コンテンツにスキップ

ヴィラヤヌル・S・ラマチャンドラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
V.S. Ramachandranから転送)
ラマチャンドラン(2011年撮影)

ヴィラヤヌル・スブラマニアン・ラマチャンドランVilayanur Subramanian Ramachandran, 1951年 – )はインド出身のアメリカ神経科医心理学者神経科学者カリフォルニア大学サンディエゴ校の神経科学研究所 (Center for Brain and Cognition) の所長を務める。 種々の神経疾患を取り扱った一般書『脳のなかの幽霊』の著者である。

インド、タミル・ナードゥ州チェンナイ (旧マドラス) に生まれる。 チェンナイのスタンリー医科大学 (Stanley Medical College) で医師の資格を取得後、イギリスケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで博士号を取得。

オリバー・サックスを思わせるラマチャンドランの著作では、幻肢半側空間無視カプグラ症候群共感覚など奇妙な脳神経系の現象が取り扱われており、単なる症例の列挙に留まらず、従来の知見にこだわらない脳機能に対する洞察と、独創的であざやかな実験とが報告されている。とりわけ自己の身体イメージを操作する「ミラーボックス」と呼ばれる単純な装置の考案は、存在しない手足が激しく痛む幻肢痛の治療に成功し、これは脳血管疾患などによる片麻痺のリハビリテーションにも応用されている。

ブーバ/キキ効果」の命名者でもある。

主な著書

[編集]
  • Ramachandran, V.S. and Sandra Blakeslee (1998). Phantoms in the Brain: Probing the Mysteries of the Human Mind. New York: William Morrow & Co.. ISBN 978-0-688-15247-5  (1999) New York: Quill (HarperCollins), ISBN 978-0-688-17217-6 (pbk).
    ラマチャンドラン、V・S、サンドラ・ブレイクスリー『脳のなかの幽霊』山下篤子 訳、角川書店〈角川21世紀叢書〉、1999年。ISBN 978-4-04-791320-2 
  • Ramachandran, Vilayanur (2003). The Emerging Mind: The BBC Reith Lectures 2003. Profile Books Ltd.. ISBN 978-1-86197-303-0 (pbk) 
    ラマチャンドラン、V・S『脳のなかの幽霊、ふたたび — 見えてきた心のしくみ』山下篤子 訳、角川書店、2005年。ISBN 978-4-04-791501-5 
  • Ramachandran, V.S. (2004). A Brief Tour of Human Consciousness: From Impostor Poodles to Purple Numbers. Pi Press. ISBN 978-0-13-148686-7  (2005) ISBN 978-0-13-187278-3 (pbk).
  • ラマチャンドラン, V.S., D. ロジャース=ラマチャンドラン『知覚は幻: ラマチャンドランが語る錯覚の脳科学』北岡明佳 監修, 日経サイエンス編集部 訳、日経サイエンス〈別冊日経サイエンス 174〉、2010年。ISBN 978-4-532-51174-6 
  • Ramachandran, V.S. (2011). The Tell-Tale Brain: A Neuroscientist's Quest for What Makes Us Human. W.W. Norton & Co.. ISBN 978-0-393-07782-7 
    ラマチャンドラン、V・S『脳のなかの天使』山下篤子 訳、角川書店、2013年。ISBN 978-4-04-110104-9 

外部リンク

[編集]