Jヴィレッジ駅
Jヴィレッジ駅 | |
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駅舎(2020年3月) | |
じぇいびれっじ[注釈 1] J-Village | |
◄広野 (3.5 km) (1.9 km) 木戸► | |
所在地 | 福島県双葉郡楢葉町大字山田岡字下岩沢1番地2[報道 1][注釈 2] |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | ■常磐線 |
キロ程 | 235.9 km(日暮里起点) |
電報略号 | イツ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
開業年月日 | 2019年(平成31年)4月20日[報道 2][新聞 1] |
備考 | 無人駅(乗車駅証明書発行機 有) |
Jヴィレッジ駅(ジェイビレッジえき[注釈 1])は、福島県双葉郡楢葉町大字山田岡字下岩沢にある[報道 1][注釈 2]、東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐線の駅である。
2019年(平成31年)4月20日開業[報道 2][新聞 2]。平成の日本において最後に開業した鉄道駅となった[新聞 3]。また、2020年(令和2年)3月14日時点で日本で唯一の「ヴ」がつく駅でもある。
当駅と隣の木戸駅との間は、常磐線のいわき - 岩沼間で唯一の3 km以下の隣接駅であると同時に、初乗り150円で行くことができる区間でもある。
歴史
[編集]建設の経緯
[編集]Jヴィレッジは、東京電力の出資により広野町と楢葉町にまたがって設置された日本初のサッカー向けナショナルトレーニングセンターであったが、福島第一原子力発電所事故を受けてその収束に向けた作業のための拠点として使われていた。広野町、楢葉町ともに事故により全町避難となっていたが、広野町は2012年(平成24年)4月に、楢葉町は2015年(平成27年)9月に避難指示が解除された。避難指示解除を受けて復興を進めていくにあたり、双葉郡を象徴する施設であるJヴィレッジをサッカー用途で復旧することになり、2018年(平成30年)夏の一部使用再開、そして2019年(平成31年)の全面再開を目指して工事が進められることになった。
従来は駅から距離があるために、Jヴィレッジへはバスを利用していたが、利便性を向上させる目的でJヴィレッジ付近への駅の新設を双葉地方町村会から福島県に対して2017年(平成29年)11月に要望し、駅設置へ向けて動き出した[1]。
2017年12月22日、JR東日本、福島県、双葉地方町村会が、常磐線の新駅を設ける構想を巡り、JR東日本は設置に向けた検討に入ることを決め、要望していた地元自治体側と覚書などを交わした。2018年2月までに調査結果をまとめ、新設するかどうかを最終判断するとした。3者は調査検討に関する協定書も締結。福島県によると、具体的な場所、事業費、工期など調査結果として示される見通しとした[新聞 4]。
2018年3月28日に国土交通省東北運輸局が、仮称Jヴィレッジ駅の設置に伴う事業基本計画の変更を認可した[報道 1]。また双葉地方町村会と福島県、JR東日本が同日、駅建設に関する基本協定書を取り交わした。Jヴィレッジ周辺の地形などを調査した結果、開設可能と判断した[新聞 5]。基本協定により、駅の整備事業費約15億円を3者が3分の1ずつ負担することになり、駅前広場の整備費用は楢葉町が負担することとされた[新聞 6]。当面は、イベントなどにあわせて列車が止まる「臨時駅」として運用される予定で[2]、ダイヤは今後検討するとした[新聞 7]。
2018年5月22日に現地において起工式が行われた[新聞 8]。
同年10月11日、JR東日本は正式駅名を「Jヴィレッジ駅」に決定したことを発表した[報道 3]。同社管内でアルファベットがつく駅名は初となる[3]。
同年12月14日、JR東日本は2019年3月ダイヤ改正に関するニュースリリースの中で、開業時期が「2019年4月頃」となる見込みを公表[報道 4]、2019年(平成31年)1月23日にJヴィレッジの全面再開が同年4月20日となることが発表され、駅もこれに合わせて同日開業することが明らかになった[報道 2][新聞 1]。
2019年4月20日、8時16分着(所定8時14分着)の常磐線下り・水戸駅発富岡駅行き普通列車より営業を開始した[新聞 3]。
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建設中のJヴィレッジ駅(2018年8月)
開業記念イベント
[編集]2019年4月20日の駅開業に合わせて、各種イベントや記念品の販売が行われた[報道 5]。
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Jヴィレッジ駅開業記念ヘッドマークをつけた列車(2019年4月)
年表
[編集]- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 2019年(平成31年)
- 2020年(令和2年)3月14日:常設駅に昇格[報道 6][報道 7][新聞 11][新聞 12]。東京近郊区間に編入され、ICカード「Suica」の利用が可能となる[報道 8]。
