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日産・CMF

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

CMF(Common Module Family、コモン・モジュール・ファミリー)とは、ルノー=日産アライアンス(現・ルノー・日産・三菱アライアンス)に基づき、日産自動車ルノーが共同開発したプラットフォームを基幹としたFFとFFベースの4WD車用のエンジニアリングアーキテクチャーである[注釈 1]

概要

基本的に、CMFは「コックピット」、「エンジン」、「フロントアンダーボディ」、「リヤアンダーボディ」の各モジュールに「電子アーキテクチャー」を加えた5つのモジュールから構成される。

従来、セグメントごとに設計・開発・製造していたプラットフォームを、複数のプラットフォームに共通したモジュールとして増加させることで、コンポーネントを共有化し、プラットフォームごとの台数を増やすことが出来るシステムとして開発された。これにより、軽自動車を含むコンパクトカークラスから大型セダンSUVまで幅広く展開させることが可能であると同時に、ルノー=日産アライアンスの特徴であるスケールメリットを活かし、「開発費削減」「部品点数削減」「製造コスト削減」「工期短縮」を効率よく行うことで、すべてのアイテムの経費を軽減させる役割も担う。

設計思想としては、フォルクスワーゲンの「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)[注釈 2]」やボルボの「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)」ならびに「CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)」、マツダの「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ・テクノロジー)」、SUBARUの「スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)」とほぼ同じであるが、トヨタ自動車の「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」ならびにダイハツ工業の「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)」とはモジュール化の部分以外、やや違った構想である。

なお、CMFは2013年発表のローグエクストレイルを皮切りに、順次、日産(含:インフィニティダットサン)、ルノー、ルノーサムスン(現・ルノーコリア)、ダチア東風汽車の各車種に採用され[1]、2016年に資本業務提携し、ルノー=日産アライアンスの傘下に収めた三菱自動車工業や技術提携先であるメルセデス・ベンツの車種にも採り入れている[2]

フューエルリッドは車両右側にある[注釈 3]

CMF採用車種

ルノー・タリスマン
キャシュカイ
メルセデス・ベンツ・シタン
ノート(3代目)
デイズ(2代目)
三菱デリカミニ
アリア

CMF-C/D

CMF-C/D 3

CMF-B

CMF-B HS

High Specificationsの略)

CMF-B LS

Low Specificationsの略)

CMF-A+

CMF-A

CMF-EV

脚注

注釈

  1. ^ CMF自体はプラットフォームではない。
  2. ^ 本来、MQBとはドイツ語で「モジュールキット」を意味するModulare Quer Baukastenの頭文字をとったもの。
  3. ^ 三菱・アウトランダーPHEV(右側は充電口)、三菱・ekワゴン/ekクロス・ekスペース/ekクロススペース・日産・デイズ・ルークスは左側。
  4. ^ L47型ルノーサムスン・SM7をベースとした中国向けとは別物。

出典

外部リンク