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流転の地球 -太陽系脱出計画-

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
流浪地球2から転送)
流転の地球 -太陽系脱出計画-
監督 郭 帆(グオ・ファン)中国語版
脚本 王紅衛中国語版(脚本指導)
楊治学
龔格爾
郭 帆
葉濡暢
原作 劉慈欣(リウ・ツーシン)
流浪地球』(角川文庫刊)
製作 龔格爾中国語版
呉 羨
製作総指揮 傅若清中国語版
出演者 呉 京(ウー・ジン)
劉徳華(アンディ・ラウ)
李雪健(リー・シュエチェン)
沙 溢(シャー・イー)
寧 理(ニン・リー)中国語版
王 智(ワン・ジー)中国語版
朱顔曼滋(シュ・ヤンマンツー)中国語版
Andy Friend
王若熹
Vitalli Makarychev
張 衣
Kawawa Kadichi
音楽 阿 鯤中国語版
主題歌 「我在」劉歓
「細水長流」アンディ・ラウ、呉京
撮影 劉 寅中国語版(撮影指導)
編集 張嘉輝中国語版(編集指導)
葉濡暢
閆婷婷
葉 翔(共同編集)
制作会社 郭帆影業
中国電影
製作会社 中影創意
郭帆影業
登峰国際中国語版
中国電影
配給 郭帆影業
中国電影
日本の旗 ツイン
公開 中華人民共和国の旗 2023年1月22日[1]
日本の旗 2024年3月22日[2]
上映時間 173分
製作国 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
言語 北京語普通話
(一部セリフにロシア語英語フランス語などを含む)
興行収入 中華人民共和国の旗 40.29億[3]
前作 流転の地球
(2019年)
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流転の地球 -太陽系脱出計画-』(るてんのちきゅう たいようけいだっしゅつけいかく、中国語: 流浪地球2英語: The Wandering Earth II)は、2023年に公開された中国SF映画劉慈欣(リウ・ツーシン)による短編小説『流浪地球』(角川文庫刊)を原作としている映画二作目であり、前作『流転の地球』の前日譚である[4]

登場人物[編集]

リウ・ペイチアン(劉培強)
演 - 呉京(ウー・ジン)、日本語吹替 - 野島裕史[5]
前作『流転の地球』の主人公でもある。本作では予備宇宙飛行士から一人前になる成長過程が描かれる。両親は戦乱中のガボンの首都・リーブルヴィルでヘリコプター墜落事故で死亡した[注 1]
トゥー・ホンユー(図恒宇)
演 - 劉德華(アンディ・ラウ)、日本語吹替 - 井上和彦[5]
中国科学院に所属する量子力学の科学者。かつて同科学院のデジタル生命研究所に所属したある日、自分の不注意により、運転していた車が事故に遭い、後部座席に座っていた妻と娘が命を失った。そのため、デジタル生命に関する研究が禁止された後も、娘をデジタル生命として復活させる研究を粘り強く続けている。
ジョウ・ジョウジー(周喆直[注 2]
演 - 李雪健(リー・シュエチェン)、日本語吹替 - 及川いぞう[5]
地球連合政府(: 地球联合政府: United Earth Government, UEG)に駐在する中華人民共和国の代表。外見・人格は中華人民共和国の初代国務院総理(首相)・周恩来と酷似しており、俳優本人も取材において、周恩来、陳毅伍修権など、中国歴代の外交官の演説記録を演技の参考として閲覧したことを認めた[7]
ジャン・ポン(張鵬)
演 - 沙溢(シャー・イー)、日本語吹替 - 山本兼平[5]
ベテラン飛行士で、リウ・ペイチアンの恩師。ペイチアンが両親を失った後、両親代わりに彼の面倒を見てきた。
マー・ジャオ(馬兆)
演 - 寧理(ニン・リー)中国語版、日本語吹替 - 早川毅[5]
中国科学院に所属する科学者で、トゥー・ホンユーの上司。かつては同科学院のデジタル生命研究所の所長も務めた。集団主義者。
ハン・ドゥオドゥオ(韓朶朶)
演 - 王智(ワン・ジー)中国語版、日本語吹替 - 折井あゆみ[5]
前作『流転の地球』にて臨終シーンのみで登場する、リウ・ペイチアンと同期に予備宇宙飛行士の訓練を受けた女性宇宙飛行士。後にペイチアンと結婚したが、長い間大気圏外で仕事をしてきたため、放射線による重病を患い若死にした。
ハオ・シャオシー(郝暁晞)
演 - 朱顔曼滋(シュ・ヤンマンツー)、日本語吹替 - 大関英里[5]
地球連合政府に駐在する中華人民共和国の外交官で、ジョウ・ジョウジーの助手。
マイク(Mike)
演 - Andy Friend
地球連合政府に駐在するアメリカ合衆国の代表。
トゥー・ヤーヤー(図丫丫)
演 - 王若熹
トゥー・ホンユーの娘。運転事故で死亡したが、意識は父によって量子コンピュータに入力され保存された。
アンドレイ・ゴラシノフ(Andre Graschnov)
演 - Vitalli Makarychev
ロシア人のベテラン飛行士。ジャン・ポンの親友で、彼に「ノフ」[注 3]と愛称されている。
MOSS
声 - 劉琮
550W型量子コンピューターに内蔵される人工知能。「550W」をひっくり返して得た「MOSS」という愛称を自ら命名。

