ワールドゴルフランキング
オフィシャルワールドゴルフランキング(世界ゴルフランキング、英: Official World Golf Ranking)は、1985年から制度化されている、世界のゴルフランキングのことである。
ポイント対象ツアー
[編集]PGAツアー国際連盟に加盟されている5つの主要ツアーは
- PGAツアー - アメリカと北米
- ヨーロピアンツアー - ヨーロッパ
- PGAツアー・オブ・オーストラレイジア - オーストラリア、ニュージーランド、フィジー
- 日本ゴルフツアー - 日本
- サンシャインツアー - 南アフリカ
- アジアンツアー(国際連盟非メンバー) - 日本以外のアジア
また下記のツアーもポイントの対象となる
- ウェブドットコムツアー, PGAツアーの公式下部大会
- チャレンジツアー, ヨーロピアンツアーの公式下部大会
- PGAツアー・カナダ, 2009年まではカナディアンプロフェッショナルゴルフツアーの名称であった。
- ワンアジアツアー, 2009年に加盟
- 韓国プロゴルフツアー, 2011年に加盟
- PGAツアー・ラティーノアメリカ(NECシリーズ), 2012年に加盟
- アジアンデベロップメントツアー, アジアンツアーの公式下部大会[1]
- PGAツアー・チャイナ, 2014年に加盟[2]
- アルプスツアー, 2015年7月に加盟[3]
- ノルディックゴルフリーグ, 2015年7月に加盟[3]
- PGAユーロプロツアー, 2015年7月に加盟[3]
- プロゴルフツアー, 2015年7月に加盟[3]
- MENAゴルフツアー, 2016年4月に加盟[4]
概説
[編集]最初に世界ランキング1位になった選手は、ベルンハルト・ランガー(当時西ドイツ)であった。最初は各地の賞金ランキングの“お飾り”のような位置づけで、ほとんど効力を持っていなかった。しかし、1999年からメジャー選手権や世界ゴルフ選手権などの出場資格を決定するに際して、「世界ゴルフランキング50位以内」が加えられるようになった。これ以後、ゴルフ世界ランキングは大きな位置づけを持つようになる。
ゴルフの世界ランキングは、過去「2年間」にトーナメントで獲得したポイントを、出場試合数(ただし、40試合以下の場合は「40」、56試合以上の場合は「56」)で割り算する平均点方式を取っている。メジャー大会のポイントはもちろん大きい(優勝で100pt)が、各トーナメントの大会規模だけでなく、地域ツアーによっても獲得できるポイントが大きく異なる。基本的にはアメリカPGAツアー → 欧州ツアー → 日本ツアーなどの順に、獲得ポイントが少なくなっていく。LIVゴルフ参戦組を排除しないゴルフ大会もあるため、その点数は厳密に反映させてランキング付けを行っている。
Tour | 平均ポイント | 旗艦大会 | 最高ポイント |
---|---|---|---|
PGAツアー | 24 | ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ | 80 |
ヨーロピアンツアー | 24 | BMW PGA選手権 | 64 |
日本ゴルフツアー機構 | 16 | 日本オープンゴルフ選手権競技 | 32 |
オーストラレーシアPGAツアー | 16 (6) | オーストラリアン・オープン | 32 |
サンシャインツアー | 14 (6/4) | アルフレッド・ダンヒル選手権 | 32 |
アジアンツアー | 14 | インドネシアン・マスターズ | 20 |
ウェブドットコムツアー | 14 | ウェブドットコムツアー選手権 | 20 |
チャレンジツアー | 12 | チャレンジツアー・グランドファイナル | 16 |
PGAツアー・カナダ | 6 | n/a | n/a |
ワンアジアツアー | 6 | n/a | n/a |
PGAツアー・ラティーノアメリカ | 6 | n/a | n/a |
韓国プロゴルフツアー | 6 | n/a | n/a |
アジアンデベロップメントツアー | 6 | n/a | n/a |
PGAツアー・チャイナ | 6 | n/a | n/a |
アルプスツアー | 4/6 | n/a | n/a |
ノルディックゴルフリーグ | 4/6 | n/a | n/a |
PGAユーロプロツアー | 4/6 | n/a | n/a |
プロゴルフツアー | 4/6 | n/a | n/a |
ランキングの記録
[編集]かつて世界ランキング1位を保持した生涯最長記録は、グレッグ・ノーマン(オーストラリア)の「331週」であった。これをタイガー・ウッズ(アメリカ合衆国)が塗り替えた。(2024年現在で通算683週)。
連続世界1位保持の最長記録は、タイガー・ウッズの「281週」(2005年6月12日~2010年10月30日)である。タイガー・ウッズが初めて世界ランキング1位になったのは、1997年6月16日(当年の全米オープンの大会終了後)であった。ウッズとノーマンの両選手が抜きん出ているが、その下にダスティン・ジョンソン(アメリカ合衆国)の「135週」、ローリー・マキロイ(北アイルランド)の「122週」、スコッティ・シェフラー(アメリカ合衆国)の「119週」と続く。
日本人選手では松山英樹(2017年)の2位が過去最高位であり、その他には中嶋常幸が4位(1987年)、尾崎将司が5位(1996年)、青木功が8位(1987年)と計4人がトップ10入りしている[5]。
歴代世界ランキング1位
[編集]選手 | 国・地域 | 到達日 | 合計週数 | |
---|---|---|---|---|
1 | ベルンハルト・ランガー | 西ドイツ | 1986年4月6日 | 3 |
2 | セベ・バレステロス | スペイン | 1986年4月27日 | 61 |
3 | グレッグ・ノーマン | オーストラリア | 1986年9月14日 | 331 |
4 | ニック・ファルド | イングランド | 1990年9月2日 | 97 |
5 | イアン・ウーズナム | ウェールズ | 1991年4月7日 | 50 |
6 | フレッド・カプルス | アメリカ合衆国 | 1992年3月22日 | 16 |
