新喜楽
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒104-0045 東京都中央区築地4丁目6番7号 北緯35度39分57.49秒 東経139度46分9.85秒 / 北緯35.6659694度 東経139.7694028度座標: 北緯35度39分57.49秒 東経139度46分9.85秒 / 北緯35.6659694度 東経139.7694028度 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 9010001045588 |
代表者 | 代表取締役 木村薫 |
資本金 | 2060万円 |
新喜楽(しんきらく)は、東京都中央区築地4丁目に所在する料亭[注 1]。「日本三大料亭」および「日本二大料理屋」の一つに数えられている[6][7][8][注 2]。
歴史
[編集]1875年(明治8年)、伊藤きんが日本橋茅場町に「喜楽」の屋号で創業[8]。その後、1898年(明治31年)に、当時大隈重信邸跡地だった現在地に店舗を移転、屋号を「新喜楽」に改める[10]。
1917年(大正6年)、伊藤から女将の座を譲受した木村さくが2代目女将となる[10][11]。その10年後の1923年(大正12年)、関東大震災に見舞われ建物を焼失。震災後に店は再建されたが、1940年(昭和15年)以降、この再建された店舗建物をベースにして建築家・吉田五十八が設計・改修を重ねていき、現在の店舗の姿を形作った[10][12]。
木村さくが2代目女将となって以降、現在に至るまで、木村の親族が女将、料理などの肩書きを引き継いできている[10]。
特徴
[編集]店舗建物自体は銅葺き木造2階建ての新興数寄屋建築。72畳の大広間などを有し、庭には伊藤博文から贈られた漢詩が刻み込まれた石碑が置かれている[2][6]。
店の初志として「支店を出さない」、「宣伝をしない」、「毎日が開店日(初心忘るべからず)」、「無言のおもてなし」を掲げている。また、口の堅さでも定評があり、政財界人や文化人の利用が多い[11][13]。
著名人の利用実例
[編集]- 伊藤博文(内閣総理大臣、韓国統監)
- 初代女将・伊藤きんと姓が同じということから伊藤博文も当料亭を、屋号が「喜楽」だった頃に贔屓にしていた。その博文が韓国に遠征していたとき、きんは博文の許に慰問に訪れた。博文はこれを喜び、きんに漢詩を贈った。この時贈られた漢詩が、先に記した庭に置かれている石碑に刻まれている[10]。
- 五島慶太(東急創始者)
- 伊豆の観光開発を目的とする鉄道・バスによる交通アクセス確立に向けて行動を起こしていた五島慶太は、1956年(昭和31年)、国鉄伊東線の終点・伊東から更に南下して下田(のちの伊豆急下田駅)に至る区間の鉄道敷設免許を「伊東下田電気鉄道」(現・伊豆急行)名義で申請。これに対し、西武鉄道系列の駿豆鉄道(現・伊豆箱根鉄道)が翌1957年(昭和32年)に同様の鉄道敷設免許を申請、両者の競願となったため、公聴会が開かれることになった。この公聴会には五島慶太の長男・昇らが出席、父・慶太は当料亭に陣取って昇から公聴会の内容などの報告を受け、指示を出したりしていた。最終的に1959年(昭和34年)、東急系列の伊東下田電気鉄道に鉄道敷設免許が下りた《伊豆戦争》[14][15]。
- 佐藤栄作(内閣総理大臣)
- 1974年(昭和49年)秋に「非核三原則」の制定などによりノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作は、受賞の翌年1975年(昭和50年)5月19日の夕方当料亭で、政財界人との懇談会「長栄会」を行い、福田赳夫や永野重雄も顔を見せた懇談の場で、佐藤も酒が入りご機嫌だったが、一度立ち上がったあと倒れた。5日後に近くの慈恵医科大学病院に搬送され手術、後頭部の静脈が切れ脳内出血と判明したが、6月3日に息を引き取った[16][17][注 3]。
芥川賞・直木賞両選考会の会場として
[編集]当料亭は芥川賞・直木賞の両選考会の会場として使用されることでも知られている。例年、1階で芥川賞の選考会が、2階で直木賞の選考会が、それぞれ開かれている[8][13]。
当初、芥川賞・直木賞の両選考会は別の料亭で開かれていた模様であるが、1955年(昭和30年)頃から習慣的に当料亭が会場として使用されるようになり、1961年(昭和36年)以降は全て当料亭内で開かれるようになった。この理由として、先に記した「口の堅さで定評のある」点が好感されたことも指摘されているが、当料亭が選考会会場として使われ始めた頃に、両賞を主催する日本文学振興会の事務局を擁する文藝春秋が同じく銀座界隈に本社を構えていたことから[注 4]、その文藝春秋が仕事の上で当料亭を利用していたからでは、という旨の同振興会事務局長による話も伝えられている[8][13]。
交通アクセス
[編集]現住所「〒104-0045 東京都中央区築地4-6-7」。[19][20][21][22]
周辺スポット
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 但し、入口横に掲げられている縦書き看板には「割烹 新喜楽」と表記されているのが見える[1][2]。「割烹」では本来”飲食物(和食)提供”に限定されている[3][4][5]。
