ダンブリ石
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ダンブリ石 | |
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ダンブリ石のクリーム色の結晶のクラスター。 | |
分類 | テクトケイ酸塩鉱物 |
シュツルンツ分類 | 9.FA.65 |
Dana Classification | 56.3.1.1 |
化学式 | CaB2(SiO4)2 |
結晶系 | 斜方晶系 |
対称 | Pnam |
単位格子 |
a = 8.038(3), b = 8.752(5) c = 7.73 [Å]; Z = 4 |
晶癖 | 自形柱状結晶 |
へき開 | {001} Poor |
断口 | 亜貝殻状から不平坦状 |
粘靱性 | 脆い |
モース硬度 | 7 – 7.5 |
光沢 | ガラス質 – 脂肪光沢 |
色 | 無色、白色、灰色、茶色がかった白色、藁黄色 |
条痕 | 白色 |
透明度 | 透明から半透明 |
比重 | 2.93 - 3.02 |
光学性 | 二軸 (+/-) |
屈折率 | nα = 1.627 – 1.633 nβ = 1.630 – 1.636 nγ = 1.633 – 1.639 |
複屈折 | δ = 0.006 |
光軸角 2V | 88 - 90° (実測) |
分散 | r < v strong |
蛍光 | 蛍光及び熱ルミネセンス(赤色)、近紫外線=紫青色、遠紫外線=青色から青緑色 |
文献 | [1][2][3] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
ダンブリ石またはダンビュライト(danburite)とは、ケイ酸塩鉱物の1種である。カルシウムを含んだ鉱物としては、比較的硬い。通常は無色の鉱物だが、不純物のために色を有する場合も有る。透明で充分な大きさを有し、見栄えのするダンブリ石は、宝石として扱われる場合も有る。
性質
[編集]ダンブリ石の組成式は、CaB2(SiO4)2で表される[3][4][5]。比重は3.0である[4]。比較的硬い鉱物で、モース硬度は7から7.5である[4]。通常は無色だが[6]、淡黄色の場合や[4]、ピンク色の場合も有る[6]。
ダンブリ石は、ダナ分類においてソロケイ酸塩鉱物とされ、シュルンツ分類においてはテクトケイ酸塩鉱物とされる[3]。結晶構造はどちらかとして解釈できる。結晶の対称性と構造はトパーズに似ているものの、トパーズはフッ化カルシウムのネソケイ酸塩鉱物である。また、トパーズは劈開が完全だが、タンブリ石は劈開が不完全である。さらに、トパーズの方が、タンブリ石よりも比重が重い。
所在
[編集]ダンブリ石は変成岩と接した場所で生成する。最初に発見されたアメリカ合衆国のコネチカット州ダンベリーに因んで、1839年にチャールズ・アップハム・シェファードが名付けた[4]。宝石としての価値を有したタンブリ石は、イタリア、スイス、日本、ミャンマー、メキシコなどで産出してきた[6]。
日本では、宮崎県高千穂町土呂久鉱山で産出したが、1962年に閉山したのち土呂久砒素公害により埋め立てられたため、現在では採集不可能である。
出典
[編集]- ^ “Danburite data on Webmineral”. webmineral.com. 2023年12月1日閲覧。
- ^ “Danburite in The Handbook of Mineralogy” (PDF). handbookofmineralogy.com. 2023年12月1日閲覧。
- ^ a b c “Danburite”. Mindat.org. 2023年12月1日閲覧。
- ^ a b c d e Chisholm, Hugh, ed. (1911). . Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 7 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 793.
- ^ Cally Hall著、砂川 一郎(日本語版監修)『宝石の写真図鑑』 p.153 日本ヴォーグ社 1996年3月1日発行 ISBN 4-529-02691-4
- ^ a b c Cally Hall著、砂川 一郎(日本語版監修)『宝石の写真図鑑』 p.110 日本ヴォーグ社 1996年3月1日発行 ISBN 4-529-02691-4