大阪府都市開発7000系電車
大阪府都市開発7000系電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 泉北高速鉄道[注 1] |
製造所 | 川崎重工業車両カンパニー |
製造年 | 1996年 - 1998年 |
製造数 | 26両 |
運用開始 | 1996年7月1日[1] |
主要諸元 | |
編成 | 2・4・6両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 100 km/h |
起動加速度 | 2.5 km/h/s[2] |
減速度(常用) | 3.7 km/h/s[2] |
減速度(非常) | 4.0 km/h/s[2] |
車両定員 |
157(座席54)人(中間車)[3] 146(座席46)人(Tc1車)[3] 146(座席47)人(Tc2車)[3] |
自重 |
35.0 t(Mc車)[4] 34.0 t(M1・M2・M3車)[3] 31.0 t(Tc1・Tc車)[3][4] 28.0 t(Tc2・T車)[3] |
全長 |
20,825 mm(先頭車)[2][3] 20,725 mm(中間車)[2][3] |
全幅 |
2,844 mm(先頭車)[2][3] 2,830 mm(中間車)[3] |
全高 |
4,075 mm(M1・M3車、パンタグラフ折り畳み高さ)[2][3] 4,050 mm(M2・Tc1・Tc2・T車)[2][3] |
車体 | アルミニウム合金[2][3] |
台車 |
モノリンク式ボルスタレス台車 SS-147・SS-047/047A[2][5] |
主電動機 |
かご形三相誘導電動機[2][3] 三菱電機MB-5039-A3 |
主電動機出力 | 170 kW[3] |
駆動方式 | WNドライブ |
歯車比 | 97:16(6.06) |
編成出力 |
680 kW(2両編成) 1,360 kW(4両編成) 2,040 kW(6両編成) |
制御方式 | 3レベルIGBT素子VVVFインバータ制御[2][3] |
制御装置 | 日立製作所VFI-HR1420A |
制動装置 |
回生ブレーキ併用 全電気指令式空気ブレーキ[3](遅れ込め制御付)MBSA-2 |
保安装置 | ATS-N/ATS-PN |
大阪府都市開発7000系電車(おおさかふとしかいはつ7000けいでんしゃ)は、1996年(平成8年)から大阪府都市開発(現:泉北高速鉄道)が導入した通勤形電車である[2]。
本項では、2007年(平成19年)に登場した設計変更車の7020系電車についても記述する。
以下では、難波方先頭車の車両番号+F(Formation=編成の略)を編成名として表記する。
概要
老朽化した100系の置き換えを目的として、1996年(平成8年)に登場した[2]。前年まで導入されていた5000系は併結を考慮しない8両固定の非貫通構造であったが、本系列は10両までの増結を可能とするため貫通構造が採用された。全車が川崎重工業で製造されている。
車体は5000系を踏襲したアルミ合金製であるが、乗り入れ先の南海電気鉄道が車両限界を拡大したのに合わせ、車体幅を約10 cm拡大している。このため車体断面は裾絞り形状となり、全体的に丸みを帯びたデザインとなった[2]。前面貫通扉には、貫通幌を収納可能な自動開閉式の両開きプラグドアを採用し、見付け向上と編成の柔軟化を両立させている[2]。車体色は5000系と同様のアイボリー地にブルーとライトブルーの帯を配したもので、営業運転開始とともに先頭車側面の前頭部寄りに「SEMBOKU」ロゴが貼り付けられた[6][注 2]。
機器類には当時最新の技術が取り入れられている。制御装置にはIGBT素子を使用したVVVFインバータ制御装置、台車にはモノリンク式のボルスタレス台車[5]、パンタグラフにはシングルアーム式をそれぞれ同社で初めて採用した[2]。
また、車両制御情報管理装置(TIS)は5000系に引き続き搭載しているが、従来の制御指令の伝送や車載機器へのモニタ機能のみならず、空調装置、列車種別・行先表示器、車内案内表示器等のサービス機器の制御機能が追加され、集約化による操作性の向上が図られている。
なお、車体色は9300系の導入に合わせて、帯をブルー1色のみとする新塗装に順次変更されている[7]。
室内
5000系の内装を基本としつつ「人にやさしい、きめ細やかな旅客サービス」をデザインテーマとしており、各部に変更が加えられている。座席の袖仕切りにはスタンションポールを設置し、立席客に配慮している。座席モケットは5000系のワインレッドからローズ系のものに変更、また床材は中央通路部を明るいベージュ系の砂地模様とすることで、車内全体に明るさを演出している[注 3]。側引戸は本体とガラス面を平面化することにより、戸袋への指詰め防止対策としている。
