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テコフィレア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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テコフィレア
テコフィレア・シアノクロカス
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperm
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: テコフィレア科 Tecophilaeaceae
: テコフィレア属 Tecophilaea
学名
Tecophilaea
英名
Chilean blue crocus

テコフィレア、テコフィラエア(学:Tecophilaea)は、テコフィレア科に含まれる属の一つ。または、テコフィレア属に含まれる植物の総称。かつてはヒガンバナ科に分類されていた。

特徴

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南アメリカアンデス山脈に生息する球根植物である。主に栽培、観賞される種はヴィオラセア種とシアノクロカス種、その変種にライトヒニー種がある。特にシアノクロカス種は非常に鮮やかな青色の花を咲かせるので「アンデスの青い星」「チリアンブルー」と呼ばれている。また、ヴィオラセア種も青色の花を咲かせる。その花の美しさから乱獲され、シアノクロカス種は絶滅の危機に瀕している[1]。大量繁殖が難しく、球根は高額で取引されている。但し、栽培の難易度自体はさほど難しくはない。ただし、両種とも寒さにはやや弱く、降霜すると葉が傷むので防霜対策が必要となる[2][3]。新しい球根は古い球根の下側に作られ、更にその下側に牽引根が形成される[4]

栽培方法

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ヴィオリフロラ種の花
植栽されたシアノクロカス種   (キュー王立植物園にて)

二種とも早春時期に葉を出し、花を咲かせる。6月には地上部は枯れ、休眠状態に入る成長サイクルを取っている。但し休眠期間にあたる夏期に水やりは不要である。秋~冬にかけて水やりを開始するが、過度な水やりは避け、乾燥気味になるようにする。早春に芽吹き始めるので、この状態になったら秋~冬よりも水やりの頻度を増やす様にする。この際、既定値より稀釈した液体肥料を月に2~3回施肥しても良い。移植、植え替えの場合は、10~11月が適期にあたる。球根が成熟してくると分球が発生する様になるので、分球を取り分ける事で増殖が可能[5]

名前の由来

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名前の由来は、1836年にこの植物を見つけたトリノのイタリア人植物学者ルイジ・アロイシウス・コッラの娘で植物画家のテコフィラ・ビロッティにちなんで名付けられたとされる。または、植物画家のTecophila Colla-Billot氏への献名である。また、種小名cyanocrocusは、cyaneus(暗い藍色)+crocus(サフラン)が語源とされている[2]

品種

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2種2変種が認められている[1]。参考元はこちら

  • テコフィレア・ヴィオリフロラ

 (Tecophilaea violiflora

 ペルーリマ州周辺、チリサンティアゴ州周辺に生息する。花色は青色であるが、コバルトブルーよりかは水色に近い色をしている。

  • テコフィレア・シアノクロカス

 (Tecophilaea cyanocrocus

 チリのサンティアゴ州周辺に自生する種。鮮やかなコバルトブルーの花を咲かせる。

  • テコフィレア・シアノクロカス・ライトヒニー

 (Tecophilaea cyanocrocus var. leichtlinii

 花は明るい濃青色で、白い部分が大きく、個体によっては青い覆輪のようになる。

  • テコフィレア・シアノクロカス・ヴィオラセア

 (Tecophilaea cyanocrocus var. violacea)

 花は濃い紫色だが、個体によりラベンダー色のものまである。

脚注

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  1. ^ a b テコフィレアとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版」『みんなの趣味の園芸』。2025年1月11日閲覧。
  2. ^ a b テコフィレア|園芸植物小百科|育て方|花の写真”. flower365.jp. 2025年1月11日閲覧。
  3. ^ テコフィレア:シアノクロッカス 1球ポット植え”. engeinet. 2025年1月11日閲覧。
  4. ^ 世界の半分は植物界”. 世界の半分は植物界. 2025年1月11日閲覧。
  5. ^ テコフィレアの育て方 | 色々な育て方の情報 育て方ボックス”. www.sodatekata-box.jp. 2025年1月11日閲覧。