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架線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トロリー線から転送)
電気鉄道における架線の一例

架線(かせん、がせん、英語: overhead line)とは

英語の overhead line(s) (オーバーヘッドライン〈ズ〉)は「上の線」や「空中の線」という意味。

空中に張り渡された線

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送電用と通信用がある。

送電工事の関係者の間ではフィクション架空くう)との混同を避けるため、「くう」と読む慣習がある[1]。一般向けの説明では「かくう」の読みを使うこともある[2]

架線を架け渡すこと

電力事業者電線路工事の現場では、送電線を張る作業の意味の架線は「せん」と読む[3][4]

架線のメンテナンス


電気鉄道の架線

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電気鉄道で電気車(電気機関車電車)の運転に使用されるものの正式/制式名称架空電車線(かくうでんしゃせん)であり、架空方式(電車線を線路の上方に施設する方式)により施設する電車線を指す[5]。なお、鉄道の現場では、仮線、下線、河川、活線(かっせん=通電中状態)などとの混同を防ぐ目的で「せん」と読まれる。

架空電車線方式において列車が通る空間の上部(日本においては直流・交流、設置場所などで下限高さが異なる[注釈 1][6][注釈 2]

電気車の集電装置に接するトロリ線の吊り方には多くの方式がある。架線を構成する電線が多くなるほどトロリ線のばね定数が均一化し、列車速度の向上が可能となる。速度向上のためには、その他に張力を向上させる必要もある。トロリ線には伝導特性展延性に優れる線を用いることが一般的であるが、レール方向に対する延びや磨耗による事故を防ぎ、かつ、交換周期の延長を図るため、日本の在来線の長大トンネルなどでは、鋼鉄製のものを使用する場合もある。集電子の同じ箇所ばかりが接触して偏摩耗してしまうことを防ぐため、直線区間であっても、架線はある程度の幅でジグザグに張られている。

架空電車線を吊るすためのビーム等の支持物、曲線引き装置、引止め装置、き電線支持 等に使われるための電柱は「電化柱」という。

電気鉄道の関連項目

参考文献

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脚注

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注釈

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  1. ^ 普通の鉄道における直流の場合はトンネル内部の上面や橋の下面に類する場所は3.5 m以上、鉱山やその他の坑道上面は1.8 m以上、その他は5 m以上である。鋼索鉄道は300 V以下と言う電圧制限があるので、トンネル内上面などの制限は同じだが、「その他」が4 m以上に緩和されている。交流の場合は架線高さそのものの規定はないが、第211条【交流電車線路の施設制限】において「電気鉄道の専用敷地に設置」という規定がある。
  2. ^ 鉄道事業者の電線路においては、現在の管轄が国土交通省であるため許認可は国土交通省が行うが、その審査は電気事業法諸法令と整合を取るよう審査する覚書が交わされている。

出典

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  1. ^ 架空送電線(がくうそうでんせん)の話|produced by 株式会社タワーライン・ソリューション”. www.k-tls.co.jp. 2023年8月5日閲覧。
  2. ^ 配電について”. www.kansai-td.co.jp. 2023年10月27日閲覧。
  3. ^ 架線工事 - 送電線建設技術研究会”. www.sou-ken.or.jp. 2023年10月27日閲覧。
  4. ^ 〈更新日不明〉2019年3月7日閲覧)
  5. ^ 電気設備の技術基準の解釈』 第201条【電気鉄道等に係る用語の定義】(省令第1条)、平成30年10月1日付け改正・20180824保局第2号 。
  6. ^ 『電気設備の技術基準の解釈』 第205条【直流電車線の施設】(省令第5条第1項、第6条、第20条、第25条第1項)・第217条【鋼索鉄道の電車線等の施設(省令第5条第1項、第20条、第25条第1項、第28条、第52条、第53条第2項、第54条)】平成30年10月1日付け改正・20180824保局第2号 。

関連項目

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