コンテンツにスキップ

KFCコーポレーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
KFCコーポレーション
KFC Corporation
種類 デラウェア州株式会社
完全子会社
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ケンタッキー州ルイビル
設立 1952年 (72年前) (1952)
業種 飲食業
事業内容 レストランの経営、鶏肉料理及び関連料理の販売
代表者 ロジャー・イートン社長
主要株主 ヤム・ブランズ 100%
関係する人物 カーネル・サンダース(創業者)
外部リンク global.kfc.com
テンプレートを表示

KFCコーポレーションKFC Corporationケンタッキー・フライド・チキンの略称)は、アメリカ合衆国のファストフードチェーン。

世界規模で展開し、世界で初めてフランチャイズビジネスを創始した。現在はペプシコ社から分派したヤム・ブランズの傘下である。

歴史

[編集]
ケンタッキー州ノースコービンのハーランド・サンダース・カフェ・アンド・ミュージアム英語版

カーネル・ハーランド・サンダース1890年に生まれ、インディアナ州のヘンリービル英語版郊外の農場で育った[1]。13歳で実家を離れたあと、サンダースは鉄道職員や保険外交員などいくつかの職業に就いたが、そのキャリアは常に順調というわけではなかった[2]

1930年、サンダースはケンタッキー州ノースコービン(アパラチア山脈のはずれにある小さな町)を通る国道25号線沿いのシェルガソリンスタンドの経営を引き受けた[3]。その年の6月までに、サンダースは物置を改造して自前のダイニングテーブルを設置し、小さな食事スペースをつくった上で、立ち寄ったドライバーにステーキカントリーハムなどの料理を提供するようになった[4]1934年、反対側の給油所の方がドライバーの視界に入りやすいため、サンダースは国道25号線の向かい側にあるピュア・オイル英語版のガソリンスタンドの経営を前任者から引き継いだ[5]。サンダースがフライドチキンの販売を始めたのもこの時からだった[6]。1936年までには、サンダースが経営するビジネスの成功は広く認められるものになっており、ルビー・ラフーン知事からケンタッキー・カーネルの名誉称号を授与されるほどだった[7]1940年7月、サンダースは「11種のハーブとスパイスからなるオリジナルレシピ」として後に知られるようになるレシピを完成させた[8]

1950年ローレンス・ウェザビー知事によってケンタッキー・カーネル(名誉大佐)に再任命されたあと、サンダースはその立場にふさわしい服装をするようになった。ヤギひげを生やし、黒のフロックコート(後に白のスーツに変更)とストリング・タイを着用したサンダースは、自らを「カーネル」の肩書きで呼んだ[9][10]。サンダースのレストランの客のほとんどは車で移動するドライバーであり、1955年に計画中の州間高速道路75号線のルートがケンタッキー州コービンをバイパスすることが公表されたとき、サンダースは資産を売り払ってアメリカ各地を回り、レストランのオーナーに自らのフライドチキンを売り込んだ[11]。サンダースは、1952年にはすでにユタ州サウス・ソルトレイク英語版市のピート・ハーマン(市内でも最大規模のレストランの経営者)にフライドチキンのレシピをフランチャイズして成功を収めていた[12]

「ケンタッキーフライドチキン」という名称は、ハーマンが雇った看板書きのダン・アンダーソンによって創り出された[13]。サンダースは、この名称が自分のフライドチキンと一般のレストランで提供される「南部風フライドチキン」(ディープフライで調理される)をはっきりと区別するのに役立つと考え、自らのビジネスにも取り入れた[14]