バリアフリー対応では、従来の中間車配置に加え、先頭車にも車椅子スペースが設けられた(各車両の和泉中央寄り)。車内案内表示器については引き続きLED式を千鳥配置としている。
-
SS-147形台車
-
車内
(座席モケット等交換後)
50番台
2005年(平成17年)、車両運用効率化と保有車両数の削減を目的に、7511F(4両編成)の両先頭車(7511・7512)が増結用の2両編成(7551 - 7752)に改造された[8]。7512を改造した7752は制御電動車となったが、パンタグラフは制御車の7551に搭載された[注 4]。
7511Fの中間車2両は7006が7202に、7106が7602(電装品を7752に提供して付随車化)に改造され、7509Fに組み込まれた。これにより同編成は6両編成となり、本系列の6両編成は2本体制に再編された[8][注 5]。
編成表
1996年(平成8年)から1998年(平成8年)にかけて6両編成×1本、4両編成×5本の計26両が製造され、2024年(令和6年)4月現在、6両編成×2本、4両編成×3本、2両編成(50番台)×1本が在籍・運行している[9]。
新製時の編成
← 難波・中百舌鳥 和泉中央 →
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形式 | クハ 7501 (Tc1) |
< > モハ 7001 (M1) |
モハ 7101 (M2) |
サハ 7601 (T) |
< > モハ 7201 (M3) |
クハ 7502 (Tc2) |
竣工 |
車両番号 | 7501 | 7001 | 7101 | 7601 | 7201 | 7502 | 1996/06/12[10] |
← 難波・中百舌鳥 和泉中央 →
| |||||
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形式 | クハ 7501 (Tc1) |
< > モハ 7001 (M1) |
モハ 7101 (M2) |
クハ 7502 (Tc2) |
竣工 |
車両番号 | 7503 | 7002 | 7102 | 7504 | 1996/06/12[10] |
7505 | 7003 | 7103 | 7506 | 1997/03/27[10] | |
7507 | 7004 | 7104 | 7508 | ||
7509 | 7005 | 7105 | 7510 | 1998/05/08[11] | |
7511 | 7006 | 7106 | 7512 |
現在の編成
この節の加筆が望まれています。 |
← 難波・中百舌鳥 和泉中央 →
| ||||||||
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形式 | クハ 7501 (Tc1) |
< > モハ 7001 (M1) |
モハ 7101 (M2) |
サハ 7601 (T) |
< > モハ 7201 (M3) |
クハ 7502 (Tc2) |
備考 | |
車両番号 (旧車号) |
7501 | 7001 | 7101 | 7601 | 7201 | 7502 | ||
7509 | 7005 | 7105 | 7602 (7106) |
7202 (7006) |
7510 | 「フロンティア号」 |
← 難波・中百舌鳥 和泉中央 →
| ||||||
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形式 | クハ 7501 (Tc1) |
< > モハ 7001 (M1) |
モハ 7101 (M2) |
クハ 7502 (Tc2) |
備考 | |
車両番号 | 7503 | 7002 | 7102 | 7504 | 帯色変更[7] (2024/02/05) | |
7505 | 7003 | 7103 | 7506 | |||
7507 | 7004 | 7104 | 7508 |
← 難波・中百舌鳥 和泉中央 →
| ||||
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形式 | < > クハ 7551 (Tc) |
モハ 7552 (Mc) |
改造年 | 備考 |
車両番号 (旧車号) |
7551 (7511) |
7752 (7512) |
2005年 |
- 凡例
7020系
大阪府都市開発7020系電車 | |
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7020系 7525Fほか8両 (2022年8月28日 天下茶屋駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 泉北高速鉄道 |
製造所 | 川崎重工業車両カンパニー |
製造年 | 2007年 - 2008年 |
製造数 | 18両 |
運用開始 | 2007年4月30日 |
主要諸元 | |
