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猪臥山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
猪臥山
南南西のめいほうスキー場から望む猪臥山
標高 1518.84[注釈 1][1] m
所在地 岐阜県飛騨市高山市
位置 北緯36度11分24秒 東経137度6分45秒 / 北緯36.19000度 東経137.11250度 / 36.19000; 137.11250座標: 北緯36度11分24秒 東経137度6分45秒 / 北緯36.19000度 東経137.11250度 / 36.19000; 137.11250
山系 飛騨高地
猪臥山の位置(日本内)
猪臥山
猪臥山 (日本)
猪臥山の位置(岐阜県内)
猪臥山
猪臥山 (岐阜県)
プロジェクト 山
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猪臥山(いぶしやま[2][3][4]、いのぶせやま[2][3][4][5]、いぶせやま[2][3][4][5][6]、いのふせやま[3])は、岐阜県飛騨市高山市[注釈 2] にまたがる飛騨高地標高1,518.8 m[7]

概要

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山名の由来は、山容がイノシシを伏せた姿に似ていることと、昔からシカとイノシシが多く棲息し、山麓の集落でイノシシの被害が甚しかったことによる[5]。山域の南側の小鳥峠一帯は湿原として知られていて[5]、『小鳥峠ミズバショウを含む湿原植物群』が高山市の天然記念物の指定を受けていて、ミズバショウとザゼンソウなどが自生している[8]。北西山腹付近に小鳥山牧場がある[7]ぎふ百山の一つに選定されていて[9]、日帰り登山の対象となる山である[2][3][4][6]。この山の北にある尾崎山との間にある小鳥(おどり)峠から山頂直下北側を巻く猪臥林道が通る[2]。山頂直下の林道沿いに駐車場トイレがあり、林道脇の鳥居の先の北尾根の頂上に山ノ神を祀る神社があり、そこから約80 m西に山頂があり、三角点[1]と山頂からの展望図が設置されている[2][4][6]2002年平成14年)7月に岐阜県道90号古川清見線猪臥山トンネル開通後に、その南口付近から、南南西の尾根(彦谷ルート)、彦谷の林道からの南尾根(中ルート)、南南東尾根(立渡ルート)の登山道が開設されている[3][4][10]。3-4月の残雪期に雪山ハイキングが行われることもある[3]。なだらかな山容で積雪量が多く、山スキーが行われることもある[2]。南南東の尾根上には日本電信電話の無線中継所の電波塔が設置されていて、林道が通じている[2][4]。南山麓には飛騨高山彦谷の里キャンプ場と高山市有用広葉樹モデル整備林がある[11]。山域にはカラマツ植林地があり、ブナミズナラハウチワカエデなどの二次林がある[4]。山域の南側の林道沿線に樹齢800年のミズナラの巨樹がある[4]

地理

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飛騨高地の中央付近の東側に位置する[7]古川国府盆地の西に位置し[2]、盆地を囲む最も標高の高い山[6]高山盆地の北西に位置する[7]

周辺の山

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周辺の主な山を下表に示す[7]

山容 山名 標高(m)
[注釈 3][1]
三角点等級
基準点名[1]
猪臥山からの
方角距離(km)
備考
猪臥山から望む金剛堂山(2019年4月16日撮影) 金剛堂山 1,650 北北西 21.7 日本二百名山
猪臥山から望む猿ヶ馬場山(2019年4月16日撮影) 猿ヶ馬場山 1,875 西北西 15.8 日本三百名山
ぎふ百山
位山から望む猪臥山(2018年2月27日撮影) 猪臥山 1,518.84 二等
「池本山」
0 ぎふ百山
川上山から望む位山(2018年3月31日撮影) 位山 1,528.87 三等
「位山」
南南東 18.5 日本二百名山
ぎふ百山
猪臥山から望む鷲ヶ岳(2019年4月16日撮影) 鷲ヶ岳 1,671.49 三等
「鷲ヶ岳」
南南西 30.5 日本三百名山
ぎふ百山
猪臥山から望む乗鞍岳(2021年3月11日撮影) 乗鞍岳 3,025.73 一等
「乗鞍岳」
東南東 40.8 日本百名山
ぎふ百山
東側の飛騨山脈西穂高岳から望む猪臥山の周辺の山
中央手前の山上に新穂高ロープウェイの西穂高口駅、その右奥の山麓に蒲田川、右手前に大木場ノ辻と錫杖岳、左端に阿寺山地の御前山、中央付近に高山盆地、その奥に飛騨高地、左から川上岳位山鷲ヶ岳猪臥山猿ヶ馬場山、遠景の最奥に両白山地、左から大日ヶ岳別山白山笈ヶ岳大笠山

周辺の峠

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周辺の主なを以下に示す[7]

  • 小鳥峠 - 北側の尾崎山(標高1,367.6 m)との鞍部、標高1,119 m、山頂の北北西1.9 kmに位置する。旧県道(古川清見線)で[12]、飛騨市古川町と同市河合町の小鳥川流域を結ぶ交通路となっている[6]
  • 小鳥峠 - 南側の漆洞山(標高1,320.6 m)の南側にあり、国道158号国道472号との供用区間)が横断する。標高約1,000 m、山頂の南5.3 kmに位置する。