1964年、サンダースはジョン・Y・ブラウンらのグループに200万ドル(2013年の貨幣価値で約1500万米ドル)でKFCを売却した[7]。売却に際しての契約内容には、サンダースへの終身給与の支給に加え、サンダースが品質管理責任者として役職にとどまり、会社のトレードマークとしてコマーシャルに出演するという合意が含まれていた[15][16]1967年までに、KFCはアメリカで6番目に売上高の大きいレストランチェーンに成長しており、その売り上げの30パーセントがテイクアウトによるものだった[17][18]。1970年には、KFCチェーンは48の国で3000の店舗を抱えていた[17]。1971年7月、ブラウンはKFCを、コネチカット州に本拠を置く加工食品・加工飲料会社のヒューブライン英語版社に2億8500万ドル(2013年の貨幣価値で約16億米ドル)で売却した[19]。ヒューブライン社には過去にファストフード店を経営した経験がなく[20]、その自信過剰な経営は香港のような海外市場においてKFCを失速させた。1975年には2年間の活動の後、KFCは香港での事業から撤退した[21]1977年、ヒューブライン社はマイケル・A・マイルズをKFCチェーンの経営者に抜擢した。マイルズは、経営難のKFCを原点回帰路線で立て直した功労者と見なされている[22]

1980年には、肺炎によりハーランド・サンダースが90歳で死去した。サンダースは死の直前まで、自らの商品を宣伝しつつ、年間20万 - 25万マイルを主に車を利用して旅していた[23][24]

1983年の時点で、全世界55の国で5800のKFC店舗が存在していた[25]。同じ1983年には、ゼネラル・シネマ英語版がヒューブライン社の株式の18パーセントを取得した。敵対的買収を警戒したヒューブライン社は、タバコ会社R.J.レイノルズに自社のホワイト・ナイトとなるよう申し入れ、R.J.レイノルズが13億ドルでヒューブライン社を買収することになった[26]。R.J.レイノルズの傘下となったKFCは、1983年にマクドナルドチェーン全体で展開されたチキンマックナゲットとの競争を強いられた。KFCは1985年に「ケンタッキーナゲット」と呼ばれる独自ブランドのチキンナゲットを発売した[27]

1986年7月、R.J.レイノルズはKFCをペプシコ簿価8億5000万ドル(2013年の貨幣価値で約18億米ドル)で売却した[28]1987年11月、KFCは北京に出店し、中国で展開する最初の欧米のレストランチェーンとなった[29]。1989年、第1四半期におけるKFCの売り上げは30パーセント上昇し、その金額は2億8000万米ドルに達した[30]。1991年6月、シンガポールの店舗でKFC史上初となる朝食メニューの販売が開始された[31]。KFCはアメリカ市場で苦戦を強いられ、ペプシコのレストラン部門でもっとも貧弱な事業となっていたが、その一方でアメリカ以外の市場では急成長を遂げていた。なかでも、日本のKFCは特筆すべき成功を収めていた[32]。1992年になる頃には、KFCの売上高の半分近くがアメリカ国外の市場で稼ぎ出されていた[33]。1993年までに、アジア太平洋地域における売り上げはKFC全体の売上高の22パーセントを占めるほどになった[29]

1997年8月、ペプシコは自社のレストラン部門を「トライコン・グローバル・レストランズ」として分離独立させた。トライコン社は2002年に名称をヤム・ブランズに変更した。ヤム・ブランズはKFCのオーナーとして、ペプシよりも明確な意志を持った経営を行っており、アメリカ国内の店舗数は減少したものの、KFCはアジア南アメリカアフリカ地域で成長を続けている。2015年末の時点で、KFCは全世界125の国と地域で1万9952店舗を展開しており、KFCにとって最大の市場である中国には5003店舗が存在する[34]

2020年6月、同年11月12日にゲーム機「KFConsole」を発売すると発表。異例ともいえる飲食業からのゲーム機市場参入となった[35]

2022年10月24日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアでの事業を現地企業に売却することで合意した[36]。その後、現地企業はロシア国内のKFC店舗名称を「ロスティクス」に変更した上で2023年4月25日に第1号店をモスクワ市内に開店した[37]

CI

[編集]

1991年、正式名称が「ケンタッキーフライドチキン」から「KFC」へと変更された。これはイメージ戦略の一環であり、

  • 消費者の健康志向に応えて揚げ物(Fried)の持つ不健康なイメージを払拭する[38]

という3つの狙いがあった。しかしファクトチェックサイトのスノープスによると、名称変更の1年前にケンタッキー州が「ケンタッキー」の商標登録を行ったため、商標使用料の支払を回避するために名称を変更したとされる[38]

