後藤竜二
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後藤 竜二(ごとう りゅうじ・本名・後藤 隆二、1943年6月24日 - 2010年7月3日)は、日本の児童文学作家。
経歴
[編集]北海道美唄市出身。北海道美唄東高等学校を経て早稲田大学第一文学部卒業。在学中に早大童話会から改名した少年文学会に所属。1967年に『天使で大地はいっぱいだ』(講談社刊)でデビュー。『キャプテンはつらいぜ』シリーズ(講談社)、『12歳たちの伝説』シリーズ(新日本出版社)、でも知られている[1]。
全国児童文学同人誌連絡会「季節風」代表を長く務めた。2010年7月3日、脳内出血のため死去。67歳[1]。
人物
[編集]- 「季節風」結成の後藤竜二の呼びかけにプロ・アマ含めて、200名が参加した[2]。逝去の際にも、「後藤代表の魂を引き継いでいく」と表明された[3]。
- 2010年11月22日「後藤竜二さんを偲ぶ会」が早稲田大学構内リーガロイヤルホテルでしめやかに開催された[4]。
交友
[編集]- あさのあつこ:1972年青山学院大学の学園祭の児童文学サークルの催しに後藤が講師として招かれ指導と討論。幹事だった、あさのあつこと知り合い、1988年季節風に誘い入会してもらう。数回投稿の『ほたる館物語』が出版デビューとなる。あさのあつこに背中を押してくれたと感謝されている[5]。後藤急逝後の後任の「季節風」代表は、緊急幹事会であさのあつこが選ばれた[3]。
受賞歴
[編集]- 1966年、「天使で大地はいっぱいだ」で第7回講談社児童文学新人賞佳作
- 1970年、「大地の冬のなかまたち」で野間児童文芸推奨作品賞
- 1977年、「白赤だすき小〇の旗風」で日本児童文学者協会賞
- 1979年、「故郷」で旺文社児童文学賞
- 1983年、「少年たち」で日本児童文学者協会賞
- 1993年、「野心あらためず・日高見国伝」で第32回野間児童文芸賞[1]
- 2007年、「おかあさんげんきですか(ポプラ社)」で第12回日本絵本賞大賞、日本絵本賞読者賞。
著書
[編集]1960年代
[編集]1970年代
[編集]- 『大地の冬のなかまたち』市川禎男絵 講談社 1970 のち文庫、青い鳥文庫
- 『ボタ山は燃えている』岡野和絵 新日本出版社 1970
- 『海ぶたのすむ海がある』安部川寿美子絵 フレーベル館 1971
- 『とべここがぼくらの町だ』田畑精一絵 講談社 1971
- 『ぼくらははだしで』山本耀也絵 あかね書房 1971 のちポプラ社文庫 高田三郎絵
- 『おれたちのきょう』寺戸恒晴絵 毎日新聞社 1971 のち偕成社文庫 小林与志絵
- 『歌はみんなでうたう歌』田畑精一絵 新日本出版社 1973 「(秘)発見ノート事件」改題
- 『風にのる海賊たち』津田櫓冬絵 講談社 1973
- 『算数病院事件』田畑精一絵 新日本出版社 1975
- 『白赤だすき小〇の旗風』岡野和絵 講談社 1976 (三閉伊一揆)
- 『ひとりぼっちの海はきらいだ』中山正美絵 金の星社 1977 のちフォア文庫
- 『たんぽぽ飛ぶころ』織茂恭子絵 ポプラ社 1977 のち文庫
- 『潮風の学校』高橋透絵 新日本出版社 1978
- 『くさいろのマフラー』岡野和絵 草土文化 1978
- 『かもめ分校は大さわぎ』遠藤てるよ絵 ポプラ社 1979
- キャプテンシリーズ 杉浦範茂絵 講談社
- 1『キャプテンはつらいぜ』1979 のち青い鳥文庫
- 2『キャプテン、らくにいこうぜ』1981 のち青い鳥文庫
- 3『キャプテンがんばる』1982 のち青い鳥文庫
1980年代
[編集]- 『おまつり村』岡野和絵 ポプラ社(絵本・すこしむかし) 1980
- 『大さわぎ先生とワル三人組』高橋透絵 新日本出版社 1981
- 『魔球』市川禎男画 金の星社 1981
- 『じてんしゃデンちゃん』小泉るみ子絵 講談社 1981
- 『どんぐりほいくえんのくじらのかせき』遠藤てるよ絵 童心社 1981
- 『風の子たちのとりで』織茂恭子絵 童心社 1981 のちフォア文庫
- 『ひゃくおくえんのぼうし』花井亮子絵 国土社 1982
- 『どろんこクラブのゆうれいちゃん』小泉るみ子絵 草炎社 1982
- 『少年たち』花井亮子絵 講談社 1982
- 『ガリベン先生、がんばれ!』高橋透絵 講談社 1983
- 『めだちたがりやのジン』杉浦範茂絵 偕成社 1983
- 「1ねん1くみ」シリーズ 長谷川知子絵 ポプラ社
- 1ねん1くみ1ばんワル 1984
- 1ねん1くみ1ばんげんき 1985
- 1ねん1くみ1ばんなかよし 1985
- 1ねん1くみ1とうしょう 1987
- 1ねん1くみもうすぐ春 1987
