネスコ資料』第11号、日本ユネスコ国内委員会、1963年2月、112-114頁、NDLJP:3565612/60 

外部リンク[編集]