カナダケベック州ではフランス語の名称の頭文字を取って「PFK」(Poulet Frit Kentucky)と略す。ただしフランス国内では「KFC」と称している。中国語での漢字表記は「肯德基」。

キャッチフレーズは"It’s finger lickin’ good." 1970年代の日本のテレビCMでは「指まで舐めちゃうおいしさ」と訳されていた[39]。これ以外にも"Nobody does chicken like KFC"や "so good"などのフレーズが使用されていた時期もある。

世界展開

[編集]
KFCの店舗がある国(赤色。2022年4月時点)
展開開始年 地域(大陸) 店舗数 補記
アメリカ合衆国 1930 アメリカ 4062
カナダ 1953 アメリカ 639
メキシコ 1965 アメリカ 393
イギリス 1965 ヨーロッパ 909 欧州で最初
フィリピン 1967 アジア 332 アジアで最初
オーストラリア 1968 オセアニア 653 オセアニアで最初
ドイツ 1968 ヨーロッパ 189
日本 1970 アジア 1131
スペイン 1970 ヨーロッパ 143
南アフリカ共和国 1971 アフリカ 955 アフリカで最初
ニュージーランド 1971 オセアニア 100
アイルランド 1971 ヨーロッパ 40
エジプト 1973 アフリカ 164
オランダ 1972 ヨーロッパ 77
クウェート 1973 アジア 66
サウジアラビア 1975 アジア 220
カタール 1976 アジア 39
オマーン 1977 アジア 36
インドネシア 1979 アジア 689
韓国 1984 アジア 190
タイ王国 1984 アジア 717 1970年 - 1975年にもあった
台湾 1985 アジア 153
中華人民共和国 1987 アジア 7980
ポーランド 1992 ヨーロッパ 315
ハンガリー 1992 ヨーロッパ 80
チェコ 1995 ヨーロッパ 114
インド 1995 アジア 395
ルーマニア 1997 ヨーロッパ 94
ベトナム 1997 アジア 136
フランス 2001 ヨーロッパ 262 1991 - 1992にもあった。
マレーシア 2004 アジア 718 1973 - 1992にも。
トルコ 1989 アジア 142
パキスタン 1997 アジア 92 1960 - 1970
シンガポール 1977 アジア 86
イタリア 2014 ヨーロッパ 68
カザフスタン 2008 アジア 66
ウクライナ 2012 ヨーロッパ 48
スリランカ 1995 アジア 39
ポルトガル 1994 ヨーロッパ 34
ブルガリア 1994 ヨーロッパ 28
ヨルダン 1973 アジア 27
バングラデシュ 2006 アジア 26
バーレーン 1973 アジア 24
ナイジェリア 2009 アフリカ 24
リビア 1973 アジア 23
ケニア 2011 アフリカ 23
ナミビア 1992 アフリカ 21
ガーナ 2011 アフリカ 19
モロッコ 2001 アフリカ 18
ブルネイ 1992 アジア 17
ボツワナ 1992 アフリカ 16
ベルギー 2019 ヨーロッパ 15
セルビア 2007 ヨーロッパ 13
コソボ 2016 ヨーロッパ 13
ウズベキスタン 2018 アジア 13
ギリシャ 1992 ヨーロッパ 12
モザンビーク 2007 アフリカ 12
ネパール 2009 アジア 12
モンゴル 2013 アジア 12
ウガンダ 2013 アフリカ 12
スウェーデン 2014 ヨーロッパ 12
イスラエル 2020 アジア 12 1993 - 2014にもあった。
オーストリア 2005 ヨーロッパ 11 1970 - 1975にも。
アルメニア 2007 アジア 11
カンボジア 2008 アジア 11
アゼルバイジャン 2011 アジア 11
スイス 2017 ヨーロッパ 11 1980 - 2004にも。
チュニジア 2018 アフリカ 10
デンマーク 1992 ヨーロッパ 10 1970 - 1991にも。
アンゴラ 2012 アフリカ 9
アイスランド 1980 ヨーロッパ 8
クロアチア 2011 ヨーロッパ 8
イラク 2015 アジア 8
アルバニア 2016 ヨーロッパ 8
スーダン 2019 アフリカ 8
スロバキア 2006 ヨーロッパ 7
エストニア 2019 ヨーロッパ 7
リトアニア 2007 ヨーロッパ 6
ジンバブエ 2013 アフリカ 6 1991 - 2008にも。
タンザニア 2013 アフリカ 6
コートジボワール 2018 アフリカ 6
フィンランド 2021 ヨーロッパ 6
ジョージア 2010 ヨーロッパ 5
マケドニア 2018 ヨーロッパ 5
ザンビア 2011 アフリカ 4
キルギスタン 2017 アジア 4
ガボン 2019 アフリカ 4
セネガル 2019 アフリカ 3

