GWファーマシューティカルズ
種類 | 公開有限会社 |
---|---|
市場情報 |
NASDAQ: GWPH LSE: GWP |
業種 | 製薬 |
設立 | 1998 |
創業者 | Geoffrey Guy, Brian Whittle |
本社 |
ケンブリッジ、 イギリス[1] |
主要人物 | Justin Gover (CEO)[2] |
製品 | Sativex |
売上高 | 28.54百万ポンド (2015)[3] |
部門 | バイオテクノロジー |
ウェブサイト |
www |
GWファーマシューティカルズ (GW Pharmaceuticals) は、イギリスのバイオ医薬品企業で、多発性硬化症の治療薬ナビキシモルス(商品名サティベックス)で知られる。サティベックスは、天然の大麻に由来する製品としては世界で初めて承認されたものである[4]。別の大麻由来の製品、エピディオレックスはてんかんの治療薬として2015年に第III相臨床試験が開始され、アメリカで2018年に承認された[5][6]。2019年には欧州でも承認[7]。2021年よりジャズ・ファーマシューティカルズの子会社。
歴史
[編集]医師のジェフリー・ガイとブライアン・ウィットルが、1998年にGWファーマシューティカルを創設した。その年、イギリス内務省と医薬品・医療製品規制庁 (MHRA) から、GWファーマシューティカルが医療大麻の科学的研究を実施するために種やクローンからアサを栽培できる許可を得た[8][9]。
2021年にGWファーマシューティカルズは、アイルランドのジャズ・ファーマシューティカルズに72億ドルで買収された[10]。
製品
[編集]サティベックス
[編集]ナビキシモルス(商品名サティベックス)は、大麻の抽出物の生薬で、口腔投与にて用いられる。2010年にイギリスで承認され、多発性硬化症の患者が、神経因性疼痛、痙縮、過活動膀胱などの症状を緩和するための治療薬である[11]。2016年末には30か国で使われている[12]。
2011年にはバイエルと提携し[13]、2012年より年間100万トンの医療大麻を生産するとしている。
エピディオレックス
[編集]2015年には、GWファーマシューティカルは、子供の希少疾患であるドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群の治療のための、大麻由来成分カンナビジオールの製品の治験第III相試験を開始した[14]。結果は2017年に論文となっており[15]、臨床試験の結果を受けて2018年に承認される予定とされていた[12]。2018年6月エピディオレックスはアメリカで医薬品として承認された[16]。続いて、欧州では2019年9月にドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群に対して医薬品として承認された[7]。
日本では2019年に臨床試験という位置づけでの使用が許可され[17]、同年4月には聖マリアンナ医科大学が治験の申請準備を開始した[18]。 2024年4月26日、厚生労働省の専門部会が、エピディオレックスの希少疾病用医薬品への指定を了承した。国内で大麻草由来の医薬品が指定されるのは初めて[19]。
脚注
[編集]- ^ “GW Pharmaceuticals Ltd” (17 August 2017). 2017年9月7日閲覧。
- ^ Julia Kollewe (2011年4月17日). “The man who secretly (and legally) grows 20 tonnes of cannabis a year”. The Guardian 2021年1月17日閲覧。
- ^ “Prices and markets Stocks of GW PHARM”. Londonstockexchange.com. 2016年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ Elizabeth Landau (21 June 2010). “World's first fully approved cannabis drug on sale in UK”. Thechart.blogs.cnn.com. 2017年9月7日閲覧。
- ^ Ward, Andrew (9 January 2014). “GW raises nearly $90m to develop childhood epilepsy treatment”. Financial Times 20 January 2014閲覧。
- ^ plc, GW Pharmaceuticals. “GW Pharmaceuticals Initiates Second Phase 3 Pivotal Study of Epidiolex(R) (CBD) in Lennox-Gastaut Syndrome”. 20 September 2015閲覧。
- ^ a b Ellen Milligan (2019年9月24日). “EU、大麻由来の医薬品を初めて承認-英GWファーマのてんかん薬”. Bloomberg. 2021年1月17日閲覧。
- ^ Pete Brady (25 April 2003). “GW Pharm responds to CC”. Cannabisculture.com. 12 November 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月7日閲覧。
- ^ Cannabis in Medical Practice: A Legal, Historical, and Pharmacological Overview of the Therapeutic Use of Marijuana (Google eBook)
- ^ Timothy Annett (2021年2月4日). “ジャズ・ファーマ、同業のGW買収で合意-現金と株式で約7600億円”. Bloomberg. 2021年2月21日閲覧。
- ^ UK Medicines Online Nabiximols Page accessed 3 February 2016
- ^ a b Borchardt, Debra (2016年12月9日). “英製薬会社、臨床試験結果に自信も「トランプ大統領」に不安”. フォーブス日本版 2017年9月1日閲覧。
- ^ “GWPharma – GW and Bayer Announce Marketing Agreement on Pioneering New Cannabis-based Treatment”. Gwpharm.com (2003年5月21日). 2016年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。[出典無効]
- ^ Butticè, Claudio (9 December 2015). “Therapeutic Cannabis for children – a possible new treatment for epilepsy”. Meds News. 3 February 2016閲覧。
- ^ Devinsky, Orrin; Cross, J. Helen; Laux, Linda; et al. (2017). “Trial of Cannabidiol for Drug-Resistant Seizures in the Dravet Syndrome”. New England Journal of Medicine 376 (21): 2011–2020. doi:10.1056/NEJMoa1611618. PMID 28813226 .
- ^ Amy Maxmen. “大麻由来の抗てんかん薬が米国で承認”. Nature ダイジェスト. doi:10.1038/ndigest.2018.181015. 2021年1月17日閲覧。
- ^ “大麻成分のてんかん新薬、国内臨床試験へ 米は既に承認”. 朝日新聞. (2019年3月19日) 2021年1月17日閲覧。
- ^ 水戸部六美 (2019年4月11日). “大麻成分含むてんかん薬、治験申請へ 聖マリアンナ医大”. 朝日新聞 2021年1月17日閲覧。
- ^ 日本経済新聞2024年4月27日朝刊5面「大麻草由来の医薬指定 抗てんかん剤のCBD」
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Helen Shen、米国の大麻研究を妨害する連邦政府の官僚主義、『Nature 』doi:10.1038/ndigest.2014.140614 エピディオレックスの承認以前の年代に、大麻に関する研究の困難を解説した記事