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福江島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
父ヶ岳から転送)
福江島
福江火山群の鬼岳(おにだけ)火砕丘。福江島のシンボル的存在である。
所在地 日本の旗 日本長崎県五島市
所在海域 五島灘
所属諸島 五島列島
座標 (五島市役所)
北緯32度41分43.8秒 東経128度50分26.9秒 / 北緯32.695500度 東経128.840806度 / 32.695500; 128.840806座標: 北緯32度41分43.8秒 東経128度50分26.9秒 / 北緯32.695500度 東経128.840806度 / 32.695500; 128.840806
面積 326.43 km²
海岸線長 322.1 km
最高標高 (父ヶ岳)461 m
プロジェクト 地形
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福江島北西部(三井楽)の溶岩台地に広がる、五島列島特有の円畑(まるはた)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

福江島(ふくえじま)は、長崎県西方沖の五島列島を構成する島の一つ。行政区分は長崎県五島市に属する。南に離れた男女群島を除けば五島列島の南西端に位置する。島の面積326.43km2は五島列島最大、日本国内では11番目の面積を持っている[1]

2021年12月現在では、人口33,008人となっている[2]

自然

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地理・地形

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南西部の玉之浦や東部の岐宿、福江はリアス式海岸で、複雑な海岸線をもつ。西側の外洋(東シナ海)に面した地域では海食崖がよく発達する。湾は富江湾、玉之浦湾、岐宿湾、半島は富江半島、三井楽半島などがある。また、島の各所に砂浜があり、海水浴場として利用されている。

福江島の地形図

島の中央部には花崗岩沖積層成層)からなる山内盆地があり、その周囲を新第三紀層の五島層群や流紋岩などで形成された標高200-400m台の山地が囲まれている。最高峰は西部にある標高461mの父ヶ岳(ててがたけ)である。海岸に近い福江や富江、三井楽、岐宿にはそれぞれ玄武岩質の火山と溶岩台地が広がっている。これらの山には、福江川一の川浦ノ川鰐川大川原川中須川などの川によって谷が刻まれる。

周囲には、北東に久賀島、東には多々良島、屋根尾島、蠑螺島、東の沖には椛島やツブラ島、南に赤島黄島黒島、西に島山島嵯峨ノ島、北西に姫島など多くの島がある。

気候と生物相

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対馬海流の影響もあり、温暖多雨の亜熱帯海洋性気候である。

植物ではクワズイモショウベンノキなどの自生北限である他、九州本土では珍しいサキシマフヨウハマジンチョウの自生地もある。動物では、タカの一種ハチクマの渡りの中継地として知られる他、昆虫類では他地域から隔絶しているため固有亜種となっているものもいる。

ただし温暖な気候が災いしてタイワンリスが外来種として侵入し、問題にもなっている。また、玉之浦の島山島に生息していたキュウシュウジカ(ニホンジカ)も橋を渡って福江島に侵入し、分布を広げている[3][4][5]太平洋戦争前に絶滅したとされていたイノシシが2009年から目撃されるようになった。久賀島や中通島から泳いで渡ってきた可能性があり、駆除が行われている[6]

交通

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島の南東部には福江港があり、長崎市や五島列島各島を繋ぐ海上交通の中心地となっている。長崎港からはジェットフォイルで約85分、フェリーで約3時間30分。博多港からのフェリー航路もある(約9時間)。また福江の南西に福江空港が位置し、長崎空港福岡空港から空路を利用することができる。夏期には関西国際空港からの直行便を利用することもできる。

島内では五島自動車(五島バス)により路線バス定期観光バスが運行されている。

観光

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城郭

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石田城正門と内堀

寺社

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教会

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堂崎天主堂

福江島には以下に示す主な教会を含め、14か所のカトリック教会が存在する。福江島では、列聖調査中のドミンゴス中村長八神父が生まれ育ち、カトリック司祭の召命を受けたという。