日本

[編集]

日本では1968年7月[40]に設立。1970年3~9月の日本万国博覧会に実験店を出店。同年11月より店舗展開している。日本における提携先・マスターライセンシーは日本ケンタッキー・フライド・チキン[注 1]

地方によって呼び方が変わる。「ケンタ」は関東東北地方なのに対し、東海地方以西は「ケンチキ」と呼ぶ人が多い[41]。1人当たりの消費量では、沖縄県が全国一位となっている[42][43]

中国・香港

[編集]

1973年に出店。当時は香港人の食習慣に合わず一時撤退しているが、再上陸後はポピュラーなファストフード店として認知されている。

台湾

[編集]

1984年に出店。当時は統一企業がライセンシーであったが、現在は香港ジャーディン・マセソン系列企業が経営権を持っている。

韓国

[編集]

1984年に出店。斗山グループのSRSコリアが経営権を持っている。

中華人民共和国

[編集]

1987年に北京に第一号店出店。いつ[いつ?]時点で650以上の都市に3,200店という状態だった。

東南アジア

[編集]

東南アジア諸国のほとんどは、ハンバーガーよりチキンのほうが人気のため、マクドナルドより高いシェアを持つ[要出典]。ただしフィリピンは例外で、ジョリビーが高いシェアを持つため、ケンタッキーはジョリビーよりは人気がない[要出典]

商品・サービス

[編集]

調理法

[編集]
カーネル・サンダース
KFCのフライドチキンとポテト

カーネル・サンダース(本名:Harland David Sanders 1890年1980年[注 2]によって1930年ケンタッキー州コービンのガソリンスタンドに「サンダースカフェ」が併設され人気を得た。1939年に考案されたフライドチキンの調理法が礎になっており、調理機材などの進化はあるにせよ、基本的な調理法はまったく変わっておらず、90年以上同じ味を維持し続けている。

カーネル・サンダースが直筆で書いたレシピは過去68年間本社から動かされることがなかったが、セキュリティの近代化に伴い、レシピも新たな場所へと移動された。このことがニュース記事となったほどである[44]

鶏肉を揚げる際、自社具材の加熱調理向けに設計・製造された専用の業務用圧力フライヤーを使用するが、家庭用の煮炊き向けに製造された圧力鍋を代用して店舗と同様の加圧調理を行うことはできない。なぜならば、日本国内で販売されているいずれの家庭用圧力鍋も、それを揚げ物料理に使用する行為は前提にされず、その製品に付属の取扱説明書で禁止されるなど、主に安全面において保証がないためである(理由の詳細は圧力釜の項を参照)。

KFCでは、揚げ油に保存性の良いショートニングを使用してきた。ショートニングに多く含まれるトランス脂肪酸は人体に有害であるという世論の高まりから、KFC社は米国などで消費者団体から提訴されており、2006年10月30日、米国本社は2007年4月までに北米でのショートニングの使用を取りやめると発表した[45]。米国本社でさまざまな代替品を検討した結果、遺伝子組み換えの低リノール酸大豆油が本来の味覚にもっとも近いということから採用される見通しである。

味付けの秘密は、11種類のハーブスパイスによるもの(11スパイス)と説明され[46]、調合スパイスの種類と調合率はごく一部の者にしか知られていない厳重な企業機密である(ショウガニンニクセージナツメグフェンネル、オニオンフレーク[47]など一部は公表されている)。一方、ジャーナリストウィリアム・パウンドストーンは調査を行い、自著「BIG SECRETS」の中でその時点においてはハーブは含まれておらず、調味料はと黒コショウグルタミン酸ソーダだけであったとの結論を導いている[要ページ番号]

