アイコ・アイコ
「アイコ・アイコ」 | ||||
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ディキシー・カップス の シングル | ||||
B面 | Gee Baby Gee[1](もしくはI'm Gonna Get You Yet[2]) | |||
リリース | ||||
規格 | シングル | |||
録音 | ||||
ジャンル | R&B | |||
時間 | ||||
レーベル | Red Bird RB 10-024 | |||
作詞・作曲 | R. Hawkins, B. Hawkins, J. Johnson | |||
プロデュース | ジョー・ジョーンズ | |||
ディキシー・カップス シングル 年表 | ||||
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「アイコ・アイコ」(Iko Iko)は、アメリカ合衆国・ニューオーリンズを発祥とする楽曲。
ニューオーリンズのマルディグラ・インディアンを題材にしたもので、マルディグラ(謝肉祭の最終日)にインディアンの扮装をしたグループ同士がぶつかり合う様子が歌われている[5][6]。
1965年にディキシー・カップスによって歌われ有名になった。
概要
[編集]「ジョック・ア・モ」 | ||||||||
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シュガー・ボーイ・アンド・ヒズ・ケイン・カッターズ の シングル | ||||||||
B面 | You, You, You | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | シングル | |||||||
録音 | 1953年11月 | |||||||
ジャンル | R&B | |||||||
レーベル | Checker 787 | |||||||
作詞・作曲 | Crawford | |||||||
シュガー・ボーイ・アンド・ヒズ・ケイン・カッターズ シングル 年表 | ||||||||
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シュガー・ボーイ・クロフォードのバージョン
[編集]ジェイムズ・"シュガー・ボーイ"・クロフォードが1954年にチェッカー・レコードより「Jock-A-Mo」としてシングル・リリースしたものがオリジナルとされている。
クロフォードは、古いマルディグラ・インディアンのチャントを引用してコーラス部分の歌詞を書き上げた。その歌詞が何を意味しているのか彼は知らなかったという[8]。
クロフォードのバージョンは1953年11月、ニューオーリンズのJ&Mスタジオでレコーディングされた[8]。シュガー・ボーイのバンド、シャウィーズに加え、セッション・ベーシストのフランク・フィールズとスヌークス・イーグリン(ギター)がレコーディングに参加している[9]。レコードの名義は「シュガー・ボーイ・アンド・ヒズ・ケイン・カッターズ」だったが、シャウィーズの名前を使わなかったのは、彼らのアラディン・レコードとの契約がまだ残っていたからだった[10]。
クロフォードは実際には「チョカモ」と歌っていたが、チェス・レコードのレナード・チェスは、それを「ジョカモ」と聞き、そうタイトルを付けた[9]。
クロフォードのレコーディングのリリースからさかのぼること6年、1948年にダニー・バーカーが「Chocko Mo Feendo Hey」と題した楽曲をシングル・リリースしており[11]これが、「Jock-A-Mo」の原曲と言われている[12]。
ディキシー・カップスのバージョン
[編集]1964年、ディキシー・カップスはジェリー・リーバーとマイク・ストーラーのレッド・バード・レコードのセッションのためにニューヨークのスタジオに入り、レコーディングをしていた。「愛のチャペル」のレコーディングを終え、休憩時間に彼女たちは、母親から教わったという古いマルディグラ・インディアンのチャントをドラムスティックや灰皿でリズムを取りながら歌い出した。彼女たちは遊びのつもりだったが、テープは回っており、リーバーとストーラーはレコーディングされたものに、後ほどベースとパーカッションを加え、「Iko Iko」のタイトルでシングル・リリースした。これがトップ40に入るヒットとなった[6]。
ディキシー・カップスのメンバーはレコーディングされた時点で、「Iko Iko」の原曲については知らなかったため、ソングライターのクレジットには彼女たち3人の名前が記載された。しかしながらクロフォードはこれが自身の「Jock-A-Mo」の盗作であると訴訟を起こし、1967年に成立した和解ではクロフォードはソングライターとしてのクレジットを勝ち取ることはできなかったものの、米国の公共の場で行なわれた「Iko Iko」の演奏で発生したロイヤルティの25%を受け取ると定められた[6]。
ドクター・ジョンのバージョン
[編集]ドクター・ジョンは、1972年のアルバム『ガンボ』でこの曲を取り上げた。シングル・カットもされ、ビルボード・チャートで71位の小ヒットを記録している[13]。彼のバージョンはセカンド・ライン・リズムが強調されたアレンジとなっており、ニューオーリンズ音楽のスタンダートとしての存在を決定づけるバージョンとなってる[14]。彼はこの曲を2008年ニューオーリンズ開催のNBAオールスター・ゲームの際に演奏するなど、度々演奏をしている[8]。
その他主なカバー・バージョン
