日本碍子
名古屋本社ビル | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
略称 | NGK、ガイシ[注 1] |
本社所在地 |
日本 〒467-8530 名古屋市瑞穂区須田町2番56号 |
設立 | 1919年(大正8年)5月5日(創業:1905年(明治38年)) |
業種 | ガラス・土石製品 |
法人番号 | 3180001010829 |
事業内容 | がいし・セラミックス・電子部品およびベリリウム銅製品の製造・販売など |
代表者 |
代表取締役会長 大島卓 代表取締役社長 小林茂 代表取締役副社長 蟹江浩嗣 代表取締役副社長 丹羽智明 |
資本金 | 698億4900万円(2018年3月31日時点)[1] |
発行済株式総数 |
3億2,756万196株 (2019年3月31日時点)[1] |
売上高 |
連結:4,635億04百万円 単独:2,659億36百万円 (2019年3月期)[1] |
営業利益 |
連結:647億05百万円 単独:345億11百万円 (2019年3月期)[1] |
純利益 |
連結:355億06百万円 単独:279億36百万円 (2019年3月期)[1] |
純資産 |
連結:4,892億45百万円 単独:3,043億85百万円 (2019年3月31日時点)[1] |
総資産 |
連結:8,636億36百万円 単独:5,845億25百万円 (2019年3月31日時点)[1] |
従業員数 |
連結:19,695名 単独:4,316名 (2021年3月31日時点) |
決算期 | 3月31日 |
会計監査人 | 有限責任監査法人トーマツ[1] |
主要株主 |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 12.22% 日本カストディ銀行株式会社(信託口) 8.36% 明治安田生命保険相互会社 6.74% 第一生命保険株式会社 6.66% (2019年3月31日時点)[1] |
主要子会社 | 関連会社参照 |
関係する人物 |
大倉和親(初代社長) 江副孫右衛門(二代目社長) 森村義行(三代目社長) 竹見淳一(元社長) 小原敏人(元社長) 柴田昌治(元社長) 松下雋(元社長) 鈴木俊雄(元会長) 加藤太郎(元社長) 武内幸久(元副社長) |
外部リンク | www.ngk.co.jp |
日本碍子株式会社(にほんがいし、英: NGK Insulators, Ltd.)は、愛知県名古屋市瑞穂区に本社を置く世界最大級のセラミックスメーカーである。電力用がいし・セラミックス製造を主力とする。本社ビルは隣接する名古屋市熱田区に所在。森村グループの一員。日経平均株価の構成銘柄の一つ[2]。
通称表記は「日本ガイシ」。1986年(昭和61年)より使用している。
概要
[編集]日本陶器(現・ノリタケ)からがいし製造部門を分割し、1919年(大正8年)設立。NGK[注 2] の商標は自動車用スパークプラグにおいても知られているが、こちらは同じ森村グループの日本特殊陶業(Niterra)の製品に付されている[注 3]。日特陶はかつて同社の一部門であったが、旧森村の一業一社主義により、1936年(昭和11年)に同社から分割され設立し現在に至る。
100万ボルト(1,000 kV)の超高圧送電線用のがいしを世界で唯一製造している企業である。
下水処理プラント等のエンジニアリング部門は以下に記す通り富士電機システムズとの合弁会社(メタウォーター株式会社)に移管、分社化した。
沿革
[編集]- 1905年(明治38年)‐ 芝浦製作所(現・東芝)の技師が日本陶器に、アメリカ合衆国製のがいし片(碍子博物館蔵)を見せながら、高圧碍子の製造を頼んだのがきっかけとなり、翌年から開発に着手[3]。
- 1919年(大正8年)5月5日 - 日本陶器(現・ノリタケ)から、がいし製造部門を分割して設立。
- 1936年(昭和11年)10月26日 - スパークプラグ部門を分社化し日本特殊陶業を設立。
- 1970年代 - 火力発電所が窒素酸化物の放出を制御支援のために、東芝ベックマンの輸入する化学発光(ケミルミネッセンス)式の計測機器に、セラミック素子で不純物質を取り除く前処理を組み込んだNOX観測装置を生産した。
- 1986年(昭和61年)5月 - 社名表記を日本ガイシに変更。
- 2003年(平成15年)5月 - 旭テックの株式をリップルウッド・ホールディングスに譲渡。連結決算の対象から外れる。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)4月1日 - NGK水環境システムズと富士電機水環境システムズを合併。メタウォーターを設立。連結決算の対象から外れる。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)7月31日 - 上場子会社であったエナジーサポートを完全子会社化。