食べ放題

[編集]

食べ放題を世界各国の一部地域・一部店舗にて展開しており、アメリカは7米ドル程度、オーストラリアは10豪ドル程度と、価格のばらつきがあるが実施している。

日本では、東京都町田市にある「南町田グランベリーパーク店」[48]大阪府吹田市にある「ららぽーとEXPOCITY店」[49]愛知県名古屋市にある「ららぽーと名古屋みなとアクルス店」[50]にて、通年でビュッフェ形式でのチキン等の食べ放題が可能である。その他の店舗でも、期間限定で食べ放題を実施することがある。

また2018年7月20日から8月末までの毎週金曜日の午後4時以降、全国の218店舗にて事前予約限定で食べ放題が実施された[51]

ゲーム機市場参入へ

[編集]

2020年6月、同年11月12日にゲーム機「KFConsole」を発売すると発表した[52]。その後は全く音沙汰が無かったが、11月12日に発売日を同年12月11日[53]、さらに同日には同月18日に再延期され[54]、同日には96時間後を示す謎の画像が投稿され[55]、96時間後となる12月23日にはその正体がチキンチャンバー機能を持つゲーミングPCであることが明かされた。CPUグラフィックスカードの排熱を利用してチキンを温めることができる模様[56][57]。飲食業が全くの異業種への参入で、今後の動向に注目される。

ロゴとカーネル立像

[編集]

似顔絵は1955年頃、最初のフランチャイズ店であったピート・ハーマンの店で持ち帰り用の紙箱に印刷された線画のイラストが始まり。本人は「マグカップみたいだ」と遠慮した話が残っている。1998年からは「スマイリーカーネル」と呼ばれるロゴが登場した。

立像はカナダのある店舗でイベント用に作られたもので、倉庫に眠っていた。これを日本の幹部が見つけて持ち帰り、飾られるようになった。日本だけの人形だったが、後に外国でも模倣されるようになった[58]

カーネル・サンダースの呪い

[編集]

1985年10月16日阪神タイガース優勝の当日、戎橋近くにあったケンタッキーフライドチキン道頓堀店(閉店)のカーネル・サンダース像が阪神ファンによって担ぎ出された。優勝に貢献した三冠王ランディ・バースに似ているという理由でファンによって胴上げされ、近くを流れる道頓堀川に投げ込まれた。沈んだ銅像はそのまま行方不明になり、見つかることなく時が過ぎ、阪神タイガースも低迷期に入る。ファンの間では、阪神が優勝できないのは「カーネル・サンダースの呪い」だとも言われた[59]

世間からも忘れ去られつつあったが、2009年3月10日、水辺整備事業の一環で道頓堀川底を調査していた大阪市建設局によって、カーネル・サンダース像が24年ぶりに発見された。修復されたカーネル・サンダース像は、幸運の象徴として「おかえり!カーネル」と命名された[60]

「おかえり!カーネル」像は2013年3月から日本KFCホールディングス社本社内に展示され[61]2017年に本社が横浜へと移転したタイミングで日本KFCホールディングス社関西オフィスへと移された[62]。しかし、人形自体が老朽化し、保管が困難となったことから、2024年3月8日大阪市住吉大社にて人形納め(廃棄)が実施された[63][64]

事件

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 当初は合弁による日本法人であったが、現在は2007年末に合弁相手の三菱商事による実質買収に伴い資本撤退。
  2. ^ カーネルは「大佐」の意味があるが、この場合はケンタッキー州に貢献した人に与えられる称号(ケンタッキー・カーネル)。