編成 | 2・4・6両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 100 km/h |
起動加速度 | 2.5 km/h/s |
減速度(常用) | 3.7 km/h/s |
減速度(非常) | 4.0 km/h/s |
車両定員 |
157(座席54)人(中間車)[12] 141(座席46)人(Tc1車)[12] 140(座席47)人(Tc2車)[12] |
自重 |
35.0 t(Mc車)[4][12] 34.0 t(M1・M2・M3車)[12] 31.0 t(Tc1・Tc車)[4][12] 28.0 t(Tc2・T車)[12] |
全長 |
20,825 mm(Tc1・Tc2車)[12] 20,725 mm(中間車)[12] |
全幅 |
2,844 mm(Tc1・Tc2車)[12] 2,830 mm(中間車)[12] |
全高 |
4,090 mm(M1・M3車)[12] 4,050 mm(M2・Tc1・Tc2・T車)[12] |
車体 | アルミニウム合金[12] |
台車 |
モノリンク式ボルスタレス台車 SS-173M・SS-173T/173TC[12][13] |
主電動機 |
かご形三相誘導電動機 三菱電機MB-5039-A3 |
主電動機出力 | 170 kW[12] |
駆動方式 | WNドライブ |
歯車比 | 97:16(6.06) |
編成出力 |
680 kW(2両編成) 1,360 kW(4両編成) 2,040 kW(6両編成) |
制御方式 | 2レベルIGBT素子VVVFインバータ制御[12] |
制御装置 | 日立製作所VFI-HR1420P |
制動装置 |
回生ブレーキ併用[12] 全電気指令式空気ブレーキ[12](遅れ込め制御付)MBSA-2 全電気ブレーキ |
保安装置 | ATS-N/ATS-PN |
車齢約30年に達していた3000系初期車両を置き換えるため、2007年(平成19年)より製造された。7000系の設計思想を踏襲するが、バリアフリーの深度化や車両技術の進歩に合わせて設計変更を行ったため、大阪府都市開発では11年ぶりの新形式となった。製造は引き続き川崎重工業が担当している。なお、本系列は大阪府都市開発時代最後の新製車両となった[注 6]。
前面は、製造コスト削減と保守軽減のためプラグドア式貫通幌カバーを廃止し、幌を剥き出しとしたシンプルな貫通構造となった。前照灯は列車種別・行先表示器の外側に移設し、光源をHIDに変更している[14]。標識灯も7000系の丸形から四角形のものとなり、全体的に直線基調ですっきりした顔立ちとなった。また、側面の窓ガラスには濃緑色に着色されたUVカットガラスを採用したため、ブロンズガラスを使用する従来車とは印象の異なる外観となっている。
制御方式は7000系に引き続きIGBT素子VVVFインバータ制御であるが、回路方式が7000系の3レベルから2レベルに変更されている。また空転時の再粘着性能を向上させるため、新たにトルク応答性の高いベクトル制御を採用し、これにより同社で初の全電気ブレーキにも対応している。台車は7000系で実績のあるモノリンク式ボルスタレス台車を装備するが、安全性と乗り心地の向上およびコスト低減を目的に、台車枠や軸箱支持装置を新規設計とした[13]。
-
SS-173M形台車
室内
車内は座席や天井周りを中心に、7000系から大幅に変更が加えられている。
座席は足元空間を広げた片持ち式で、定員はそのままに1人あたりの着席幅を従来の440 mmから460 mmに拡大している。スタンションポールは7人掛け座席の中間部にも追加し、形状も立ち座りのしやすい弓形に湾曲したものに変更している。座席モケットは新たに模様入りのパープル系、優先座席にはオレンジ色を採用し、背擦りに印刷されたダイヤ柄により着席位置を明確化している。また袖仕切りは大型のものとなり、立席客の干渉を従来より積極的に防いでいる。
側引戸は内張りの化粧板を廃止し、3000系以来のステンレス無塗装となった。車内案内表示器は大阪府都市開発で初めてLCD式を採用している[注 7]。なお、本ディスプレイは画像表示のみ対応するもので、動画対応ディスプレイとの併用による2画面表示を準備工事としている。
吊手は掴みやすさを改善するため、丸形から三角形に変更している。また、吊手の幅広い利用を想定して、出入口付近の枕木方向にも追加で設置し、取付高さも従来より多い3種類となった。優先座席付近にはオレンジ色のものを配置し識別化を図っている。天井は、ラインデリア整風板を両端の角に丸みがあるものに変更している。また、難燃性基準[注 8]の改正に合わせて樹脂製の蛍光灯カバーを廃止、これに伴う照度調整のため蛍光灯の本数も削減している。
このほか、乗務員室の仕切りを350 mm客室側に移動し、乗務員室の全長を2,000 mmに拡大している。
-
車内
-
LCD式車内案内表示器
編成表