- 2013年(平成25年) - イタリアにNAS電池のプロジェクト「NGK ITALY S.r.l.」を設立。高強度・高導電性のジルコニウム銅ワイヤーを開発。
- 2014年(平成26年) - ポーランドでコージェライト製大型ハニセラムの生産を開始。NOxセンサーの生産能力を1.5倍に増強。複合ウエハーの生産を開始。
- 2015年(平成27年)1月5日 - 新日鐵住金の子会社である日鉄住金エレクトロデバイスの全株式を取得し、子会社化[4]。同時に、NGKエレクトロデバイスに商号を変更[5]。インドに現地法人「NGK TECHNOLOGIES INDIA PVT. LTD.」を設立。タイ王国にハニセラム、DPF生産のための「NGK CERAMICS(THAILAND) CO., LTD.」を設立。
- 2016年(平成28年) - ポーランドでGPFの生産を開始。ニッケルすず銅製品の量産を開始。
- 2019年(令和元年) - 亜鉛二次電池「ZNB」がアメリカの第三者機関ULから安全面での認証取得[6]。
歴代社長
[編集]- 大倉和親:1919年 - 1939年4月
- 江副孫右衛門:1939年4月 - 1944年5月
- 森村義行:1944年5月 - 1948年
- 吉本熊夫:1948年 - 1959年(死去)
- 野淵三治:1959年10月 - 1969年
- 福田克美:1969年 - 1977年
- 竹見淳一:1977年 - 1986年1月
- 小原敏人:1986年1月 - 1994年6月
- 柴田昌治:1994年6月 - 2002年6月
- 松下雋:2002年6月 - 2011年
- 加藤太郎:2011年4月 - 2014年6月
- 大島卓:2014年6月 - 2021年3月
- 小林茂:2021年4月 - 現職
事業所
[編集]主な商品
[編集]エネルギーインフラ事業
[編集]- がいし(シェア世界一)・電力関連装置
- 送電用がいし・機器
- 懸垂がいし
- 長幹がいし
- ラインポスト(LP)がいし
- 全面導電釉がいし
- 変電用がいし・機器
- 避雷機器
- 相間スペーサ
- 鳥害防止装置
- 配電用がいし・機器
- 電圧調整器
- 開閉器
- ナトリウム・硫黄電池(NAS電池)
セラミックス事業
[編集]エレクトロニクス事業
[編集]- チップ型セラミックス二次電池(EnerCera)
- ウェハー製品
- 複合ウェハー
- 窒化ガリウムウェハー(FGAN)
- ハイセラムウェハー
- 圧電アクチュエーター
- インクジェットプリンター用圧電マイクロアクチュエーター
- HDD用アクチュエーター
- 積層圧電アクチュエーター
- 光関連セラミックス部品
- 透光性アルミナセラミックス(ハイセラム)
- 圧電ディスプレイ(セラムボード、セラムビジョン:生産終了)
- ベリリウム銅合金
- 金型及び関連部品
プロセステクノロジー事業
[編集]- 半導体製造装置用セラミックス
- 産業用機器・装置(プラントエンジニアリング事業)
- 膜分離装置・システム
- グラスライニング製品
- 耐食レンガライニング
- 耐食ポンプ・バルブ
- 家庭用製品浄水器 C1(シーワン)
日本ガイシ スポーツプラザ
[編集]2007年(平成19年)3月15日、地域貢献と社名の普及を目的に、名古屋市総合体育館の命名権を名古屋市から取得した。2007年(平成19年)4月1日から5年間の契約で、総称の総合体育館に「日本ガイシ スポーツプラザ」、施設のレインボーホールに「日本ガイシホール」、レインボープール(夏季)・レインボーアイスアリーナ(冬季)に「日本ガイシアリーナ」、サン笠寺に「日本ガイシフォーラム」の愛称を付すこととなった。2017年1月17日に命名権を更新し、2022年3月31日までが期限となっている[7]。
テレビ番組
[編集]- 日経スペシャル カンブリア宮殿 世界トップシェアが続々... 失敗を恐れない技術屋集団の復活劇!(2020年2月20日、テレビ東京)[8]
提供番組
[編集]- ウェークアップ!ぷらす(読売テレビ、2013年頃 - )
- ミュージックステーション(テレビ朝日、 - 2008年3月)
- めざましテレビ(東海テレビ、2008年4月 - 9月)
- めざましどようび(同上、2008年10月 - )
- ネプリーグ(石川テレビ)
- TVチャンピオン→TVチャンピオン2(テレビ東京)
- J SPORTS STADIUM 2008(J SPORTS 1)