出典

[編集]
  1. ^ Whitworth, William (February 14, 1970). “Kentucky-Fried”. New Yorker. https://www.newyorker.com/magazine/1970/02/14/kentucky-fried February 23, 2013閲覧。 
  2. ^ Sanders, Harland (2012). The Autobiography of the Original Celebrity Chef. Louisville: KFC. p. 15. オリジナルのSeptember 21, 2013時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130921055011/https://s3.amazonaws.com/colcookbook/us/pdf/English_FullBook.pdf 
  3. ^ Klotter, James C. (2005). The Human Tradition in the New South. Rowman & Littlefield. pp. 129–136. ISBN 978-0-7425-4476-5. https://books.google.com/books?id=X2UtXHKGj0sC&pg=PA210 June 29, 2013閲覧。 
  4. ^ Ozersky, Josh (2012). Colonel Sanders and the American Dream. University of Texas Press. p. 21. ISBN 978-0-292-74285-7 
  5. ^ Sanders, Harland (2012). The Autobiography of the Original Celebrity Chef. Louisville: KFC. p. 39. オリジナルのSeptember 21, 2013時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130921055011/https://s3.amazonaws.com/colcookbook/us/pdf/English_FullBook.pdf 
  6. ^ Sanders, Harland (2012). The Autobiography of the Original Celebrity Chef. Louisville: KFC. p. 40. オリジナルのSeptember 21, 2013時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130921055011/https://s3.amazonaws.com/colcookbook/us/pdf/English_FullBook.pdf 
  7. ^ a b Smith, Andrew F. (December 2, 2011). Fast Food and Junk Food: An Encyclopedia of What We Love to Eat. ABC-CLIO. p. 612. ISBN 978-0-313-39394-5. https://books.google.com/books?id=Wq3tvL_uIHcC&pg=PA612 
  8. ^ Schreiner, Bruce (July 23, 2005). “KFC still guards Colonel's secret”. Associated Press. https://www.jacksonville.com/tu-online/stories/072305/bus_19314459.shtml September 19, 2013閲覧。 
  9. ^ Kleber, John E.; Thomas D. Clark; Lowell H. Harrison; James C. Klotter (June 1992). The Kentucky Encyclopedia. University Press of Kentucky. p. 796. ISBN 0-8131-1772-0 
  10. ^ Ozersky, Josh (2012). Colonel Sanders and the American Dream. University of Texas Press. pp. 35–6. ISBN 978-0-292-74285-7 
  11. ^ John A. Jakle; Keith A. Sculle (1999). Fast Food: Roadside Restaurants in the Automobile Age. JHU Press. p. 219. ISBN 978-0-8018-6920-4. https://books.google.com/books?id=0nYcgnWKWXgC March 13, 2013閲覧。 
  12. ^ Nii, Jenifer K. (2004年). “Colonel's landmark KFC is mashed”. Deseret Morning News. October 28, 2007閲覧。
  13. ^ Liddle, Alan (May 21, 1990). “Pete Harman”. Nation's Restaurant News 
  14. ^ Sanders, Harland (1974). The Incredible Colonel. Illinois: Creation House. p. 97. ISBN 978-0-88419-053-0 
  15. ^ Cottreli, Robert (December 17, 1980). “Obituary: Colonel Sanders”. Financial Times 
  16. ^ Myers, Dan (19 October 2017). “15 Things You Didn’t Know About Kentucky Fried Chicken”. The Daily Meal. https://www.thedailymeal.com/eat/10-things-you-didn-t-know-about-kentucky-fried-chicken 30 December 2017閲覧。 
