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イレズミフエダイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イレズミフエダイ属から転送)
イレズミフエダイ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: フエダイ科 Lutjanidae
亜科 : イトヒキフエダイ亜科 Paradichthyinae
: イレズミフエダイ属
Symphorichthys Munro, 1967
: イレズミフエダイ S. spilurus
学名
Symphorichthys spilurus
(Günther, 1874)
シノニム[2]
  • Symphorus spilurus Günther, 1874
英名
Sailfin snapper
blue-lined sea bream
blue-lined sea perch

イレズミフエダイ(学名:Symphorichthys spilurus)は、フエダイ科海水魚の一種。イレズミフエダイ属単型インド太平洋に分布し、サンゴ礁に生息する。尾柄の黒斑と、頭部の形状が特徴である。生息域全体で漁業の対象となっており、幼魚は観賞魚として飼育される。

分類と名称

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1874年に魚類学者であるアルベルト・ギュンターによって、Symphorus spilurus として記載され、タイプ産地はパラオとされた[3]オーストラリア海洋学者であるイアン・スタッフォード・ロス・マンロー英語版は、1967年に本種を単型のイレズミフエダイ属 Symphorichthys に分類した[4]イトヒキフエダイ亜科の2属のうちの1つである[2]。属名は以前分類されていたイトヒキフエダイ属を示している。種小名は「spilos (斑点)」と「urus (尾)」を組み合わせたもので、尾柄にある大きな黒い斑点を指している[5]

分布

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ローリー礁英語版西オーストラリア州近海から、東はトンガフィジー、北は琉球諸島、南はニューカレドニアグレートバリアリーフまで、東インド洋から西太平洋にかけて分布する。スマトラ島西部沖のメンタワイ諸島タイの西海岸沖からの記録もある。水深5-60mで見られる[1]ラグーン砂地や、サンゴ礁の外側に生息する[6]

形態

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体は側扁し、体高は高く、頭部の背側は丸みを帯び、額は角張っており、吻部は短い。口は眼の前縁まで開く。前鰓蓋には切込みや突起はない。上顎には小さく扁平な歯が1列、下顎には約3列あり、両顎の外側には短い円錐形の歯が1列あり、他の歯より少し大きい。鋤骨歯はない[7]。背鰭は10棘と14-18軟条から、臀鰭は3棘と8-11軟条から成る[2]。背鰭と臀鰭では、少なくとも1本の軟条が鰭膜を超えて伸び、長い糸状になっている。胸鰭は長く、肛門を超えて伸びることもあり、16本の鰭条がある。尾鰭は截形で、上下の条がわずかに長い[7]。全長は通常50cmで、最大で60cmに達する[2]。体色は黄色がかており、体側面には青い縦縞が入る。尾柄の上部には淡く縁取られた大きな黒斑があり、目の上と頭の後部にはオレンジ色の横縞が入る。幼魚は全体的に淡い灰色がかった色で、吻部から尾の後縁まで、体側面の中央に沿って白く縁取られた黒い縞が入る。幼魚は背鰭と臀鰭が黄色がかり、一部の軟条が糸状に伸びる[6]

生態

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通常単独で見られるが、産卵の際はサンゴ礁の外側に集まる。砂の中に生息する甲殻類軟体動物などの底生生物を餌とし、魚類も捕食する[2]

人との関わり

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分布域全体で漁業の対象となっている。フィリピンなどの地域では乱獲されていることが知られているが、パラオなどの他の地域では、漁獲圧はそれほど大きくない。主に釣り底引網漁で捕獲される。幼魚は観賞魚として飼育される[1]

脚注

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  1. ^ a b c Russell, B.; Lawrence, A.; Myers, R.; Carpenter, K.E.; Smith-Vaniz, W.F. (2016). Symphorichthys spilurus. IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T194402A2331603. doi:10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T194402A2331603.en. https://www.iucnredlist.org/species/194402/2331603 2025年2月18日閲覧。. 
  2. ^ a b c d e Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2021). "Symphorichthys spilurus" in FishBase. February 2021 version.
  3. ^ CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Symphorichthys”. researcharchive.calacademy.org. 2025年2月14日閲覧。
  4. ^ CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Lutjanidae”. researcharchive.calacademy.org. 2025年2月18日閲覧。
  5. ^ Christopher Scharpf & Kenneth J. Lazara, eds.: “Order ACANTHURIFORMES (part 4): Families HAEMULIDAE and LUTJANIDAE”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf and Kenneth J. Lazara. 2025年2月18日閲覧。
  6. ^ a b Bray, D.J. (2021年). “Symphorichthys spilurus”. Fishes of Australia. Museums Victoria. 1 July 2021閲覧。
  7. ^ a b Gerald R. Allen (1985). FAO species catalogue Vol.6. Snappers of the world An annotated and illustrated catalogue of lutjanid species known to date. FAO Rome. pp. 159–160. ISBN 92-5-102321-2. http://www.fao.org/3/ac481e/ac481e43.pdf 

関連項目

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