安倍夜郎
安倍 夜郎 | |
---|---|
生誕 |
1963年2月2日(61歳) 日本・高知県 |
職業 | 漫画家 |
活動期間 | 2004年 - |
ジャンル | 青年漫画 |
代表作 | 『深夜食堂』 |
受賞 |
第53回小学館新人コミック大賞 一般部門 大賞(『山本耳かき店』) 第55回小学館漫画賞 一般向け部門(『深夜食堂』) 第39回日本漫画家協会賞大賞 (『深夜食堂』) |
安倍 夜郎(あべ やろう、1963年2月2日 - )は、日本の漫画家。高知県[1]四万十市出身[2]、東京都荻窪在住[3]。
経歴
[編集]高知県中村市(現:四万十市)に生まれる。早稲田大学に入学後、早稲田大学漫画研究会に所属し会誌に漫画を執筆していた。同級生には町山智浩、先輩に堀井憲一郎[4]、一年後輩にけらえいこがいる。大学卒業後は20年近くCM制作会社にCMディレクターとして勤務していた。
2003年、第53回小学館新人コミック大賞に投稿した『山本耳かき店』が大賞を受賞し[5]、2004年に『ビッグコミックオリジナル増刊』(小学館)に掲載され、41歳の遅咲きデビューを果たした。間もなく漫画家業専念のためCM制作会社を退職する。その後は読切作品が数回掲載されるも、なかなかネームが通らなくなり約2年間一切作品が掲載されなかった。
2006年、担当編集者から「医療漫画」か「食漫画」を描くことを勧められて描いた『深夜食堂』が不定期連載でスタートする。同作は徐々に人気を獲得し2009年にはドラマ化[6]、2010年には第55回(平成21年度)小学館漫画賞一般向け部門[7]、第39回日本漫画家協会賞大賞を受賞するなどヒット作となった。第42回[8]、第43回日本漫画家協会賞では選考を務めている[9]。
2014年5月7日より6月1日まで、東京都高円寺のKitchen Bar ノラやにて原画展を開催し[10]、同年10月25日から11月24日まで京都のモリカゲシャツ キョウトでも原画展を開催[11]。2016年1月30日から3月5日まで、『生まれたときから下手くそ』第1巻と『なんちゃぁない話』の発売記念にKitchen Bar ノラやで原画展を開催[2]。
2018年、第45回アングレーム国際漫画フェスティバルにて、『深夜食堂』が公式セレクションに選出[12]。2019年、第46回でも同作品が同賞に選出されている[13]。
人物
[編集]サクソフォーン奏者・本田雅人は幼稚園から高校までの同級生[14]。
影響を受けた漫画家としてつげ義春、滝田ゆうの名を挙げている。滝田のファンであり、2018年に行われた滝田の展覧会「昭和×東京下町セレナーデ 滝田ゆう展」では安倍がトークを展開している[15]。
映画監督の常盤司郎とはTVCMの制作会社に勤めていたころからの知り合いで、「飲みに行った際にはよく将棋を指していた」という[16]。
飄々とした人柄である[17]。
作品リスト
[編集]書籍
[編集]- 深夜食堂(2007年、『ビッグコミックオリジナル増刊』、『ビッグコミックオリジナル』連載、小学館、既刊28巻) 連載中
- 山本耳かき店(2010年[18]、小学館)
- ラビッツ カンカン(『MûMû』も収録)(2012年、学研パブリッシング)
- 酒の友 めしの友(2014年[19]、2019年(文庫版[4])、実業之日本社)
- 四万十食堂(2014年、共著:左古文男、双葉社)
- 深夜食堂の料理帖(2015年、共著:飯島奈美、小学館)
- 生まれたときから下手くそ(『ビッグコミックオリジナル増刊号』[20]、全2巻) - 自伝的作品[20]
- なんちゃぁない話(2016年[2]、高知県四万十市のフリーペーパー「はたも〜ら」掲載、実業之日本社)
- 夜郎戯暦(2018年[21]、『週刊読書人』連載[21]、双葉社) - 単行本には未発表漫画「モ〜モ〜 はらみちゃん」も収録[21]
- スタミナ深夜食堂(2021年[22]、共著:左古文男、小学館)
読切
[編集]- 少年(『ビッグコミックスペリオール』2010年11号[23]) - 秘密基地をテーマとした、漫画家が読み切りを執筆するシリーズ「hi mi tsu ki chi 2nd season」の一作[23]。『短篇集 hi mi tsu ki chi ヒミツキチ』に収録[24]。
- 歌の文句じゃないけれど(『ビッグコミック』2013年15号[25]) - 『ビッグコミック』初掲載作品[25]。『ビッグコミック』創刊45周年記念読み切り集『天才たちの競演』第2巻に収録[26]。
- 猫まんま(『ねこだのみ』1号[27])
- スナックメモリー(『ビッグコミック』2018年6号[28]) - 『ビッグコミック』創刊50周年記念読み切り[28]
イラスト
[編集]- 東日本大震災被災者応援イラスト(『ビッグコミックオリジナル』公式サイト、2011年4月[29]) - 『ビッグコミックオリジナル』作家の一員として参加[29]
- 『ビッグコミック』創刊45周年&ゴルゴ13生誕45周年記念企画 私が描くデューク東郷(『ビッグコミック』2013年11月25日号、3頁)
- 『ワカコ酒』10周年記念トリビュートイラスト企画(『ゼノン編集部』2021年7月23日公開[30])
活動
[編集]- 2010年1月26日、町山智浩が「ラジオデイズ」にて配信している対談「町山智浩の、漫画師に訊け!」の第2回に、安倍がゲスト出演[31]。
- 2015年2月21日、高知県立県民文化ホールなどで行われた「全国漫画家大会議 in まんが王国・土佐」にて、「大人のトークショー」のコーナーに安倍が出演[1]。
- 2019年3月2日、3日に高知県高知市文化プラザかるぽーとなどで開催されたイベント「第5回 全国漫画家大会議 in まんが王国・土佐」に、ゲスト漫画家のひとりとして出演[32]。
- 2021年8月4日から9月5日まで東京都現代美術館にて開催されるアートプロジェクト「漫画『もしも東京』展」に参加[33]。当初は2020年夏に開催予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から延期となった[34]。出展した作品は2021年9月10日に小学館より発売された『もしも、東京』に収録されている[35]。
寄稿
[編集]- 『深夜食堂』テレビドラマ化記念 主演・小林薫との対談(『ビッグコミックオリジナル』20号[36])
- 食事がテーマの特集のひとつとして『深夜食堂』が取り上げられ、安倍のインタビューも寄稿(『ぱふ』7月号[37])
- 『愛…しりそめし頃に…』完結直前記念メッセージ(『ビッグコミックオリジナル』8号[38])