  17. ^ a b Aaseng, Nathan (January 1, 2001). Business Builders in Fast Food. The Oliver Press, Inc.. p. 125. ISBN 978-1-881508-58-8. https://books.google.com/books?id=vwyiE8Gd8GQC&pg=PA158 March 13, 2013閲覧。 
  18. ^ KFC Corporation”. Company Profiles for Students. 2013年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月13日閲覧。 (Paid subscription required要購読契約)
  19. ^ Barmash, Isadore (July 23, 1971). “Chief Expected to Leave Kentucky Fried Chicken”. The New York Times 
  20. ^ “Heublein sees growth in food”. The New York Times. (November 12, 1980) 
  21. ^ Cho, Karen (March 20, 2009). “KFC China's recipe for success”. Insead Knowledge. https://knowledge.insead.edu/leadership-management/strategy/kfc-chinas-recipe-for-success-1706 February 27, 2013閲覧。 
  22. ^ Sammons, Donna (March 2, 1980). “Kentucky Fried Chicken Can Cackle Again”. The New York Times 
  23. ^ Lawrence, Jodi (November 9, 1969). “Chicken Big and the Citizen Senior”. Washington Post 
  24. ^ Ozersky, Josh (September 15, 2010). “KFC's Colonel Sanders: He Was Real, Not Just an Icon”. Time. オリジナルの2016年1月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160130213245/http://content.time.com/time/printout/0,8816,2019218,00.html September 18, 2010閲覧。 
  25. ^ “KFC Expansion”. The New York Times. Reuters. (May 5, 1983) 
  26. ^ Cannon, Carl (March 6, 1983). “All the Pieces in Place, Reynolds Will Focus on Internal Growth”. Los Angeles Times 
  27. ^ Delaney, Tom (June 3, 1985). “KFC Cooks Up New $80-Mil. Media Plan”. ADWEEK 
  28. ^ Stevenson, Richard W. (July 25, 1986). “Pepsico to Acquire Kentucky Fried: Deal Worth $850 Million”. The New York Times 
  29. ^ a b Jing, Jun (2000). Feeding China's Little Emperors: Food, Children, and Social Change. Stanford University Press. pp. 117–118, 127. ISBN 978-0-8047-3134-8. https://books.google.com/books?id=NPI7wHge6CcC&pg=PA117 September 27, 2013閲覧。 
  30. ^ Zagor, Karen (May 3, 1989). “PepsiCo Returns Sparkle”. Financial Times 
  31. ^ “Colonel serves test breakfast in Singapore”. Marketing News. (June 10, 1991) 
  32. ^ Ramirez, Anthony (May 2, 1990). “New Coke Conquest: Burger King”. The New York Times. https://www.nytimes.com/1990/05/02/business/new-coke-conquest-burger-king.html September 11, 2013閲覧。 
  33. ^ Farrell, Greg (October 11, 1993). “The World on a STRING”. Brandweek 
  34. ^ Restaurant counts” (PDF). Yum! Brands. p. 111. 2016年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月1日閲覧。 “As of year end 2015, KFC had 5,003 units in China, 372 units in India and 14,577 units within the KFC Division.”
  35. ^ KFCが新型ゲーム機を発表 4K120FPS、クロスプラットフォーム互換のモンスタースペックで焼鳥機能付きってうそだろおい”. Yahoo!ニュース、ねとらぼ. 2020年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月29日閲覧。
  36. ^ 米KFCもロシア撤退 現地企業に事業売却”. 時事通信 (2022年10月25日). 2023年5月1日閲覧。
  37. ^ イット! (2023年4月27日). “【デザインまで激似】ロシア版ケンタッキーモスクワに開店 その名は「ロスティクス」 露側が事業買収「味もレシピも全く同じ」”. FNNプライムオンライン. フジテレビ. 2023年5月1日閲覧。