7 | ニック・プライス | ジンバブエ | 1994年8月14日 | 44 |
8 | トム・レーマン | アメリカ合衆国 | 1997年4月20日 | 1 |
9 | タイガー・ウッズ | アメリカ合衆国 | 1997年6月15日 | 683 |
10 | アーニー・エルス | 南アフリカ共和国 | 1997年6月22日 | 9 |
11 | デビッド・デュバル | アメリカ合衆国 | 1999年3月28日 | 15 |
12 | ビジェイ・シン | フィジー | 2004年9月5日 | 32 |
13 | リー・ウエストウッド | イングランド | 2010年10月31日 | 22 |
14 | マルティン・カイマー | ドイツ | 2011年2月27日 | 8 |
15 | ルーク・ドナルド | イングランド | 2011年5月29日 | 56 |
16 | ローリー・マキロイ | 北アイルランド | 2012年3月4日 | 122 |
17 | アダム・スコット | オーストラリア | 2014年05月18日 | 11 |
18 | ジョーダン・スピース | アメリカ合衆国 | 2015年8月16日 | 26 |
19 | ジェイソン・デイ | オーストラリア | 2015年9月20日 | 51 |
20 | ダスティン・ジョンソン | アメリカ合衆国 | 2017年2月19日 | 135 |
21 | ジャスティン・トーマス | アメリカ合衆国 | 2018年5月13日 | 5 |
22 | ジャスティン・ローズ | イングランド | 2018年9月10日 | 13 |
23 | ブルックス・ケプカ | アメリカ合衆国 | 2018年10月21日 | 47 |
24 | ジョン・ラーム | スペイン | 2020年7月19日 | 52 |
25 | スコッティ・シェフラー | アメリカ合衆国 | 2022年3月27日 | 119 |
最長記録, 太字:現在の1位
2024年12月22日付(累計2,009週)
女子ゴルフ世界ランキング
[編集]2006年シーズンから、女子ゴルフにも世界ランキングが導入された。現在は時計会社のスポンサーつきの名称で「ロレックス女子ゴルフ世界ランキング」(Rolex Women's World Golf Rankings、略称:ロレックスランキング(Rolex Rankings))と呼ばれている。2006年2月20日に第1回の女子ゴルフランキングが発表されたが、半年後の8月8日付でシステムに一部変更が加えられ、出場試合数の少ない選手でも「35」で割り算する平均点方式になった。女子も過去2年間に獲得したポイントが対象となる。2010年6月21日付けでのランキングで、宮里藍選手が日本人初の世界ランク1位となった[6]。
歴代世界ランキング1位(女子)
[編集]選手 | 国・地域 | 到達日 | 合計週数 | |
---|---|---|---|---|
1 | アニカ・ソレンスタム | スウェーデン | 2006年2月21日 | 60 |
2 | ロレーナ・オチョア | メキシコ | 2007年4月23日 | 158 |
3 | 申智愛 | 韓国 | 2010年5月3日 | 25 |
4 | 宮里藍 | 日本 | 2010年6月21日 | 11 |
5 | クリスティ・カー | アメリカ合衆国 | 2010年6月28日 | 5 |
6 | ヤニ・ツェン | 中華民国 | 2011年2月14日 | 109 |
7 | ステイシー・ルイス | アメリカ合衆国 | 2013年3月18日 | 25 |
8 | 朴仁妃 | 韓国 | 2013年4月15日 | 106 |
9 | リディア・コ | ニュージーランド | 2015年2月2日 | 125 |
10 | アリヤ・ジュタヌガーン | タイ | 2017年6月12日 | 23 |
11 | ユ・ソヨン | 韓国 | 2017年6月26日 | 19 |
12 | パク・ソンヒョン | 韓国 | 2017年11月6日 | 20 |
13 | 馮珊珊 | 中国 | 2017年11月13日 | 23 |
14 | コ・ジンヨン | 韓国 | 2019年4月8日 | 163 |
15 | ネリー・コルダ | アメリカ合衆国 | 2021年6月28日 | 77 |
16 | アタヤ・ティティクル | タイ | 2022年10月31日 | 2 |
17 | リリア・ヴ | アメリカ合衆国 | 2023年8月14日 | 28 |
18 | 殷若寧 | 中国 | 2023年9月11日 | 4 |
最長記録, 太字:現在の1位
2024年12月23日付(累計983週)
外部リンク
[編集]- 世界ゴルフランキング公式サイト(英語)
- 世界ゴルフランキング公式サイト(女子、Women's World Golf Rankings)(英語)
- 女子ロレックスランキング公式サイト(日本語、英語ほか)
- PGAツアー内の統計 (英語、ランキング表の上にある“Select Year”で年度を選ぶ)
- ゴルフ世界ランキング |GDO(日本語、ゴルフダイジェストオンライン)
脚注
[編集]- ^ “Ranking Points Incentive For Asian Development Tour Hopefuls” (January 29, 2013). February 4, 2013閲覧。
- ^ “OWGR – Press Release” (November 20, 2013). November 20, 2013閲覧。
- ^ a b c d “OWGR Board Announce Inclusion of New Tours”. OWGR (July 15, 2015). July 18, 2015閲覧。
- ^ “OWGR Board Announcement”. OWGR (April 15, 2016). June 21, 2016閲覧。
- ^ “松山、世界トップ10“AON”に続く日本人4人目の快挙!中嶋「英樹はすごい」”. GOLF報知. (2016年10月25日)
- ^ Ai Miyazato new No. 1 in Rolex Rankings