- 『ゴルゴ13』45周年企画 私が描くデューク東郷(『ビッグコミック』2013年22号[39]) - イラスト[39]、「『ゴルゴ13』生誕45周年を祝う会」の壁面にも登場[40]
- うえやまとち×安倍夜郎×土山しげる「グルメ漫画家 3鉄人が描く『俺のひとり飯』」(幻冬舎plus 特集「『野武士のグルメ』を味わい尽くす」コンテンツ、2014年3月[41])
- 100人の達人が語る、『おいしい理由』食堂100軒(『散歩の達人』2016年5月号[42])
- 映画「最初の晩餐」描きおろしイラスト(2019年8月[16])
- 荻窪、西荻窪特集(『散歩の達人』2019年11月号[3]) - 通っている店や漫画に登場する店舗を安倍が紹介[3]
出典
[編集]- ^ a b “高知マンガイベント、ちばてつやら20人余登場”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年10月14日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b c “安倍夜郎、自伝的作品1巻とエッセイの同時発売を記念しサイン会や原画展”. コミックナタリー (ナターシャ). (2016年1月28日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b c “「深夜食堂」安倍夜郎が荻窪のお店を紹介、やまだないとは西荻の街をスケッチ”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年10月16日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b “酒の友 めしの友 実業之日本社文庫”. 実業之日本社. 2021年7月25日閲覧。
- ^ “「深夜食堂」安倍の名作「山本耳かき店」新編掲載”. コミックナタリー (ナターシャ). (2009年10月13日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “安倍夜郎の「深夜食堂」、今秋TVドラマ化決定”. コミックナタリー (ナターシャ). (2009年7月18日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “小学館漫画賞、安倍夜郎、篠原健太、岩本ナオらが輝く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2010年1月22日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “新田たつお「静かなるドン」が日本漫画家協会賞の大賞に”. コミックナタリー (ナターシャ). (2013年5月13日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “日本漫画家協会賞に「あさりちゃん」「フイチン再見!」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年5月13日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “「深夜食堂」の安倍夜郎原画展、高円寺の居酒屋で開催”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年5月7日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “「深夜食堂」原画展が京都にて、アクセ販売も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年10月6日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “楳図かずお「わたしは真悟」、アングレーム国際漫画祭で遺産部門に入賞”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年1月29日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “高橋留美子がアングレーム国際漫画祭の最優秀賞を受賞、日本人では2人目”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年1月24日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “はたも~ら vol43 2016 Autumn-Winter 53ページ” 2022年2月10日閲覧。
- ^ “滝田ゆうの代表作「寺島町奇譚 傑作選」刊行、原画並ぶ展示会も開催中”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年1月5日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b “「深夜食堂」安倍夜郎が、映画「最初の晩餐」に寄稿「いい味に仕上がってると思う」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年8月21日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “第55回小学館漫画賞決まる。天狗、SKET、深夜食堂”. コミックナタリー (ナターシャ). (2010年3月5日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “「深夜食堂」の安倍夜郎デビュー作がついに単行本化”. コミックナタリー (ナターシャ). (2010年6月30日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “酒の友 めしの友”. 実業之日本社. 