2024年(令和6年)4月現在、6両編成×2本、4両編成×1本、2両編成×1本の計18両が在籍・運行している[9]。
1次車の6両編成×1本は、2007年(平成19年)2月28日までに陸送にて光明池検車区へ搬入され、3月6日より試運転を開始、4月30日より営業運転を開始している[15]。2次車は2008年(平成20年)に2両・4両・6両各1編成の計12両が製造、同年3月31日より順次営業運転を開始した[16]。
← 難波・中百舌鳥 和泉中央 →
| ||||||||
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形式 | クハ 7521 (Tc1) |
< > モハ 7021 (M1) |
モハ 7121 (M2) |
サハ 7621 (T) |
< > モハ 7221 (M3) |
クハ 7522 (Tc2) |
竣工[17] | 備考 |
車両番号 | 7521 | 7021 | 7121 | 7621 | 7221 | 7522 | 2007/04/19 | 和泉中央駅開業20周年記念・ 鉄道むすめ『和泉こうみ』ラッピング |
7523 | 7022 | 7122 | 7622 | 7222 | 7524 | 2008/03/28 | パチンコ店ラッピング |
← 難波・中百舌鳥 和泉中央 →
| ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
形式 | クハ 7521 (Tc1) |
< > モハ 7021 (M1) |
モハ 7121 (M2) |
クハ 7522 (Tc2) |
竣工[17] | 備考 |
車両番号 | 7525 | 7023 | 7123 | 7526 | 2008/03/28 | 帯色変更[7] (2023/06/29) |
← 難波・中百舌鳥 和泉中央 →
| ||||
---|---|---|---|---|
形式 | < > クハ 7571 (Tc) |
モハ 7772 (Mc) |
竣工[17] | 備考 |
車両番号 | 7571 | 7772 | 2008/03/28 | 帯色変更[7] (2023/09/07) |
- 凡例
- ■:弱冷車[9]
- ■:女性専用車両ステッカー
改造工事
転落注意放送装置設置
2012年(平成24年)度から2013年(平成25年)度にかけて、両系列の先頭車に転落注意放送装置が設置された[18]。視覚障がい者が先頭車同士の連結部から転落するのを防ぐためのもので、開扉時に注意放送を行う。
主要装置二重化改造工事
2015年(平成27年)から2016年(平成28年)にかけて、両系列の4両編成を対象に補機類の二重化改造工事が実施された[19]。4両での単独運転を見据えたもので、Tc2車(7504・7506・7508・7526号車)に静止形インバータ(SIV)と空気圧縮機(CP)を増設した[20][21][注 9]。
表示類の南海仕様化
2025年(令和7年)4月予定の南海電鉄への吸収合併に向け、2024年(令和6年)12月から泉北高速鉄道の表示類が南海電鉄の仕様に順次変更されている[22]。車体側面の社章を南海CI章に変更、側面「SEMBOKU」ロゴを「NANKAI」ロゴへ変更、車内の社名銘板の取り外しを行っている。
ラッピング
パチンコ店ラッピング
車体側面全体にパチンコ店がモチーフにしている薔薇の柄のラッピングがデザインされたもので、2009年(平成21年)から2013年(平成25年)6月までは7509Fに[23]、同年7月から2015年(平成27年)2月までは7523Fに施された。
鉄道むすめ「和泉こうみ」ラッピング
2015年(平成27年)4月11日より、「和泉中央駅開業20周年記念イベント」の一環として7521Fに記念ラッピングが施された[24]。
2016年(平成28年)3月15日からは、好評によりデザインを一部リニューアルし、「鉄道むすめ『和泉こうみ』ラッピング電車」として約1年間運行された[25]。
2017年(平成29年)2月からは、スタンプラリー「つなげて!全国鉄道むすめ巡り」[26]の開催により装飾が追加され、スタンプラリー期間終了の2018年(平成30年)5月まで掲出された[27]。
本来はスタンプラリー終了と同時期に運行を終了する予定であったが、利用客から好評で2018年(平成30年)6月以降も引き続き運行されることとなった。
大型児童館ビッグバン「フロンティア号」ラッピング
2017年(平成29年)より、7509Fに大阪府立大型児童館ビッグバンのキャラクター等をデザインした「フロンティア号」のラッピングが施され、同年10月2日に運行を開始した[28][29]。
-
パチンコ店ラッピング
(7523F) -
「和泉中央駅開業20周年記念列車」ラッピング編成
(7521F) -
大型児童館ビッグバン「フロンティア号」ラッピング
(7509F) -
「フロンティア号」
側面ラッピング
運用
