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ピペラシリン・タゾバクタム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピペラシリン・タゾバクタム
成分一覧
ピペラシリン Ureidopenicillin antibiotic
タゾバクタム Beta-lactamase inhibitor
臨床データ
Drugs.com monograph
MedlinePlus a694003
胎児危険度分類
  • US: B
法的規制
データベースID
CAS番号
123683-33-0 ×
ATCコード J01CR05 (WHO)
PubChem CID: 9918881
ChemSpider 8094523 チェック
ChEMBL CHEMBL436129 チェック
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ピペラシリン・タゾバクタムは、広域スペクトラムのペニシリン抗生物質ピペラシリンβラクタマーゼ阻害剤タゾバクタムの合剤。製品名は日本では「ゾシン」「タゾシン」(大鵬薬品工業製造販売)、「Tazocin」(カナダ、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、イタリアにおいてファイザー製造販売)、「Zosyn」(米国、ファイザー製造販売)。これらの薬剤の組み合せは、多くの グラム陽性菌 及び グラム陰性菌緑膿菌に対し効果を示す。

用途

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主な用途は、 集中治療医学 (肺炎腹膜炎など)、 糖尿病関連下肢感染症、発熱性好中球減少症(例:化学療法後)である。この薬剤を静脈から、6または8時間おきに、通常は3-30分で投与する。4時間以上かけて継続的に投与することもできる。長時間投与は、血中濃度が最小発育阻止濃度(MIC)を超える時間を最大にすると考えられている。

ピペラシリン・タゾバクタムはNIHにより、好中球減少を伴うがん患者の菌血症・敗血症の第一選択薬とされている。[1]

適応症

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  1. 一般感染症
    適応菌種: 本剤に感受性のあるブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、クロストリジウム属(クロストリジウム・ディフィシルを除く)、バクテロイデス属、プレボテラ属
    適応症: 敗血症肺炎腎盂腎炎、複雑性膀胱炎腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎
  2. 発熱性好中球減少症

副作用

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最も多く見られる副作用は 下痢症 (7%~11%)である。[2] ある研究では Clostridium difficile関連下痢症が4.9%にみられた。[3] 血小板機能抑制や血小板減少症も報告されている。[4]

製品名

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日本では「ゾシン」「タゾシン」が先発品として販売されている。TazocinとZosynの他に、Biopiper TZ、Brodactam、Piptaz、Maxitaz、Kilbac、Trezora、Du-Tazop、Tazopen、Sytaz、Inzalin TZなどが販売されている。

脚注

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  1. ^ Neutropenic Sepsis: Prevention and Management of Neutropenic Sepsis in Cancer Patients - National Library of Medicine - PubMed Health”. 2017年3月31日閲覧。
  2. ^ Piperacillin and Tazobactam Sodium”. Merck Manual Professional. November 20, 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月31日閲覧。
  3. ^ Yeung, EYH (2012). “A Retrospective Analysis of the Incidence of Clostridium Difficile Associated Diarrhea with Meropenem and Piperacillin-tazobactam”. International Journal of Collaborative Research on Internal Medicine & Public Health 4 (8): 1567–1576. http://www.iomcworld.com/ijcrimph/files/v04-n08-08.pdf. 
  4. ^ Recurrent acute thrombocytopenia in the hospitalized patient: Sepsis, DIC, HIT, or antibiotic-induced thrombocytopenia. 85. (January 2010). pp. 71–74. doi:10.1002/ajh.21536. PMC 4410979. PMID 19802882. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ajh.21536/full.