- ^ 「日本二大料理屋」は当店舗(新喜楽)と”金田中”の2軒を指す。この2軒に”吉兆”を加えた3軒で「日本三大料亭」と称されている。なお「日本三大料亭」に関しては、一部サイトに於いて”新喜楽”・”金田中”・”東京吉兆”の3軒としているのがみられる[9]。
- ^ 1970年代までは「脳卒中の発作が起きたら動かすな」が鉄則とされていた[17]。
- ^ 文藝春秋は、1966年(昭和41年)3月に現在地(千代田区紀尾井町内)に自社ビルを竣工させ本社機能を備えるようになるまでは、銀座界隈に本社を置いていた《この当時は「文藝春秋新社」という社名だった》[18]。
出典
[編集]- ^ “【2位】新喜楽(築地場外市場)《『出没!アド街ック天国』より》”. 旅グルメ. テレビ東京 (2014年7月5日). 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b “ダイナースクラブ落語~お座敷落語と江戸の風”. SIGNATURE. ダイナースクラブ (2017年7月11日). 2018年1月20日閲覧。
- ^ “料亭と割烹の違いとは”. (株)實光 (2015年5月1日). 2018年1月20日閲覧。
- ^ writer_yoshida (2016年11月1日). “【和装ホールあるある】料亭のアルバイト、驚きのウラ事情とは!?”. グルメdeまとめ. (株)ジェイオフィス東京. 2018年1月20日閲覧。
- ^ “日本料理の基礎知識”. 全国料理業生活衛生同業組合連合会. 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b “中央区近代建築物調査~新喜楽 改造”. 東京都中央区 (2015年9月2日). 2018年1月20日閲覧。
- ^ “日本万歳。”. BESTCREWS STAFF BLOG. (株)ベストクルーズ (2010年6月22日). 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b c d “築地の老舗料亭「新喜楽」で芥川・直木賞作家発表-結果見守り続け50年”. 銀座経済新聞. (2011年1月18日) 2018年1月20日閲覧。
- ^ “新橋花街〜東をどり【広報マーケティング活動を和塾が統括】”. NPO法人 和塾 (2014年9月1日). 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b c d e 「新喜楽|ついにベールを脱いだ、知られざる名料亭。」『Pen(ペン)』第16巻第9号、CCCメディアハウス、2012年5月15日、全国書誌番号:00108475。「『【第1特集】日本文化の「粋」が息づく、花街(かがい)の秘密。』部内「東京屈指の花街、新橋を知っているか。」章より」
- ^ a b “若き素顔・料理人編~「新喜楽 木村誠氏」”. 東京中央ネット. 2018年1月20日閲覧。 ※ 現在はインターネットアーカイブ内に残存
- ^ “施工実績:文化財~料亭新喜楽改造”. 郷建設(株). 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b c “芥川賞直木賞なぜ新喜楽?”. livedoor ニュース. ビーカイブ. (2016年8月10日) 2018年1月20日閲覧。
- ^ 広岡友紀『関東私鉄比較探見』JTBパブリッシング、2010年9月、158-160頁。ISBN 978-4533079771。全国書誌番号:21816610。
- ^ 恵知仁(鉄道ライター) (2014年12月10日). “東急VS西武 「伊豆戦争」で生まれた鉄道”. 乗りものニュース 2018年1月20日閲覧. "全3頁構成(→2頁目・3頁目)"
- ^ 小林吉弥(政治評論家) (2017年9月8日). “天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 佐藤栄作・寛子夫人(下)”. 週刊実話 2018年1月20日閲覧. "『週刊実話』2017年9月14日号掲載分"
- ^ a b “突然死 血管の老化を抑えることが予防の決め手”. BPnet セカンドステージ. 日経BP社 (2007年9月4日). 2018年1月20日閲覧。
- ^ “会社概要・小史”. 文藝春秋. 2018年1月20日閲覧。
- ^ “新喜楽(しんきらく)”. Retty. 2018年1月20日閲覧。
- ^ “新喜楽(シンキラク)”. Yahoo!ロコ. 2018年1月20日閲覧。
- ^ Google Maps – 料亭「新喜楽」とその周辺 (Map). Cartography by Google, Inc. Google, Inc. 2018年1月20日閲覧。
- ^ “料亭「新喜楽」とその周辺”. Mapion. 2018年1月20日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 東京新橋組合 - 公式ホームページ