- 2024年(令和6年)10月1日:えきねっとQチケのサービスを開始[報道 9]。
駅構造
[編集]常磐線と県道広野小高線が交差する位置の南側に駅が設けられる。常磐線は県道広野小高線と単線トンネル並列で交差しており、軌道間にスペースがあることから、ここに単式ホーム2面を設置した構造となる。なお、2面の単式ホームは南端でつながっており、上空から見るとV字型にホームが設けられる形となっている[新聞 10]。ホームは特急も停車可能な10両分(215メートル)の長さがあり、車いすでもスロープとエレベーター(11人乗り)で円滑に乗降できる[新聞 7][新聞 13][新聞 14]。駅舎やホームに強化発泡スチロールのブロック5550個を使う工法で工期を短縮し、2018年5月の着工から11か月後の2019年4月に完成した[新聞 15]。
ホーム上にはサッカー日本代表がFIFAワールドカップや五輪で優勝した際にトロフィーのレプリカを飾れる台座が設置される[新聞 10]。臨時駅時代の営業日のホームではサッカー日本代表の応援で多用される「アイーダ 凱旋行進曲」が流れていた[新聞 10]。2020年には、階段やホーム照明に、サッカー日本代表に関連するデザインの装飾がなされている[報道 10]。
いわき統括センター(いわき駅)管理の無人駅である[新聞 16]。駅舎はJヴィレッジの東側の入り口まで170メートルの、県道広野小高線に面した楢葉町側にある[新聞 17][2]。出入口に簡易Suica改札機と乗車駅証明書発行機、運行情報を伝えるディスプレイが設置されている。窓口もあるが通常時は無人でシャッターが閉まっている(多客期やイベント開催時のみ営業する)。ホームと駅舎との間の高低差は約20メートルあり[新聞 17]、エレベーターと階段、スロープにてホームと連絡する。駅前広場は約400平方メートルを予定している[新聞 6]。
のりば
[編集]開業当初は番線番号の設定が無かったが、常設化までに設定がなされた。
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | ■常磐線 | 上り | いわき・水戸・上野方面 |
2 | 下り | 原ノ町・仙台方面 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
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ホーム(2022年4月)
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優勝トロフィー台座(2019年4月)
隣の駅
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “福島 Jヴィレッジ付近に新駅構想、その目的は? 原発事故からの復旧受けJR常磐線に”. 乗りものニュース (2017年11月22日). 2018年5月22日閲覧。
- ^ a b “Jヴィレッジ近くの新駅起工式”. NHK (2018年5月22日). 2018年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月23日閲覧。
- ^ “常磐線新駅は「Jヴィレッジ駅」=福島”. 時事ドットコム (2018年10月11日). 2018年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月19日閲覧。
報道発表資料
[編集]- ^ a b c d 『常磐線(仮称)Jヴィレッジ駅の設置を認可しました。〜Jヴィレッジの再開に合わせて開業予定〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北運輸局、2018年3月28日。オリジナルの2018年4月1日時点におけるアーカイブ 。2020年3月16日閲覧。
- ^ a b c 『「ナショナルトレーニングセンターJヴィレッジ」の全面再開に合わせて 常磐線「Jヴィレッジ駅」が新駅として開業します!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道水戸支社、2019年1月23日。オリジナルの2020年6月7日時点におけるアーカイブ 。2020年6月7日閲覧。
- ^ a b 『常磐線「広野・木戸間新駅」の駅名決定について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道水戸支社、2018年10月11日。オリジナルの2019年4月21日時点におけるアーカイブ 。2020年3月16日閲覧。
- ^ 『2019年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道株式会社、2018年12月14日 。2019年4月20日閲覧。
- ^ 『J ヴィレッジ駅開業に伴うイベントの開催及び臨時列車の運転について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道水戸支社、2019年4月11日。オリジナルの2019年4月13日時点におけるアーカイブ 。2019年4月17日閲覧。
- ^ 『2020年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2019年12月13日、7頁。オリジナルの2019年12月13日時点におけるアーカイブ 。2019年12月13日閲覧。
