BJ212
BJ212(中国語: 北京212)は、中国の北京汽車が1965年から1987年に製造していた軍用車両で、中国人民解放軍が使用している1/2トンクラスの四輪駆動車である。1989年に中国における車両形式名基準が変更となったことで[1]、呼称がBJ2020となった。他国の軍への輸出が行われたほか、民間向けにも販売されている。
なお、本項目では、まったく別の車種ではあるが同じ北京汽車で製造され、後継車ともみなされている、BJ2023/BJ2030/BJ2032についても合わせて記述する。
概要
[編集]BJ212は、ランドローバーやジープに着想を得た軍用四輪駆動車で、実質的には設計デザインの大半においてソビエト連邦のUAZ製自動車、特にUAZ-469をその基礎としている。北京汽車では1961年にソ連製エンジンGAZ M-21(GAZ-21のエンジン)をコピーした排気量2,445ccの直列4気筒ガソリンエンジンDongfanghong BJ760[2]を用いたスポーツ・ユーティリティ・ビークルのBJ210を開発しており、BJ212にもこれと同じエンジンが用いられた。BJ212の生産は1987年に終了した。
BJ212は設計が古いため、中国人民解放軍からは2008年以降退役しつつあり、段階的に後継車種であるBJ2022に交代している。
バリエーション
[編集]- BJ2020 SJ 特別仕様車
- 5シート仕様の指揮車。
主な採用国
[編集]主要諸元
[編集]- エンジン - 2,445cc直列4気筒ガソリン
- 最高出力 - 85hp
- ミッション - 4速マニュアル・シフト
- 定員 - 1+4名、1+7名(Sa-j)
- 駆動方式 - 4WD
- 全長 - 3.86m, 4.00m(Sa-j)
- 全幅 - 2.30m
- 全高 - 1.81m
- 重量 - 2,006kg
- ホイールベース - 1.81m, 1.97m(Sa-j)
- 最高速度 - 100km
BJ2023/BJ2030/BJ2032
[編集]BJ2023、BJ2030、BJ2032は、1985年に北京汽車がアメリカン・モーターズと合弁で設立した北京ジープ(北京吉普汽車)において、ジープ CJ-8およびその後継車種であるジープ・ラングラーをベースとして設計・開発・製造を行ったスポーツ・ユーティリティ・ビークルである。これらはBJ212のフルモデルチェンジとして扱われる場合もある。ディーゼルエンジンがラインナップに加わり、また、ガソリンエンジンには三菱自動車工業製の4G20が用いられた(後に4G20B、4G22Bへと改良される)[3]。
民間向け販売においては、Zhanqi、Jinxuanfeng、Lieying、City Cruiser、Kuangchao、Ludiなどの車名が付された[4]。
ギャラリー
[編集]-
BJ212
-
Zhanqi BJ2023
-
Zhanqi BJ2023
-
BJ2024 Z2Q1F1 ハードトップ
-
BJ2032 SAQ 4ドア HT ピックアップ
登場作品
[編集]映画・テレビドラマ
[編集]ゲーム
[編集]- 『マーセナリーズ』
- 中国軍が使用する偵察車両としてPKM 7.62mm機関銃を搭載した車両が「BJ2020 SCOUT」の名称で登場する。
- 『マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス』
- PlayStation 2版に登場。アジアン軍(中国人民解放軍)の軍用車両。
- 機関銃搭載車のほかにミサイル付きの車両も存在する。
ドキュメンタリー
[編集]- 『NHK特集 シルクロード』
- 第1シリーズ『絲綢之路』に中国人民解放軍のBJ212が一貫して登場。毎回、数台のBJ212が日本側取材班の日産・パトロールに随伴する。第12回「民族の十字路」では、パミール高原を越えてカシュガル市を訪れたパキスタンのトラック隊を、消防車型など複数のBJ212が先導する。
脚注
[編集]- ^ World of Cars 2006·2007. Warsaw, Poland: Media Connection Sp. z o.o.. (2006). p. 225
- ^ http://porshen.info/voennaya-texnika-avtomobili/1178-pekinskij-dzhip-bj212-beijing-jeep-bj212.html
- ^ de:BAW Zhanqi
- ^ World of Cars 2006·2007, p. 226