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b “「深夜食堂」安倍夜郎の自伝的作品がスタート”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年8月12日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b c “安倍夜郎「夜郎戯暦」週刊読書人の1コマ連載が1冊に、未発表マンガも収録”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年6月12日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “「スタミナ深夜食堂」東京・横浜の名店紹介する1冊、1年半ぶり「深夜食堂」新刊も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年2月26日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b “「深夜食堂」の安倍夜郎が描く秘密基地@スペリオール”. コミックナタリー (ナターシャ). (2010年5月14日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “大友克洋や高野文子も参加、短篇集「hi mi tsu ki chi」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2011年1月16日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b “安倍夜郎の読み切りがビッコミに、昭和歌謡まじえ男女描く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2013年7月25日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “水木しげる、高橋留美子ら参加「天才たちの競演」2巻発売”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年3月28日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “東村アキコ、西炯子ら豪華作家の猫マンガ集めたコンビニ本「ねこだのみ」1号”. コミックナタリー (ナターシャ). (2015年5月2日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b “「空母いぶき」主演・西島秀俊のインタビューがBCに、いぶきのプラモデル化も決定”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年3月10日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b “ビッグコミックオリジナル作家の被災者応援イラスト”. コミックナタリー (ナターシャ). (2011年4月5日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “「ワカコ酒」10周年記念で雨隠ギド、池辺葵、うえやまとちら9人がトリビュート”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年7月16日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “町山智浩のマンガ家対談ネット配信、福満ほか凄いメンツ”. コミックナタリー (ナターシャ). (2010年1月16日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “総勢21名のマンガ家が参加「漫画家大会議」ゲストに池田秀一、古谷徹、松本梨香”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年12月16日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “マンガ家が描く20の“東京”「漫画『もしも東京』展」開幕、作品集やグッズの先行販売も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年8月4日) 2021年8月6日閲覧。
- ^ “20人のマンガ家が東京描く「漫画『もしも東京』展」新たな開催日程発表”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年7月13日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “萩尾望都らマンガ家20人が描く“もしも”の東京収めた作品集、鈴木敏夫ら寄稿も収録”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年9月10日) 2021年9月11日閲覧。
- ^ “安倍夜郎×マスター、ドラマ「深夜食堂」放送直前対談”. コミックナタリー (ナターシャ). (2009年10月5日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “ぱふで料理マンガ特集。よしなが、柳原望らインタビュー”. コミックナタリー (ナターシャ). (2011年5月30日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “「愛…しりそめし頃に…」完結をあだち充ら84組がお祝い”. コミックナタリー (ナターシャ). (2013年4月5日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ a b “「ゴルゴ13」45周年!尾田、浦沢、板垣、留美子ら寄稿”. コミックナタリー (ナターシャ). (2013年11月9日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “「ゴルゴ13」45周年を祝う会、最終回は「企業秘密」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2013年11月14日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “久住昌之×土山しげる「野武士のグルメ」刊行で豪華企画”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年3月13日) 2021年7月25日閲覧。
- ^ “山本さほ、土山しげるらの「垂涎の一軒」は?散歩の達人で「食堂100軒」特集”. コミックナタリー (ナターシャ). (2016年4月21日) 2021年7月25日閲覧。
外部リンク
[編集]- 安倍画廊 - 公式サイト