源流の河川

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籾糠山から望む猪臥山、左手前に下小鳥ダム、左遠景は乗鞍岳

以下の宮川(神通川の岐阜県の上流域)の支流源流となる山で、日本海側富山湾へ流れる[7]。神通川水系小鳥川の下小鳥ダムの南東10.2 kmに位置する[7]。北東山麓にある道の駅飛騨古川いぶしの裏手にある湧水は、いぶし銀命水と呼ばれている[13]。山域の東側の宇津江川の上部に宇津江四十八滝があり、岐阜県の名勝の指定を受けている[14]

  • 殿川とその支流の畦畑川
  • ソウツイ谷、彦谷 - 小鳥川の支流
  • 牧谷川
  • 爪巣川
  • 宇津江川

交通・アクセス

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岐阜県道90号古川清見線猪臥山トンネル南口とチェーン着脱場、トンネルの総延長は4,475 mで東山腹を貫通する、岐阜県高山市清見町夏厩

山域の西側に東海北陸自動車道岐阜県道478号清見河合線が通り、南側に高山清見道路と国道158号(国道472号との供用区間)が通り、南山麓から北東山麓にかけて岐阜県道90号古川清見線(飛騨卯の花街道)が通り、山頂近くを猪臥山トンネルが貫通する[7]。その沿線の山頂から北東4.3 kmに道の駅飛騨古川いぶしがある[7]。北西山腹には林道が敷設されていて[7]、北側の小鳥峠から山頂直下の北東を猪臥林道が通る[2]舗装路であるが道は悪く、重機除雪は行わなれず、冬期閉鎖期間は例年11月中旬(降雪時)から5月末[12]

猪臥山の風景

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どっしりとした山容で、飛騨の各地から望むことができる[6]

冬季、急激に冷えた日の翌日に山へ登れば、稜線を覆い尽くす「霧氷の華」を鑑賞できる[15]

猪臥山からの眺望

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山頂からは眼下に高山市と飛騨市の街並みや雲海が見られることもあり、360の展望があり、白山富山県境の山、立山連峰穂高岳乗鞍岳などの飛騨山脈御嶽山などを望むことができる[4][6]

ウィキメディア・コモンズには、猪臥山からの眺望に関するカテゴリがあります。

脚注

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注釈

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  1. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。
  2. ^ 飛騨市に2004年2月1日に編入される前の旧吉城郡古川町と高山市に2005年2月1日に編入される前の大野郡清見村にまたがっていた山である。
  3. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。
  4. ^ 猪臥山の山頂からは笠ヶ岳の右側の稜線越しに槍ヶ岳の山頂部がわずかに見える。

出典

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  1. ^ a b c d 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2022年12月13日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j 島田 (1999)、64-65頁
  3. ^ a b c d e f g 飛騨山岳会 (2010)、100-101頁
  4. ^ a b c d e f g h i j 島田 (2017)、68-69頁
  5. ^ a b c d e 徳久 (1992)、49頁
  6. ^ a b c d e f g 日本山岳会 (2005)、1111-1112頁
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m 地理院地図(電子国土Web)・「猪臥山」”. 国土地理院. 2022年12月13日閲覧。
  8. ^ 小鳥峠の水芭蕉”. 飛騨・高山観光コンベンション協会. 2022年12月14日閲覧。
  9. ^ 岐阜県山岳連盟 (1987)
  10. ^ 猪臥山(いぶせやま)登山道”. 飛騨高山 彦谷の里. 2022年12月14日閲覧。
  11. ^ 飛騨高山 彦谷の里”. 飛騨高山 彦谷の里. 2022年12月14日閲覧。
  12. ^ a b よくある質問(猪臥山登山について)”. 飛騨市 (2017年12月15日). 2022年12月14日閲覧。
  13. ^ 道の駅 飛騨古川いぶし”. 飛騨市役所まちづくり観光課. 2022年12月15日閲覧。
  14. ^ 宇津江四十八滝”. 岐阜県 (2015年10月15日). 2022年12月15日閲覧。
  15. ^ 山頂は360度の絶景!飛騨高山・冬の「猪臥山」は美しすぎる霧氷の山”. ORICON NEWS (2020年2月7日). 2024年6月27日閲覧。
  16. ^ カシミール3D”. SUGIMOTO Tomohiko.. 2022年12月15日閲覧。

参考文献

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  • 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474 
  • 島田靖、石際淳、原弘展『岐阜県の山』山と溪谷社〈分県登山ガイド〉、2017年10月5日。ISBN 978-4635020503 
  • 島田靖、堀井啓介、木下喜代男『岐阜県の山』山と溪谷社〈分県登山ガイド〉、1998年1月10日。ISBN 4635021807 
  • 徳久球雄 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 
  • 飛騨山岳会『飛騨の山』ナカニシヤ出版、2010年11月。ISBN 9784398757838 

関連項目

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外部リンク

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