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ダンブリ石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダンブリ石
ダンブリ石のクリーム色の結晶のクラスター。
分類 テクトケイ酸塩鉱物
シュツルンツ分類 9.FA.65
Dana Classification 56.3.1.1
化学式 CaB2(SiO4)2
結晶系 斜方晶系
対称 Pnam
単位格子 a = 8.038(3), b = 8.752(5)
c = 7.73 [Å]; Z = 4
晶癖 自形柱状結晶
へき開 {001} Poor
断口 亜貝殻状から不平坦状
粘靱性 脆い
モース硬度 7 – 7.5
光沢 ガラス質 – 脂肪光沢
無色、白色、灰色、茶色がかった白色、藁黄色
条痕 白色
透明度 透明から半透明
比重 2.93 - 3.02
光学性 二軸 (+/-)
屈折率 nα = 1.627 – 1.633 nβ = 1.630 – 1.636 nγ = 1.633 – 1.639
複屈折 δ = 0.006
光軸角 2V 88 - 90° (実測)
分散 r < v strong
蛍光 蛍光及び熱ルミネセンス(赤色)、近紫外線=紫青色、遠紫外線=青色から青緑色
文献 [1][2][3]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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ダンブリ石またはダンビュライト(danburite)とは、ケイ酸塩鉱物の1種である。カルシウムを含んだ鉱物としては、比較的硬い。通常は無色の鉱物だが、不純物のために色を有する場合も有る。透明で充分な大きさを有し、見栄えのするダンブリ石は、宝石として扱われる場合も有る。

性質

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ダンブリ石の組成式は、CaB2(SiO4)2で表される[3][4][5]。比重は3.0である[4]。比較的硬い鉱物で、モース硬度は7から7.5である[4]。通常は無色だが[6]、淡黄色の場合や[4]、ピンク色の場合も有る[6]

ダンブリ石は、ダナ分類においてソロケイ酸塩鉱物とされ、シュルンツ分類においてはテクトケイ酸塩鉱物とされる[3]。結晶構造はどちらかとして解釈できる。結晶の対称性と構造はトパーズに似ているものの、トパーズはフッ化カルシウムネソケイ酸塩鉱物である。また、トパーズは劈開が完全だが、タンブリ石は劈開が不完全である。さらに、トパーズの方が、タンブリ石よりも比重が重い。

所在

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メキシコ産出のダンブリ石。高さ4 cm程度。

ダンブリ石は変成岩と接した場所で生成する。最初に発見されたアメリカ合衆国コネチカット州ダンベリーに因んで、1839年にチャールズ・アップハム・シェファードが名付けた[4]。宝石としての価値を有したタンブリ石は、イタリア、スイス、日本、ミャンマー、メキシコなどで産出してきた[6]

日本では、宮崎県高千穂町土呂久鉱山で産出したが、1962年に閉山したのち土呂久砒素公害により埋め立てられたため、現在では採集不可能である。

出典

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  1. ^ Danburite data on Webmineral”. webmineral.com. 2023年12月1日閲覧。
  2. ^ Danburite in The Handbook of Mineralogy” (PDF). handbookofmineralogy.com. 2023年12月1日閲覧。
  3. ^ a b c Danburite”. Mindat.org. 2023年12月1日閲覧。
  4. ^ a b c d e Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Danburite" . Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 7 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 793.
  5. ^ Cally Hall著、砂川 一郎(日本語版監修)『宝石の写真図鑑』 p.153 日本ヴォーグ社 1996年3月1日発行 ISBN 4-529-02691-4
  6. ^ a b c Cally Hall著、砂川 一郎(日本語版監修)『宝石の写真図鑑』 p.110 日本ヴォーグ社 1996年3月1日発行 ISBN 4-529-02691-4