コンテンツにスキップ

小椋正清

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
小椋 正清
おぐら まさきよ
内閣府地方創生推進室より公表された肖像
生年月日 (1951-04-12) 1951年4月12日(73歳)
出生地 日本の旗 日本 滋賀県神崎郡永源寺町
(現・東近江市
出身校 同志社大学法学部
前職 滋賀県理事員
所属政党 無所属

当選回数 3回
在任期間 2013年2月27日 - 現職
テンプレートを表示

小椋 正清(おぐら まさきよ、1951年昭和26年〉4月12日[1] - )は、日本政治家警察官滋賀県東近江市長(3期)。

来歴

[編集]

滋賀県神崎郡永源寺町蛭谷(現・東近江市蛭谷町)出身。永源寺町立政所小学校、八日市市立八日市北小学校(現・東近江市立八日市北小学校)、八日市市立聖徳中学校(現・東近江市立聖徳中学校)を経て、滋賀県立彦根東高等学校に進学。同志社大学法学部卒業。1976年(昭和51年)、滋賀県警察に採用される。長浜警察署長や滋賀県防災危機管理監、滋賀県理事員などの任にあたる[2]

2013年(平成25年)2月17日に行われた東近江市長選挙に自民党・日本維新の会・公明党みんなの党の推薦を受け立候補し、現職の西澤久夫を破り初当選した[3]。2月27日、市長に就任[2]

※当日有権者数:90,125人 最終投票率:44.68%(前回比:pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
小椋正清61無所属23,194票58.06%(推薦)自民党・日本維新の会・公明党・みんなの党
西澤久夫60無所属16,751票41.94%

2017年(平成29年)、無投票当選で再選[4]。2021年(令和3年)、無投票で3選。

フリースクールおよび不登校に関する発言

[編集]

2023年10月17日、不登校対策に関して、小椋は、「フリースクールは国家の根幹を崩す[5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16][17][18][19][20][21]」とフリースクールの意義を否定し、その上で、「財政支援を国が言うべきではない」として、フリースクールに対する文部科学省の財政支援も批判した[22]。フリースクールについては、教育機会確保法において「学校以外の場での多様で適切な学習活動の重要性」が明記され、国や自治体は必要な財政支援に努めることとされており[12][22]、文部科学省は、フリースクールなどと連携して不登校の児童や生徒を支援するよう自治体などに求めている[13]。しかし小椋は、「法律に基づいて教育をやっているわけじゃない」「法律なんて各首長は取捨選択して利用してやっている」と述べ、法律を軽視する旨の見解を示した[23]

さらに、「〔不登校の〕大半は親の責任[6][7][8][10][11][12][13][17][22][24][21]」「フリースクールというのは〔…〕親の安易性が露骨に出ている。親の責任なんだよ、ほとんど。私から言わせたら[23]」との見解を示した。この発言について問われた小椋は、「〔自身の〕感覚的なもの、経験則に基づくと、やっぱり親が多い[24]」として、小椋自身の感覚を根拠にそのような見解を示していることを明言した。

この小椋の発言に対しては多くの批判の声が寄せられた。春日井敏之立命館大学教授は、「「不登校は親の責任」というのは、保護者や学校、教育行政が連携して取り組んできたこれまでの不登校支援をめぐる到達点を全く踏まえていない。時代錯誤であり、がくぜんとする」と批判[23]。末冨芳日本大学教授も、「不登校は親の責任でもありません」「市長としてあるまじき酷い発言です」「このような発言をする人物が市長に相応しいのか、私は疑問です」と批判した[22]。さらに、佐倉統東京大学教授は、「この人の言っている「国家」は、明治時代の国家のイメージなのだろう」「今はそういった「国のため〔の教育という考え〕」は完全に時代錯誤である」と述べ、小椋の「国家の根幹を崩す」という発言を批判した[22]。また、フリースクールの現場からも「不快感とともに撤回を求めたい[11]」といった声や、「不登校は保護者の責任だとか、絶対子供はみんな学校に行かないといけないみたいな、根強い偏見が残っている。〔…〕その偏見こそ不登校の子が一番傷つくこと[8][10]」といった批判の声があがった。そのほか、市民などからも「残念だ」などとする電話がおよそ30件以上東近江市に寄せられた[13][23]。また、滋賀県内の32のフリースクールなどで作る協議会は「市長の発言は到底容認できない」として、同月19日に小椋市長宛に発言の撤回などを求める抗議文を提出しているなど、市長の発言に対する批判が続いている[25]

