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普遍汎化(ふへんはんか、英: Universal generalization, Universal introduction,[1][2][3] GEN)は、述語論理において妥当な推論規則のひとつである。これは、もし
が導出されていれば、
を導出してよい、という意味である。
十分な汎化規則のもとでは
記号の左側に仮定を置くことができるが、制限もある。Γは論理式の集合であり、
は論理式であり、
は導出されていると仮定する。汎化規則では、yがΓに言及されておらず、xが
に現れない場合、
が導かれる、とする。
これらの制限は健全性を保つために必要である。最初の制限がなければ、仮定
から
を結論づけることができてしまう。また2番目の制約がなければ、次のような演繹を行うことができてしまう。
(仮定)
(存在例化)
(存在例化)
(誤った普遍汎化)
これは、
が不健全な演繹であると示すことを目的としている。
例題:
は
および
から導出できる。
証明:
番号
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式
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正当化
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1
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仮定
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2
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仮定
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3
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普遍例化
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4
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(1)(3)と前件肯定
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5
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普遍例化
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6
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(2)(5)と前件肯定
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7
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(6)(4)と前件肯定
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8
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(7)と普遍汎化
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9
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(1)から(8)のまとめ
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10
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(9)と演繹定理
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11
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(10)と演繹定理
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この証明では、普遍汎化がステップ8で使用されている。移行された式に自由変項がないため、ステップ10と11では演繹定理が適用できた。
- ^ Copi and Cohen
- ^ Hurley
- ^ Moore and Parker