エピソード[編集]

  • ジョウ・ジョウジー(周喆直)役の李雪健は鼻咽喉がんの治療を受けた時に、声帯に損傷を与えられたため、言葉を上手く発音できなかったが、制作側はAI技術で彼の声を修復することを実現した。本作の音声編集監督を務めた邱逸は、「ハリウッドでさえできなかったことを成し遂げた」と言って誇った[8]
  • 前作『流転の地球』でハン・ドゥオドゥオ(韓朶朶)の父を演じた呉孟達(ン・マンタ)は2021年に亡くなったが、本作はCG技術で彼を短時間に再登場させた[9]
  • 本作のポストプロダクション監督及び美術監督を務めた王志堅によると、本作の興行収入はあまり好ましくなく、膨大な制作費をかろうじて回収できる程度に留まった[10]

ソフト化[編集]

注釈[編集]

  1. ^ エンディングの出演者一覧に両親役の俳優(母 - 李一冉、父 - 周強)は存在しているが、登場シーンは全カットされた。
  2. ^ 「周喆直」という名前は、郭帆監督の中学時代の国語の先生に由来する[6]
  3. ^ 中国語の「懦夫」(拼音nuò fū、「臆病な人間」を意味する)とは発音が近い。

脚注[編集]

  1. ^ 葛怡婷 (2023年1月8日). “7部新片大年初一上映,《流浪地球2》能再创票房奇迹吗”. 第一財経中国語版. 2024年2月15日閲覧。
  2. ^ 地球を太陽系から離脱させる! 中国のメガヒット作「流転の地球 太陽系脱出計画」3月22日公開”. 映画.com (2024年1月26日). 2024年2月15日閲覧。
  3. ^ 票房40.29亿元!《流浪地球2》代表中国内地角逐奥斯卡最佳国际影片”. 毎経網. 毎日経済新聞中国語版 (2023年10月28日). 2024年2月15日閲覧。
  4. ^ 「三体」原作者リウ・ツーシンが語る『流転の地球 -太陽系脱出計画-』「小説を書いていた時に、なぜこのようなアイデアを思いつかなかったのだと深く後悔しています」”. ガジェット通信 GetNews (2024年3月19日). 2024年3月23日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 流転の地球 -太陽系脱出計画-”. ツイン. 2024年6月30日閲覧。
  6. ^ 斉魯晩報中国語版 (2023年1月20日). “《流浪地球2》中的“周喆直”是导演郭帆的恩师” (中国語). 新浪看点. 新浪. 2024年7月2日閲覧。
  7. ^ 北京晚報中国語版 (2023年3月6日). “独家︱李雪健:中国年轻电影人有志气,演周喆直参考了周总理演讲” (中国語). 新浪財経. 新浪. 2024年7月2日閲覧。
  8. ^ 北京日報中国語版 (2024年3月13日). “《流浪地球2》声音编辑:我们做到了好莱坞没做到的事情” (中国語). 新浪財経. 新浪. 2024年7月2日閲覧。
  9. ^ 羊城晚報中国語版 (2023年1月23日). “《流浪地球2》中仍有吴孟达,导演郭帆:CG复原,以此缅怀达叔” (中国語). 新浪看点. 新浪. 2024年7月2日閲覧。
  10. ^ (中国語)『《流浪地球2》为他创立角色?线上采访电影幕后制作总监、美术设计:王志坚』集影編導放映室、2023年8月4日、該当時間: 03:41https://www.bilibili.com/video/BV1Vu411p7R8/2024年7月2日閲覧 
  11. ^ CineAsia [@CineAsiaUK] (2023年12月4日). "4K Ultra HD Steelbook". X(旧Twitter)より2024年7月3日閲覧

外部リンク[編集]