両系列とも泉北高速線内折り返しの各駅停車と、南海高野線に直通する準急行、区間急行に使用される。貫通構造を活かし、6両編成または8両編成で運転されている。2013年(平成25年)7月までは平日朝ラッシュ時の10両運転にも使用されていた[23]。
両系列の4両編成は区別なく併結して運用されている[注 10]。ただし、7000系と7020系では貫通路のサイズが異なるため、併結時は7020系側にアダプターを取り付ける[30]。
平日朝ラッシュ時の8両編成の区間急行難波行きのうち、前から4両目の車両は和泉中央駅 - 天下茶屋駅間で女性専用車両に設定されており、6両編成のサハ7601形・サハ7621形と4両編成のクハ7502形・クハ7522形にこれを示すステッカーが貼られている[注 11]。
2015年(平成27年)12月5日ダイヤ改正から2017年(平成29年)8月26日ダイヤ改正まで、泉北高速線を日中に走行する一部の各駅停車が4両編成で運転されたが、この運用には南海の車両が充当されたため、主要装置二重化改造工事を行った後も両系列が4両単独で営業運転された実績はない。
全般・重要部検査は、2002年(平成14年度)度から自社光明池車庫にて行われていた[32][注 12]が、南海グループ参入後の2016年(平成28年)からは再び南海電鉄千代田工場に変更されている。このため入出場の回送時に限り、南海高野線中百舌鳥駅 - 千代田工場間を走行する[30]。
脚注
注釈
- ^ 2014年(平成26年)に大阪府都市開発より改称。
- ^ ロゴの設定は既存の3000系・5000系にも波及した。
- ^ 現在は7020系に準じた座席モケット、三角形の吊手に交換されており、後者については出入口付近の枕木方向にも増設されている。
- ^ 2両編成ではパンタグラフを制御車に配置するという構成は、後に登場する7020系にも引き継がれた。
- ^ 製造当初の6両編成×1本・4両編成×5本の体制では、6両編成が検査等で運用から外れた場合、併結・運用の制約により4両編成×1本も予備車化せざるを得ず、結果10両が一挙に離脱するという不効率な状態にあった。本改造はこの不効率の解消を、車両のさらなる増備ではなく在籍車両の組み替えによって実現するものであった[8]。
- ^ 2014年(平成26年)に南海グループへ参入、泉北高速鉄道へ商号変更したため。
- ^ 表示内容は小田急4000形などに準じているが、次駅・行先にはふりがなが併記される。現在の走行位置を広域・近傍域路線図の2種類で表示するほか、駅ホーム設備や開扉・閉扉方向を案内表示する。これに伴い映像情報配信装置(VIS)が搭載され、車両制御情報管理装置(TIS)にVIS制御・モニタリング機能が追加された。併結が想定される7000系についても、ソフトウェア変更により同機能の追加が行われた。
- ^ 鉄道に関する技術上の基準を定める省令の第83条(車両の火災対策)に関する解釈基準を指す。
- ^ これにより制御装置を含めた主要装置が編成内で全て二重化されたため、南海の運用上の内規に抵触せず単独運転が可能となった。
- ^ 7525Fは難波方先頭車(7525号車)に貫通幌を装備し、10両編成では必ず和泉中央方に連結されていたが、2014年(平成26年)に撤去され難波方に連結されるようになった。
- ^ 泉北高速線の列車に女性専用車両が設定されたのは、2015年(平成27年)12月5日ダイヤ改正時である[31]。
- ^ ただし一部の定期検査業務は引き続き南海に委託され、完全に直営で実施するようになったのは2004年(平成16年)度からである[32]。
出典
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- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 小田秀人(大阪府都市開発(株)技術部車両課)「新型車両プロフィールガイド 泉北高速鉄道7000系」-『鉄道ジャーナル』1996年8月号、PP.82-85
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- ^ a b c d 「大阪府都市開発 泉北高速鉄道の現況」-『鉄道ピクトリアル』2008年8月臨時増刊号、P.102
- ^ a b 「SS147 SS047 / 泉北高速鉄道7000系」-『鉄道ホビダス(資料館 台車近影)』、ネコ・パブリッシング(2006年6月25日)
- ^ 「泉北高速鉄道7000系,営業運転開始」-『鉄道ファン』1996年10月号、P.118
- ^ a b c d 「2023(令和05)年度 車両動向一覧表 改造車両(車号変更)」-『私鉄車両編成表 2024』、P.213
- ^ a b c 大脇崇司(大阪府都市開発(株)技術部車両課)「大阪府都市開発7000系 編成組替工事」-『鉄道ピクトリアル』2005年10月臨時増刊号「鉄道車両年鑑2005年版」、PP.174-175
