ごうしいも
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(源平芋から転送)
ごうしいもは徳島県三好市祖谷地域で栽培されている小芋[1][2]。祖谷以外の地域で栽培すると大きく育つと言われる[1]。ごうしも、おくいも、ほどいも、ごうしゅいもとも呼ばれる[3][4]。
概要
[編集]ジャガイモの在来種の一種であり[5][6][4]、大きさは平均して鶏卵並みであり、小さなものはムカゴくらいである[3]。
小ぶりで身がしまっていて煮崩れしにくい[5][4]。塊茎の皮の色によって、赤いも、白いもとがある[5][4][3]。また、赤いもは紫色の花、白いもは白色の花を咲かす[3]。
JA阿波みよしでは、赤いもを平家、白いもを源氏に見立てて「源平いも」の名称でブランド化を行うと共に販売を行っている[3][4]。JA阿波みよしでは2001年に「源平(げんぺー)」の商標登録を行っている(登録番号第4491570号)[4]。
栽培
[編集]段々畑のように傾斜地に水平面を設けず、傾斜地のまま農耕を行う傾斜地農耕の代表的な作物の1つである[7]。
3月から4月に種芋を植付け、5月下旬から6月上旬に開花し、8月から9月が収穫期となる[3][4]。
JA阿波みよしのデータでは、1998年度には管内で21トンが生産されていたが、生産者の高齢化、そうか病などの病害虫のため生産量は減少し、2014年度は3.7トンとなっている[4]。
料理の例
[編集]- でこまわし[5][4]
- 祖谷地域の伝統食材である岩豆腐(石豆腐)、コンニャクと共に串に刺して味噌を塗り、囲炉裏の周囲で焼いた料理。
- 味噌炒め[4]
- 茹でたごうしいもに甘辛く炒めた味噌をからめる。
- うちちがえ雑煮[8]
- 雑煮の一種だが、ごうしいもやヤツガシラ(里芋)と岩豆腐を具にし、餅は入れない。
名称について
[編集]「ごうしいも」の名称自体は馬鈴薯を指す語として、北海道、秋田、長野などでも用いられている[9]。
出典
[編集]- ^ a b 「秘境めしスーパーの女将と揚げと岩豆腐」『旅の手帖』22.11月号、交通新聞社、2022年、103頁。
- ^ 「山地の人々のくらし 高地の人々のくらし」『小教ワーク東京書籍版社会 5年』2011年、20頁。ISBN 978-4581018593。
- ^ a b c d e f “うまいぞ!地の野菜(41)徳島県現地ルポおもしろ野菜発見「源平いも」”. 日本食糧新聞 (2002年6月3日). 2023年5月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 高木和彦, 兼田朋子. “地域農産物資源「ゴウシュイモ」の生産の現状と課題” (PDF). AgriKnowledgeシステム. 2023年5月28日閲覧。
- ^ a b c d 汲玉「でこまわし」『おいもで楽々レシピ』笠倉出版社、2014年、54頁。ISBN 978-4773054699。
- ^ “徳島県東祖谷(ひがしいや)のくらし ~山地の農業~”. NHK for School. 2023年5月28日閲覧。
- ^ “にし阿波の傾斜地農耕システム” (PDF). 農林水産省. 2023年5月28日閲覧。
- ^ “正月の祝い膳 餅なし文化でもてなす 主役を飾る身近な食材”. 日本農業新聞 (2021年12月24日). 2023年5月28日閲覧。
- ^ 本間伸夫, 立山千草. “戦前のイモ類は多彩な名称を数多く持っていた” (PDF). 新潟県立大学. 2023年5月28日閲覧。