  38. ^ a b Fried and True | Did KFC change its name to 'Kentucky Fried Chicken' to eliminate the word 'fried'?”. Snopes.com (2017年5月25日). 2017年11月15日閲覧。
  39. ^ KFC CM集 - ニコニコ動画』2010年4月16日https://www.nicovideo.jp/watch/sm104087192021年10月9日閲覧 
  40. ^ @KFC_jp (2013年7月4日). "今日7月4日は、日本KFCの創業日です。いつもご愛顧いただいているみなさまに、あらためて御礼申し上げます。". X(旧Twitter)より2022年5月15日閲覧
  41. ^ ケンタッキーフライドチキンの正しい略し方は? 関東「ケンタ」 関西「ケンタキ」”. エキサイトニュース (2011年6月28日). 2021年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月15日閲覧。
  42. ^ “あの”チキンはおかず? ケンタッキーフライドチキンの消費量が日本一!”. 沖縄好き必見!? 沖縄県民のいろいろな“あるある”を解説!. オリオンビール (2021年8月31日). 2024年9月28日閲覧。
  43. ^ 【進撃のチキン】ケンタッキー全国一食べる沖縄県民、でも鶏肉消費量は44位のワケ”. 沖縄タイムス (2019年12月23日). 2024年9月28日閲覧。
  44. ^ “カーネル・サンダースもびっくり、超厳重なケンタッキー・フライドチキンのレシピの移動 ライブドアニュース”]. (2008年9月11日). https://news.livedoor.com/article/detail/3815375/ 2020年8月7日閲覧。 
  45. ^ “KFCもトランス脂肪排除へ”. 情報源:ヘルスビジネスマガジン社. (2006年11月1日). https://www.e-expo.net/contents/world/newsflash/2006_11.html 2020年8月7日閲覧。 
  46. ^ ケンタッキーフライドチキンの秘蔵レシピ、創業者の甥が公表”. 女性自身 (2017年5月17日). 2017年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月18日閲覧。
  47. ^ シルシルミシルさんデー』(2011年7月17日放送分、バックナンバー
  48. ^ 南町田グランベリーパーク店”. ケンタッキーフライドチキン. 2022年5月15日閲覧。
  49. ^ ららぽーとEXPOCITY店”. ケンタッキーフライドチキン. 2022年5月15日閲覧。
  50. ^ ららぽーと名古屋みなとアクルス店|ケンタッキーフライドチキン”. ケンタッキーフライドチキン. 2023年9月2日閲覧。
  51. ^ ケンタッキーのチキンが食べ放題、7月20日からスタート【実施する218店舗のリスト】”. ハフポスト (2018年7月16日). 2022年5月15日閲覧。
  52. ^ Gueed (2020年6月17日). “ケンタッキーフライドチキンが新型ゲーム機「KFConsole」の11月12日発売を発表。4K・120fps対応で,どうやらチキンも焼ける模様”. 4Gamer.net. 2022年5月15日閲覧。
  53. ^ ケンタッキーのチキン温め機能付きゲーム機「KFConsole」、12月11日に発売延期”. PHILE WEB (2020年11月13日). 2022年5月15日閲覧。
  54. ^ チキンも焼けるケンタッキーのゲーム機「KFConsole」が1週間の再延期。12月18日に何かを発表”. PHILE WEB (2020年12月16日). 2022年5月15日閲覧。
  55. ^ ケンタッキーゲーム機「KFConsole」延期されていた発売予定日に謎のカウントダウンらしきものが公開”. Game*Spark (2020年12月19日). 2022年5月15日閲覧。
  56. ^ 株式会社インプレス (2020年12月23日). “KFCのチキン保温機能付きゲーム機「KFConsole」、特設サイト公開。ジョークにあらず!Cooler Masterら協力で制作が進行中”. GAME Watch. 2022年5月15日閲覧。
  57. ^ 松本隆一 (2020年12月23日). “「KFConsole」,チキンの保温機能を実装した高性能小型PCらしきスペックでついに正式発表”. 4Gamer.net. 2022年5月15日閲覧。
  58. ^ 高橋書店編集部 編『ロゴの秘密』高橋書店、2013年、116-117頁。ISBN 978-4-471-19122-1 
  59. ^ 道頓堀に沈んだカーネル像、今どこに 救出後、甲子園に置かれるも…”. 朝日新聞デジタル (2023年9月13日). 2024年9月28日閲覧。
  60. ^ カーネル立像のひみつ8”. カーネル・サンダースの部屋. ケンタッキー公式サイト. 2024年9月28日閲覧。
  61. ^ 「呪い」のカーネル像が“栄転”してた”. デイリースポーツ (2014年10月21日). 2024年9月28日閲覧。
  62. ^ 「道頓堀のカーネルさん」は今どこに? ケンタッキーフライドチキン本社で聞いてきた」『エキサイトニュース』エキサイト株式会社、2017年9月15日。2024年9月28日閲覧。
  63. ^ 砂押健太 (2024年3月19日). “呪い解けた? 道頓堀川から生還したカーネル人形、老朽化で廃棄”. 毎日新聞. 2024年3月19日閲覧。
  64. ^ 【奇跡の生還から15年】 幸運の象徴「おかえり! カーネル」に感謝を込めて 人形納めを実施”. 日本KFCホールディングス株式会社 (2024年3月19日). 2024年9月28日閲覧。
  65. ^ USATODAY.com - PETA staffer legally changes name to KentuckyFriedCruelty.com”. Usatoday (2005年12月30日). 2022年5月15日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]