[編集]この曲は、このほかにも現在まで多くのアーティストによってカバーされている。第61回アカデミー賞で作品・監督・主演・脚本賞を受賞した1988年の映画『レインマン』のオープニングで使われたベル・スターズの歌ったバージョン、またマルディグラ・インディアンのグループによるものとしては、ワイルド・マグノリアスのバージョンがよく知られている。
シンディ・ローパーが2枚目のアルバム『トゥルー・カラーズ』でカバーしている。
パプアニューギニア出身のレゲエ歌手ジャスティン・ウェリントンがソロモン諸島出身のレゲエ・デュオ「スモール・・ジャム」とともに2017年にリリースしたカバー曲「Iko Iko (My Bestie)」は、TikTokを通じてヨーロッパ中で人気となり、フランスではiTunesの1位となった[15]。
年 | アーティスト名 | 収録アルバム |
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1970年 | ウォーレン・ジヴォン | 『Wanted Dead or Alive』 |
1972年 | ジョン・ボルドリー | 『Everything Stops for Tea』 |
1974年 | ラリー・ウィリアムズ | 『Unreleased Larry Williams』 |
1982年 | ベル・シスターズ | ※シングル・リリース |
1983年 | ピア・ザドラ | ※シングル・リリース |
1986年 | シンディ・ローパー | 『True Colors』 |
1989年 | リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンド | 『Ringo Starr & His All-Starr Band』 |
1994年 | バックウィート・ザディコ | 『Choo Choo Boogaloo』 |
1997年 | グレイトフル・デッド | 『Dick's Picks, Vol. Nine』 |
CMでの使用
[編集]日本では、ホンダ・ステップワゴン(3代目前期型。2005年-2007年)のテレビCMに使用されていた。このバージョンはCM用オリジナル録音であり、アーティスト名は公開されていないが、雰囲気はディキシー・カップスに近いものとなっている[17]。
出典
[編集]- ^ a b “Record Details The Dixie Cups”. 45cat. 2025年2月3日閲覧。
- ^ “Record Details The Dixie Cups”. 45cat. 2025年2月3日閲覧。
- ^ “The Dixie Cups Biography”. last.fm. 2025年2月1日閲覧。
- ^ The Dixie Cups - The Complete Red Bird Recordings (Varese Sarabande 302 066 375 2) CDライナーノーツ、著者:Bill Dahl, 2022年リリース
- ^ “Jock-A-Mo, James “Sugar Boy” Crawford, Track 3 on The Chess Story, 1947–1956”. Genius. 2025年2月3日閲覧。
- ^ a b c Lydia Hutchinson (2018年2月13日). “The Story Behind “Mardi Gras Mambo” and “Iko Iko””. Preforming Songwriters Be Heard. 2025年2月3日閲覧。
- ^ “James "Sugar Boy" Crawford - Discography”. 45cat. 2025年2月3日閲覧。
- ^ a b c “James 'Sugar Boy' Crawford, New Orleans rhythm & blues singer of 'Jock-A-Mo,' dies at 77”. NOLA.com (2012年9月15日). 2025年2月3日閲覧。
- ^ a b “SUGAR BOY FROM SUGAR TOWN”. Home of the Groove (2012年12月15日). 2025年2月3日閲覧。
- ^ “BackTalk with James "Sugar Boy" Crawford”. Offbeat.com (2002年2月1日). 2009年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月3日閲覧。
- ^ “Danny Barker And His Creole Cats – Chocko Mo Feendo Hey / My Indian Red”. Discogs. 2025年2月3日閲覧。
- ^ “CHOCKO MO FEENDO HEY”. The Originals© by Arnold Rypens (2002年2月10日). 2025年2月3日閲覧。
- ^ “Iko Iko-Dr. John”. Billboard Database. 2025年2月3日閲覧。
- ^ “Iko Iko-The Definitive New Orleans Anthem”. Mark Sowlakis (2024年5月1日). 2025年2月3日閲覧。
- ^ “"Iko Iko" : le tube phénomène de Justin Wellington fait danser TikTok et la France” (フランス語). Pure Charts (Charts in France). (2021年5月11日) 2021年7月12日閲覧。
- ^ Second Hand Songs: Iko Iko
- ^ “ホンダ「ステップワゴン」のCM曲は?”. CD Journal (2005年8月8日). 2025年2月1日閲覧。