中国との交易関連

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明人堂[7]
六角井

福江島は、かつて中国との航海の際の寄港地となっていて、特に五島列島から東シナ海を横断して中国大陸へ渡航する遣唐使船が最後に碇泊する島であった。

自然の名所

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五島列島 鐙瀬海岸の日出
  • 福江火山群 - 活火山に指定されている。有史以来、記録に残る火山活動はない。最新の活動は2,000~3,000年前。
    • 鬼岳火山群 - 福江火山群の一部、島の南東部にある玄武岩質の火山群。鬼岳(315m)・火岳・城岳・箕岳・臼岳が属する。福江島の代表的な山で、市街地に近いこともあり親しまれている。山頂付近は芝生に覆われ、火山噴出物ペレーの涙も産出する。
  • 大瀬崎断崖 - 福江島最西端の断崖。日本の夕陽百選に選ばれた。大瀬埼灯台「白亜の灯台」は日本一明るい灯台で、日本の灯台50選にも選ばれている。
  • 鐙瀬(あぶんぜ)熔岩海岸 - 鬼岳が噴火して溶岩が海に流れ込んだもの。 鐙瀬ビシターセンターがある。
  • ドンドン渕 - 五島列島で最大の滝。

温泉

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  • 鬼岳温泉 - 総合レジャー施設「五島コンカナ王国」内にある。湯は鉄分を含むため茶色である。
  • 富江温泉 - プールやトレーニングルームが併設している。
  • 荒川温泉

海水浴場

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白い貝殻砂の砂浜が多く、水質も良い。ヤングマガジン27号における沢口愛華のグラビア撮影場所にも採用された[8]

旧福江市
  • 六方(むかた)海水浴場[9]
  • 香珠子(こうじゅし)海水浴場 - 天然塩工房窯、五島椿物産館などが隣接[10]
  • 大浜海水浴場 - マリンスポーツが盛ん。
富江町
  • 多郎島海水浴場 - 「さんさん富江キャンプ村」に隣接している人工海浜。
岐宿町
  • 浜田海水浴場 - 魚津ヶ崎キャンプ場近在[9]
三井楽町
  • 白良ヶ浜(しららがはま)海水浴場
  • 頓泊(とんとまり)海水浴場 - 高浜と同じ入り江の南隣にある遠浅の砂浜。潮が引くと数百mにわたって平坦な砂浜が広がる。下記高浜と共に福江島の代表的海浜[11]
  • 高浜海水浴場 - 頓泊より傾斜が高く、草地に連続している。日本の渚100選快水浴場100選に選出[10]
玉之浦町
  • 小浦海水浴場 - 玉之浦湾内に所在、カヌー体験が可能[9]熱帯魚などを放流している。人工海浜。

出身・ゆかりのある人物

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出身
ゆかりのある人物

脚注

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  1. ^ 国立天文台(編) 平成19年 理科年表 p.565 ISBN 4621077635
  2. ^ ながさきのしま|長崎のしま紹介【五島】|五島のプロフィール
  3. ^ 『角川日本地名大辞典 42 長崎県』1987年 ISBN 9784040014203
  4. ^ 財団法人日本離島センター編『日本の島ガイド SHIMADAS』ISBN 4931230229
  5. ^ 鎌田泰彦・中西弘樹・浦田明夫・谷口秀樹・東幹夫・池崎善博, 2001. 長崎県環境部自然環境課編『ながさきの希少な野生動植物』
  6. ^ 【センサー】イノシシ新捕物帳/長崎・五島、センサー監視網/出没検知→わな 駆除4倍『日本経済新聞』朝刊2018年4月30日(社会面)2018年5月23日閲覧。
  7. ^ 2015年8月現在、屋根破損のため堂内立入禁止。
  8. ^ 同誌巻頭グラビアおよびエキサイトニュース[1]による。(二次資料はエキサイトニュース、一時資料はヤンマガ)
  9. ^ a b c 五島市観光協会 2016, p. 15.
  10. ^ a b 五島市観光協会 2016, p. 13.
  11. ^ 五島市観光協会 2016, p. 14.

参考文献

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関連項目

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