- 1ねん1くみ1ばんゆうき 1988
- 1ねん1くみ1ばんびじん 1989
- 1ねん1くみ1ばんいいやつ 1990
- 1ねん1くみ1ばんおかねもち 1991
- 1ねん1くみ1ばんがんばる 1992
- 1ねん1くみ1ばんびっくり 1994
- 1ねん1くみ1ばんやるき 1995
- 1ねん1くみ1ばんひみつ! 1997
- 1ねん1くみ1ばんこわーい 1998
- 1ねん1くみ1ばんでっかい!! 1999
- 1ねん1くみ1ばんふしぎ? 2001
- 1ねん1くみ1ばんやさし~い 2001
- 1ねん1くみ1ばんえらい! 2002
- 1ねん1くみ1ばんわがまま 2003
- 1ねん1くみ1ばんドタバタ! 2004
- 1ねん1くみ1ばんあまえんぼう 2005
- 1ねん1くみ1ばんあったか~い! 2006
- 1ねん1くみ1ばんくいしんぼう 2007
- 1ねん1くみ1ばんジャンプ! 2008
- 1ねん1くみ1ばんサイコー! 2009
- 『のんびり転校生事件』田畑精一絵 新日本出版社 1985
- ゴンちゃんシリーズ ポプラ社
- 『ごんちゃんだいすき』花井亮子絵 ポプラ社 1986
- 『やったぜ!ごんちゃん』花井亮子絵 教育画劇 1988
- 『ゴンちゃん5年生にかつ』タカダカズヤ絵 学習研究社 1996
- 『ゴンちゃんにはかなわない』学習研究社 1996
- 『14歳-Fight』田中槙子画 岩崎書店 1988
- 『やぎといじっぱり』土田義晴絵 ポプラ社(童話の海 1)1989
1990年代
[編集]- 『てんこうせいのてんとう虫』小泉るみ子絵 講談社 1990
- 『九月の口伝』高田三郎絵 汐文社(シリーズ平和の風 1) 1991
- 『17かいのおんなのこ』福田岩緒画 童心社 1991
- 『おつかいへっちゃら 17かいのおんなのこ』童心社 1992
- 『りんごの花』長谷川知子絵 新日本出版社 1993
- 『野心あらためず 日高見国伝』田中槙子絵 講談社 1993 のち光文社文庫(宝亀の乱)
- 『りんご畑の九月』長谷川知子絵 新日本出版社 1995
- 『ないしょ!』長谷川知子絵 新日本出版社 1996
- 『かみなりドドーン!』佐藤真紀子絵 ポプラ社 1997
- 『乱世山城国伝』新日本出版社 1997 (山城国一揆)
- 『真田十勇士猿飛佐助』講談社 イラスト:吉田光彦 1998
- 『さみしくないよ』長谷川知子絵 新日本出版社 1999
- 『ひみつのちかみちおしえます!』佐藤真紀子絵 ポプラ社 1999
- 『12歳たちの伝説』 鈴木びんこ絵 全5巻 新日本出版社 2000-2004 のちピュアフル文庫
2000年代
[編集]- 『やまんばやかたたんけんします!』佐藤真紀子絵 ポプラ社 2000
- 『しゅくだい、なくします!』佐藤真紀子絵 ポプラ社 2003
- 『アイスクリーム、つくります!』佐藤真紀子絵 ポプラ社 2005
- 『紅玉』高田三郎絵 新日本出版社 2005
- 『おかあさん、げんきですか。』武田美穂絵 ポプラ社 2006
- 『ぼくはほんとはかいじゅうなんだ』鈴木びんこ絵 童心社 2006
- 『風景』高田三郎絵 岩崎書店 2007
- 「3年1組ものがたり」福田岩緒絵 新日本出版社
- 1、ジュン先生がやってきた! 2008
- 2、五月は花笠! 2008
- 3、ま夏の夜は、たんけん! 2008
- 4、十一月は変身! 2008
- 5、ドンマイ! 2009
- 『ひかる!』全3巻 スカイエマ絵 そうえん社 2008-2009
- 『おにいちゃん』佼成出版社 2008
- 『尼子十勇士伝 赤い旋風』新日本出版社 2010
- 『後藤竜二童話集』全5巻 長谷川知子絵 あさのあつこ責任編集 ポプラ社 2013
- 『どーだっ!』長谷川知子絵 新日本出版社 2015
実写化作品
[編集]- 大地の冬のなかまたち - 1972年、日活児童映画の第1作として映画化。
- キャプテンはつらいぜ - 1982年、こども傑作劇場でドラマ化。
- キャプテンらくに行こうぜ - 1982年、こども傑作劇場でドラマ化。
出典
[編集]- ^ a b c “おくやみ 後藤竜二氏=児童文学作家”. 読売新聞. (2010年7月6日). オリジナルの2010年7月11日時点におけるアーカイブ。 2010年7月6日閲覧。
- ^ あさのあつこ他 著、河出書房新社編集部 編『あさのあつこ完全読本』河出書房新社、p.40、2005年
- ^ a b 2010年8月1日越水利江子幹事の緊急幹事会報告
- ^ 2010年11月30日季節風同人ブログ
- ^ あさのあつこ他 著、河出書房新社編集部 編『あさのあつこ完全読本』河出書房新社、p.33-35、39-40、2005年