- ^ 『2020年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道水戸支社、2019年12月13日。オリジナルの2019年12月14日時点におけるアーカイブ 。2019年12月14日閲覧。
- ^ 『常磐線(富岡駅~浪江駅間)の運転再開について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年1月17日。オリジナルの2020年1月17日時点におけるアーカイブ 。2020年1月17日閲覧。
- ^ 『Suicaエリア外もチケットレスで! 東北エリアから「えきねっとQチケ」がはじまります』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2024年7月11日。オリジナルの2024年7月11日時点におけるアーカイブ 。2024年8月1日閲覧。
- ^ 『常磐線末続駅、Jヴィレッジ駅における地域活性化に向けた取組み』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道水戸支社、2020年10月23日。オリジナルの2020年10月23日時点におけるアーカイブ 。2020年10月23日閲覧。
新聞記事
[編集]- ^ a b “Jヴィレッジ4月20日再開 福島、最寄り新駅も開業”. 産経ニュース. (2019年1月23日). オリジナルの2019年1月23日時点におけるアーカイブ。 2019年1月23日閲覧。
- ^ a b “Jヴィレッジまで徒歩2分、「玄関口」新駅開業”. 読売新聞. (2019年4月20日). オリジナルの2019年4月20日時点におけるアーカイブ。 2019年4月20日閲覧。
- ^ a b c “Jヴィレッジ駅開業 記者が見た“平成最後の新駅””. 日刊スポーツ. (2019年4月20日) 2019年4月20日閲覧。
- ^ a b “<Jヴィレッジ>新駅検討へ JR東、地元自治体と覚書”. 河北新報社 (2017年12月23日). 2018年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月23日閲覧。
- ^ a b “28日協定、開設決定 Jヴィレッジ近くの常磐線新駅”. 福島民報. (2018年3月24日). オリジナルの2108年3月28日時点におけるアーカイブ。 2018年10月20日閲覧。
- ^ a b c “来年4月供用開始 Jヴィレッジ近くに開設の新駅”. 福島民報. (2018年3月29日). オリジナルの2018年3月29日時点におけるアーカイブ。 2018年10月20日閲覧。
- ^ a b “Jヴィレッジに臨時駅=来年4月開業-福島”. 時事通信社. (2018年3月28日). オリジナルの2018年3月28日時点におけるアーカイブ。 2018年10月20日閲覧。
- ^ a b “「Jヴィレッジ駅」着工 常磐線に来年4月オープン”. 産経ニュース (2018年5月22日). 2018年5月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “<Jヴィレッジ再開>復興加速へ常磐線新駅を 双葉町村会と福島県、JRと協議へ”. 河北新報社 (2017年11月10日). 2018年5月23日閲覧。
- ^ a b c d “Jヴィレッジ駅事前公開 JR常磐線の新駅、20日開業”. 福島民友新聞. (2019年4月18日). オリジナルの2019年4月18日時点におけるアーカイブ。 2019年4月20日閲覧。
- ^ “「Jヴィレッジ駅」3月14日から常設化 利便性向上へ期待の声”. 福島民友新聞. (2019年12月14日). オリジナルの2019年12月14日時点におけるアーカイブ。 2019年12月14日閲覧。
- ^ “「常磐線」9年ぶり全線再開 首都圏と仙台結ぶ特急列車も運行”. 福島民友新聞. (2020年3月15日). オリジナルの2020年3月15日時点におけるアーカイブ。 2022年3月19日閲覧。
- ^ “JR東日本/Jヴィレッジに常磐線新駅設置へ/福島県らと基本協定締結”. 日刊建設工業新聞社. (2018年3月29日) 2018年5月23日閲覧。
- ^ “来年4月に新駅 Jヴィレッジの全面再開に合わせ /福島”. 毎日新聞社. (2018年3月29日) 2018年5月23日閲覧。
- ^ “<Jヴィレッジ駅>20日開業「福島復興の起爆剤に」”. 河北新報新聞社. (2019年4月18日). オリジナルの2019年4月17日時点におけるアーカイブ。 2019年4月18日閲覧。
- ^ “Jヴィレッジ近くに JR常磐線新駅起工式”. 福島中央テレビ. オリジナルの2018年5月26日時点におけるアーカイブ。 2018年10月20日閲覧。
- ^ a b “<常磐線>Jヴィレッジ近くに新駅 2019年4月開業へ JR東、福島県などと協定”. 河北新報社. (2018年3月29日). オリジナルの2018年3月29日時点におけるアーカイブ。 2018年5月23日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 駅の情報(Jヴィレッジ駅):JR東日本