- クイズ赤恥青恥(テレビ東京)
- ごくせん第2シリーズ(日本テレビ系)
- マツコの知らない世界(TBS)
- ASAYAN(テレビ東京)
- 120秒の科学(テレビ大阪、一社提供)
- オールナイトニッポン(ニッポン放送、2020年頃 - )
※ その他東海地方のテレビ局やテレビ朝日の深夜バラエティ番組で、ローカルスポンサーとしてつく場合が多い。
CM
[編集]2007 - 2008年
[編集]関連会社
[編集]- NGKエレクトロデバイス株式会社
- エナジーサポート株式会社
- 明知ガイシ株式会社
- NGKケミテック株式会社(旧・池袋琺瑯工業)
- 平成セラミックス株式会社
- エヌジーケイ・アドレック株式会社
- エヌジーケイ・セラミックデバイス株式会社
- エヌジーケイ・オホーツク株式会社
- エヌジーケイ・キルンテック株式会社
- エヌジーケイ・ケミテック株式会社
- エヌジーケイ・ファインモールド株式会社
- エヌジーケイ・フィルテック株式会社
- エヌジーケイ・メテックス株式会社
- メタウォーター株式会社 - 日本ガイシの水環境子会社、NGK水環境システムズと富士電機システムズの水環境子会社、富士電機水環境システムズが2008年(平成20年)4月に合併して設立。
- 株式会社多治見カントリークラブ
代理店
[編集]上場している代理店としては、明治電機工業等がある。[10]
諸問題
[編集]日本ガイシは東京大学、一橋大学、京都大学の法学部学生対象に奨学金、生活費等の支援を行うとして募集をかけたことがある。しかし、それは学生の少なかった時期に行われていたため、日本ガイシの人事部の意向通りに進まなかった[要出典]。
税務問題
[編集]名古屋国税局の税務調査で、2005年3月期から2010年3月期までの5年間に亘り、総額で約160億円の申告漏れを指摘されていたことが、2012年5月になって発覚した。同国税局は、同社が本来申告すべき所得を海外の子会社に移転させたと判断したものだが、同社は「国税局の見解と隔たりがある」として、同国税局に異議申立てを行なっている[11]。
価格カルテルへの関与
[編集]2015年9月、アメリカで自動車部品の価格カルテルに関与したとして、アメリカ司法省から罰金6,530万ドル(日本円で約78億円)の罰金の支払いを命じられた。これを受け同社は、大島卓社長ら代表取締役の報酬のうち50%を3カ月間返上した[12]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i “有価証券報告書-第153期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)”. EDINET. 2020年4月8日閲覧。
- ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
- ^ 中日新聞経済部[編]『時流の先へ 中部財界ものがたり』p157-p160
- ^ “日鉄住金エレクトロデバイス株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ” (PDF). 日本ガイシ株式会社 (2014年9月3日). 2014年9月3日閲覧。
- ^ “連結子会社の商号変更のお知らせ”. 日本ガイシ株式会社 (2015年1月5日). 2015年1月11日閲覧。
- ^ 亜鉛二次電池「ZNB」が蓄電池分野で世界初のUL検証マークを取得 独自のセラミック技術により屋内設置に適した安全で大容量の蓄電池を実現 日本ガイシ(2019年11月19日)2020年1月17日閲覧
- ^ “「日本ガイシ スポーツプラザ」のネーミングライツ契約を更新” (2017年1月17日). 2017年8月6日閲覧。
- ^ 世界トップシェアが続々... 失敗を恐れない技術屋集団の復活劇! - テレビ東京 2020年2月20日
- ^ a b “CORPORATE DATE 2011.4” (pdf). 日本ガイシ株式会社. p. 5. 2011年5月9日閲覧。
- ^ “「日本ガイシ」の代理店10社 | メトリー”. metoree.com. 2022年8月14日閲覧。
- ^ “日本ガイシ、5年で160億申告漏れ…国税指摘”. 『読売新聞』. (2012年5月9日). オリジナルの2012年5月12日時点におけるアーカイブ。
- ^ “日本ガイシ、自動車用触媒担体のカルテルで罰金78億円 米国”. レスポンス. (2015年9月4日) 2021年1月20日閲覧。
関連項目
[編集]- 碍子博物館 - 日本碍子の企業博物館。当社の小牧事業所内にある。
- 日本特殊陶業
- オーディー05オムニバスチャイナトリーティ