セレナイト (鉱物)
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セレナイト | |
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分類 | 硫酸塩鉱物 |
化学式 | CaSO4·2H2O |
結晶系 | 単斜晶系 (2/m) 空間群: A2/a |
モル質量 | 172.17 |
へき開 | [010] 完全, [100] 明瞭, [011] 明瞭 |
モース硬度 | 2 |
光沢 | 真珠光沢 |
条痕 | 白 |
比重 | 2.9 |
光学性 | Biaxial (-) 2V=58 |
屈折率 | nα=1.519-1.521, nβ=1.522-1.523, nγ=1.529-1.53 |
複屈折 | δ =0.0090-0.0100 |
その他の特性 | 放射能や磁性はなし、蛍光 |
文献 | [1] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
セレナイト(英語:selenite、透明石膏)は、石膏の一種で、硫酸カルシウム(CaSO4)を主成分とする2水和物(CaSO4・2H2O)である。晶癖によって、繊維状のサテン・スパー(英語:satin spar、繻子石膏)、デザートローズ(砂漠のバラ)などのバリエーションが生まれる。ローマ時代には、ラピス・スペキュラリス(ラテン語:Lapis specularis、窓の石)と呼ばれ、窓ガラスとして利用された[2]
名前
[編集]ギリシア神話の月の女神であるセレーネーに由来する。15世紀からは透明な石膏をまとめてセレナイトと呼ぶようになった[3]。
ドイツ語では 聖母マリア絵画や像の保護ガラスとして使われてきたことから、Marienglas や Frauenglas 等 と呼ばれる。
透明石膏には、元素のセレンは含まれていないが、亜セレン酸ナトリウム(英語:sodium selenite)のように、亜セレン酸の塩に selenite の語が使用されるため混同しないとように注意が必要である。
特徴
[編集]モース硬度が2しかないので爪で削れる。そのため、鋸などの工具で簡単に加工できる。曲げることもできるが、それほど曲がらず、過度に曲げようとすると割れる。
色は基本透明だが、不純物によって着色される。
現代の断熱材には劣るが、ガラスより断熱性が高い。
用途
[編集]- ガラスの代わり。古代からガラスは知られていたが、製造や加工が難しく透明度も低かったことから、ガラスは窓ガラスのようには使われなかった。
- 像や絵画の保護パッケージ
ギャラリー
[編集]-
セレナイト、透明石膏
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セレナイト
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柱状結晶
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サテン・スパー。繊維状に伸びたGypsum hairs(石膏の髪の毛)
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板状のセレナイトが組み合わさった砂漠のバラ
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洞窟でできた石膏の花(Gypsum flower)
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Gypsum flowers(石膏の花)
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角状になったセレナイト
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出土したローマ時代の窓ガラスとして使われたセレナイト。
出典
[編集]- ^ “Gypsum Mineral Data”. Weinrich Minerals, Inc.. 20 October 2013閲覧。
- ^ Bernardez Gomez M.J. , Guisado di Monti J.C. La ingenieria minera romana del lapis specularis en Hispania, Quinto Congreso de las obras publicas Romanas – Cordoba 2010
- ^ Etymology of selenite from the New Collegiate Dictionary.
- ^ Sinkankas, John (1964). Mineralogy for amateurs.. Princeton, N.J.: Van Nostrand. p. 398. ISBN 0442276249
関連項目
[編集]- クリスタルの洞窟 - セレナイトの結晶が洞窟に大量にあったことから、Cueva de los Cristales と呼ばれることとなった。
- 著名産地
- カッパドキア、キプロス島、シチリア島
- クエンカ (スペイン) - ローマ時代の産地だった場所。
- ゴータ