- ^ a b c d 『私鉄車両編成表 2024』、P.165
- ^ a b c 「新製車両一覧表」-『私鉄車両編成表’97年版』、PP.158-159
- ^ 「新製車両一覧表」-『私鉄車両編成表’99年版』、P.163
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 7020系:車両図鑑 - 泉北高速鉄道(2025年1月15日閲覧)
- ^ a b 「SS173M SS173TC SS173T / 泉北高速鉄道7020系」-『鉄道ホビダス(資料館 台車近影)』、ネコ・パブリッシング(2007年5月11日)
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- ^ a b c 「新製車両一覧表」-『私鉄車両編成表’08年版』、P.171
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- ^ 「泉北高速鉄道の概況」-『鉄道ピクトリアル』2023年10月臨時増刊号、P.124
- ^ 「2014年度 車両動向一覧表 改造車両・車号変更」-『私鉄車両編成表 2015』、P.206
- ^ 「2015(平成27)年度 車両動向一覧表 改造車両・車号変更」-『私鉄車両編成表 2016』、P.203
- ^ 泉北高速車両の表示等の変更を順次実施中 ~南海電鉄の「泉北線」として生まれ変わります~ (PDF) - 泉北高速鉄道・南海電気鉄道(2024年12月27日)
- ^ a b 「南海高野線 各列車の顔触れ」-『関西の鉄道』2012年初秋号(No.61)、P.86、関西鉄道研究会
- ^ 「泉北高速7020系に和泉中央駅開業20周年記念ラッピング」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2015年4月12日)
- ^ 鉄道むすめ「和泉こうみ」ラッピング電車デザインのリニューアルについて - 泉北高速鉄道(2016年3月15日、2016年3月19日時点でのアーカイブ)
- ^ つなげて!全国"鉄道むすめ"巡り - トミーテック(2025年1月15日閲覧)
- ^ 「泉北高速7020系「和泉こうみ」ラッピング編成に小変化」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2017年3月6日)
- ^ 「泉北高速鉄道でラッピング車両「フロンティア号」が登場」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2017年10月8日)
- ^ 「【泉北高速】泉北高速鉄道の話題」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2017年10月12日)
- ^ a b 「泉北高速鉄道7020系7525編成が千代田工場へ」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2016年5月28日)- アダプターを装備したままのため、幌枠が二重である。
- ^ 12月5日(土) 高野線・泉北線のダイヤ改正を実施 泉北ニュータウン・トリヴェール和泉と大阪市内が“近くて”便利に!! (PDF) - 南海電気鉄道・泉北高速鉄道(2015年10月8日)
- ^ a b 「大阪府都市開発 泉北高速鉄道の現況」-『鉄道ピクトリアル』2008年8月臨時増刊号、PP.98・103
参考文献
- 『鉄道ファン』、交友社
- 1996年10月号(No.426)
- 戸田悦功・大脇崇司(大阪府都市開発(株)技術部車両課)「新車ガイド4 泉北高速鉄道7020系」- 2007年7月号(No.555)、PP.90-93
- 2007年8月号(No.556)
- 『鉄道ジャーナル』1996年8月号(No.358)、鉄道ジャーナル社
- 『鉄道ピクトリアル』、電気車研究会
- ジェー・アール・アール『私鉄車両編成表』、交通新聞社
- 97年版(1997年9月15日、ISBN 978-4-882-83218-8)
- 99年版(1999年9月、ISBN 978-4-882-83220-1)
- 08年版(2008年9月17日、ISBN 978-4-882-83229-4)
- 2015(2015年7月23日、ISBN 978-4-330-58415-7)
- 2016(2016年7月21日、ISBN 978-4-330-70116-5)
- 2024(2024年7月11日、ISBN 978-4-330-03424-9)
外部リンク
- 7000系:車両図鑑 - 泉北高速鉄道
- 7020系:車両図鑑 - 泉北高速鉄道
- 泉北高速鉄道7020系誕生。 -『鉄道ホビダス(編集長敬白アーカイブ)』、ネコ・パブリッシング(2007年5月2日、2015年5月11日時点でのアーカイブ)