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コモンキングヘビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コモンキングヘビ
トウブキングヘビ
Lampropeltis getula getula
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: ナミヘビ科 Colubridae
: キングヘビ属 Lampropeltis
: コモンキングヘビ L. getula
学名
Lampropeltis getula
(Linnaeus, 1766)
和名
コモンキングヘビ
英名
Common kingsnake

コモンキングヘビ学名Lampropeltis getula)は、ナミヘビ科キングヘビ属に分類されるヘビ

分布

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  • L. g. californiae カリフォルニアキングヘビ

アメリカ合衆国アリゾナ州オレゴン州カリフォルニア州ネバダ州ユタ州)、メキシコバハ・カリフォルニア州バハ・カリフォルニア・スル州

  • L. g. floridana フロリダキングヘビ

アメリカ合衆国(フロリダ州南部)

  • L. g. getula トウブキングヘビ

アメリカ合衆国東部

  • L. g. holbrooki シモフリキングヘビ

アメリカ合衆国南部、メキシコ北部

  • L. g. niger カスミキングヘビ

アメリカ合衆国(ケンタッキー州テネシー州

  • L. g. nigrita クロキングヘビ

アメリカ合衆国南部、メキシコ北部

  • L. g. splendida サバクキングヘビ

アメリカ合衆国(アリゾナ州テキサス州)、メキシコ北部

形態

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最大全長200cm。全長や体色亜種によって異なる。繁殖個体は様々な品種がいるためこの限りではない。

  • L. g. californiae カリフォルニアキングヘビ

最大全長150cm。黒褐色や茶色の体色に黄、淡黄色の横縞が入るが、縦縞模様の個体もいる。

  • L. g. floridana フロリダキングヘビ

黒褐色や茶色の体色に黄、淡黄色の斑紋が入る。体側面がオレンジや赤に染まることがある。

  • L. g. getula トウブキングヘビ

最大亜種。黒い体色に細く白い帯模様が鎖状に入る。

  • L. g. holbrooki シモフリキングヘビ

体色は黒。和名の通り全身に白い霜降り状の斑点が密集する。

  • L. g. nigra カスミキングヘビ

体色は黒く、白い斑点が所々に入る。

  • L. g. nigrita メキシカンクロキングヘビ

全身が黒い。幼蛇は明色の横縞が入る。

  • L. g. splendida サバクキングヘビ

頭部は黒く、体側面に淡黄色や黄色の斑紋が入る。

亜種

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亜種は複数の説がある。また自然下でも亜種間雑種個体群がいる。

  • Lampropeltis getula californiae (Blainville, 1835) カリフォルニアキングヘビ California kingsnake
  • Lampropeltis getula floridana Blanchard, 1919 フロリダキングヘビ Florida kingsnake
  • Lampropeltis getula getula (Linnaeus, 1766) トウブキングヘビ Eastern kingsnake
  • Lampropeltis getula holbrooki Stejneger, 1902 シモフリキングヘビ Speckled kingsnake
  • Lampropeltis getula nigra (Yarrow, 1882) カスミキングヘビ Black kingsnake
  • Lampropeltis getula nigrita Zweifel & Norris, 1955 メキシカンクロキングヘビ Mexican black kingsnake
  • Lampropeltis getula splendida (Baird & Girard, 1853) サバクキングヘビ Desert kingsnake

生態

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砂漠森林草原、農耕地等、様々な環境に生息する。

食性は動物食で、魚類両生類、小型爬虫類、鳥類やその卵、小型哺乳類等を食べる。

繁殖形態は卵生で、1回に5-24個の卵を数回に分けて産む。

現地では脅威とされているガラガラヘビをも食べてしまう(毒への耐性を持ち合わせている)ことが、ヘビの王=キングスネークの名称の由来になっている。

人間との関係

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ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。コーンスネークに次いでヘビの中では飼育の歴史も古い。日本にも複数の亜種や地域変異個体が輸入されているが、亜種カスミキングヘビの入荷は稀。亜種間雑種個体群や一部個体群の学名は抹消されているが、流通名として付けられている事もある。(基亜種と亜種フロリダキングヘビの亜種間雑種goiniや亜種フロリダキングヘビの南部個体群brooksi等)飼育、繁殖とも易しく脱走に気をつければさほど大型のケージを使わずとも飼育できる。

野生下では爬虫類を好む傾向にあるが、飼育にあたっては専門店等で販売されている冷凍マウスや冷凍ラットを個体の大きさに合わせて与えるだけで問題ない。多くの個体が旺盛に餌を食べるが同種も食べてしまうので、繁殖で一時的にオスとメスを同じケージに入れる場合を除いては基本的には単独飼育となる。飼育下では多くの品種が作られている。

品種(カリフォルニアキングヘビ)

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  • アルビノ - 黒色色素がない。
  • クレイジー - バンデッドとストライプの中間。クレイジーという名称は日本だけで、他国ではアベラントと呼ばれる。
  • コースタル - 黒褐色や茶色の体色に黄、淡黄色の縞が入る。
  • ストライプ - 縦縞(優性遺伝)。
  • チョコレート(メラニスティック) - 黒色色素が多い。
  • デザート - 黒の体色に白の縞が入る。
  • ハイポメラニスティック - 黒色色素が少ない。
  • バンデッド - 横縞。
  • 50/50(フィフティー/フィフティー) - デザートかつバンデッドで黒白の割合が同じか、若干白色部分が多い。
  • ラベンダー - T+アルビノ(チロシナーゼポジティブアルビノ)。本来はアルビノでは機能しないチロシナーゼ(黒色色素を作る酵素)が働くため色の濃くなるアルビノ

画像

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関連項目

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参考文献

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  • 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、116-117、119頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、123頁。
  • 山田和久 『爬虫・両生類ビジュアルガイド ヘビ』、誠文堂新光社、2005年、24-28頁。