小椋は、これらの批判を受けてもなお「発言は撤回しない[23]」と明言し、「不適切発言と言われることに非常に心外な気持ち[18]」と述べた一方で、「国が十分な議論をせずにフリースクールへの支援を進めようとしているため、議論できるように問題提起として発言した」「アグレッシブに言い過ぎたのは認める。舌足らずの部分があったがフリースクールや、そこに通わせる保護者を否定したわけではない」と釈明している[25]

脚注

[編集]
  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.615
  2. ^ a b 市長プロフィール | 東近江市ホームページ
  3. ^ 東近江市長選挙(2013/02/17投票)結果 | 選挙ドットコム
  4. ^ “滋賀・東近江市長に小椋氏、無投票再選”. 京都新聞. (2017年1月30日). http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170129000109 2017年2月28日閲覧。 
  5. ^ 「国家の根幹崩しかねない」 東近江市長、フリースクール巡り」『河北新報』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  6. ^ a b 「不登校になる大半の責任は親に」滋賀・東近江市長が不適切発言「フリースクール認めがくぜん」」『京都新聞』2023年10月17日。2023年10月18日閲覧。
  7. ^ a b 「国家の根幹を崩しかねない」 フリースクール巡り東近江市長」『福井新聞』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  8. ^ a b c 「不登校の責任の大半は親」「フリースクールは国家の根幹崩す」と市長 「その偏見が一番傷付く」の声」『FNN』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  9. ^ 「国家の根幹を崩しかねない」 フリースクール巡り東近江市長」『下野新聞』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  10. ^ a b c 「不登校の責任の大半は親」「フリースクールは国家の根幹崩す」と市長 「その偏見が一番傷付く」の声」『関西テレビ』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  11. ^ a b c 市長の『不登校』『フリースクール』巡る発言が物議…現場は「不快感…撤回求めたい」」『TBS』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  12. ^ a b c 「国家の根幹崩しかねない」 滋賀・東近江市長がフリースクール巡り発言」『産経新聞』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  13. ^ a b c d 滋賀 東近江市長“フリースクール 国家の根幹崩しかねない“」『NHK』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  14. ^ 「国家の根幹崩しかねない」 東近江市長、フリースクール巡り」『西日本新聞』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  15. ^ 「フリースクールは国家の根幹を崩す」「嫌でも通学を」…滋賀・東近江市長が不登校対策の会合で持論」『読売新聞』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  16. ^ 「国家の根幹を崩しかねない」 東近江市長、フリースクール巡り」『埼玉新聞』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  17. ^ a b 東近江市長「フリースクールは国家の根幹崩す」「不登校の責任は親」」『毎日新聞』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  18. ^ a b 滋賀・東近江市長「良かれと思ってやることが…」 不登校めぐりフリースクール“否定”発言か 釈明も」『日本海テレビ』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  19. ^ 「国家の根幹崩しかねない」 東近江市長、フリースクール巡り」『北海道新聞』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  20. ^ 『フリースクール』を批判「国家の根幹を崩しかねない」と滋賀・東近江市長が会議で発言 真意は…」『読売テレビ』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  21. ^ a b 「国家の根幹を崩しかねない」 東近江市長、フリースクール巡り」『共同通信』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  22. ^ a b c d e 林利香「フリースクールは「国家の根幹を崩しかねない」 東近江市長が発言」『朝日新聞』2023年10月17日。2023年10月18日閲覧。
  23. ^ a b c d e 林利香、松浦和夫、武部真明「フリースクールめぐる発言、東近江市長は撤回せず 困惑する保護者ら」『朝日新聞』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  24. ^ a b 「不登校、大半の責任は親」発言の東近江市長が取材に応じる「私は問題提起をした」」『MBS』2023年10月18日。2023年10月18日閲覧。
  25. ^ a b 滋賀 東近江市長のフリースクールめぐる発言 撤回求め署名活動 - NHK NEWS WEB 2023年10月19日

外部リンク

[編集]